仮想通貨とは?資産運用を始める前に知るべき基本ガイド

仮想通貨とは、近年急速に普及している新しい資産運用スタイルであり、その魅力とリスクを理解し、賢明な投資判断を下すためには、基礎から学ばなければなりません。

この記事では、仮想通貨の特徴や取引方法、安全な取引所の選び方、仮想通貨を使ったさまざまな支払方法など、仮想通貨とひもづく知識を解説します。資産運用を始める前に仮想通貨の概要を把握し、リスクを理解したうえで、その可能性を最大限に引き出せるように準備しましょう。

この記事の監修者

金子賢司

金融のプロ

東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 (保有資格)CFP
https://fp-kane.com/

仮想通貨とは?資産運用を始める前に知っておくべきこと

仮想通貨は、デジタル時代の資産運用として注目を浴びていますが、投資を始める前には詳細を理解する必要があります。ここでは、仮想通貨の特徴と、多くの人が興味を持つ儲かる仕組みについて詳しく解説します。これらの知識を身につけることで、仮想通貨という新たな資産運用の理解を深め、適切な投資判断を下すための基盤を築けることでしょう。

仮想通貨の特徴

仮想通貨とは、インターネット上で取引されるデジタル資産のことであり、物理的な形のないデジタルコードです。中央銀行や特定の国や政府に依存することなく世界中で使われています。

仮想通貨で最も有名なのは「ビットコイン」ですが、他にも「イーサリアム」や「リップル」など多数存在します。

仮想通貨の最大の特徴は、その取引記録が「ブロックチェーン」と呼ばれる技術によって管理されていることです。ブロックチェーンはデータを安全に記録するための帳簿のようなもので、取引が公正かつ透明に行われることに寄与しています。

また、仮想通貨には「分散型」という点も特徴の一つです。これは仮想通貨のシステムが一カ所で管理や蓄積をせず、世界中のコンピュータによってシステムが支えられているということを意味します。分散型にすることによって、仮想通貨は従来の銀行システムとは異なる自由度と柔軟性を有しているのです。

儲かるってほんと?仮想通貨の仕組み

仮想通貨での「儲け」とは、基本的に価格変動によって生じます。仮想通貨の価格は株や外国為替などと同様に、市場の需要と供給によって決まります。例えば、多くの人がビットコインを購入したいと思った場合、需要の増加によってビットコインの価格は上昇するのです逆に多くの人が売りたいと思えば、供給の増加によって価格が下落します。

仮想通貨投資で利益を得るには、安いときに購入して高くなったときに売る必要があるのです。とはいえ、価格変動は不規則かつ不安定であり、時には短期間で大きく変動することもあります。そのため、仮想通貨への投資は高いリスクを伴いますが、それに見合った高いリターンを得る可能性も秘めています。

このように仮想通貨には、儲けられる要素(魅力)がありますが、特性もよく理解したうえで、投資戦略を慎重に立てなければなりません。初心者が仮想通貨投資を始める際には、まずは少額から始めて、価格変動を含めてマーケットに慣れることが大切です。

仮想通貨のメリット

仮想通貨はデジタル時代の金融において、注目を浴びています。その革新性には、従来の金融システムにはない数々のメリットがあります。ここでは、仮想通貨の2つの主なメリットについて解説します。

24時間365日取引が可能

多くの金融市場は地理的および時間的な制約があるため、取引時間が限られています。例えば、日本の東京証券取引所の取引時間は、平日の9時から11時30分までと、12時30分から15時までです。

これに対して、仮想通貨市場は、分散型ネットワークに基づいており、中央の管理機関や物理的な取引所が存在しません。そのため、ネットワーク環境が整っていれば、どの時間帯でも世界中どこにいても取引可能です。

例えば、日本にいる投資家が日本時間の深夜に欧州市場の動向を見て、ビットコインの取引ができたり、週末や祝日に重大な経済ニュースが報じられた場合でもすぐ対応できたりします。このような仮想通貨市場の利便性と柔軟性は、トレーダーや投資家にとって大きな魅力といえるでしょう。

海外送金・決済が手軽かつ安価に

従来の銀行システムでは、国際送金において銀行間の調整や通貨の変換が行われ、各国の規制や手数料が適用されるため、多くの時間を要し、高いコスト(手数料)がかかります。例えば、日本からアフリカにいる人へビットコインを送金する場合は、従来の銀行システムを利用すると数日を要し、また数千円の手数料がかかることもあるのです。

一方で、仮想通貨を使えば仲介者を介すことなく、短時間で送金が可能です(※ネットワーク環境によって、時間を要する場合あり)。ビットコインを使えば数分で相手に届き、手数料も国際送金と比較すると少ない金額で済みます。なぜなら、ブロックチェーン技術によって取引の検証が分散型のネットワークを通じて行われるため中央の管理機関が不要であり、それに伴うコストがかからないからです。このように、仮想通貨は従来の国際送金や決済の仕組みを一変し、それらをより簡単に、かつ低コストの実現につなげているのです。

これらの仮想通貨のメリットは、経済のデジタル化・グローバル化の中で重要性を増しています。一方で、仮想通貨の市場は新しく、価格変動が著しいため、投資家はリスク管理と情報収集を十分に行う必要があります。セキュリティ面でも注意が必要となり、自分の資産を守るために信頼できる取引所を選んだうえで、セキュリティ対策を徹底しなければなりません。

気をつけておきたい仮想通貨のリスクと注意点

仮想通貨は、インターネットを介して利用されるデジタル通貨です。ブロックチェーンという技術によって取引の記録が管理されるなど、従来の通貨とは異なる特性があります。仮想通貨という新しい資産は大きな可能性を秘めていますが、それに伴うリスクも正しく把握しておかなければなりません。

サイバー攻撃や盗難の危険性

仮想通貨には、サイバー攻撃や盗難の危険があります。仮想通貨はインターネット上で取引され、デジタルウォレットに保管されます。そのため、サイバー攻撃のターゲットになりやすく、セキュリティが不十分な場合にはハッカーによる盗難に遭う恐れがあります。

2014年のMt.Goxの事件は、仮想通貨のセキュリティにおける問題をあぶり出しました。約85万ビットコインが盗まれ、多くの投資家が大きな損失を被りました。このような事例は、仮想通貨を取り扱う際のリスクとして警告しています。

そのため、信頼できる取引所を選ぶとともに、デジタルウォレットのセキュリティを強化することが不可欠です。例えば、二段階認証やオフラインで保管などの手法を用いることによってセキュリティを強化します。

価格変動が大きい

仮想通貨は価格の変動が激しい資産です。市場が成熟していないこと、取引量が比較的少ないこと、規制やマーケットの感情に左右されやすいことなど、さまざまな要因によって仮想通貨の価格は大きく変動します。

例えば、2017年のビットコインの価格は約2万ドルでしたが、2018年には約3,000ドルまで急落しました。このような激しい価格変動は、投資家にとって大きなリスクとなります。

仮想通貨に投資する際には、自身の投資目的とリスク許容度を正しく把握しておかなければなりません。また、投資金額は自己資金の範囲内にとどめ、短期間の価格変動に動じない心構えも求められます。

仮想通貨には未来の金融に革命をもたらす可能性がありますが、前述のリスクも無視できません。これらのリスクを正しく理解し、適切な対策を意識することで、仮想通貨をより安全かつ賢明に利用することができるでしょう。投資には十分な知識を持ち、かつ周到に準備したうえで、自己責任で行うことが大切です。

仮想通貨の取引方法

仮想通貨市場の急速な成長に伴い、投資家が利用できる取引方法は多様化しています。ここでは、仮想通貨の取引方法として広く知られている3つについて解説します。それぞれの取引方法の特徴やメカニズム、投資家が利用する際のメリットと注意点を見ていきましょう。

現物取引

仮想通貨において最も基本的な取引が「現物取引」です。これは文字どおり、仮想通貨の現物を保有することを意味します。現物取引では、保有通貨の価格変動に応じて利益や損失が発生します。現物取引のメリットは、価格が上昇すれば利益が出るというわかりやすさにあります。例えば、ビットコインを100万円で購入し、価格が上昇して200万円になれば、100万円の利益を得られるのです。ただし、価格が下がれば損失が発生します。

先物取引

「先物取引」は将来のある時点で、あらかじめ決められた価格で仮想通貨を売買する約束する方法です。この取引の特徴は、現物の受け渡しをすることなく、売却価格と買付価格の差額だけで決済できる点が挙げられます。

例えば、今後ビットコインの価格が上がると予想した場合は低い価格で先物契約を結び、価格が上がった時点で売れば利益を得られるでしょう。ただし、損失が発生する可能性があります。先物取引は、価格予想に慣れている投資家にとっては有効な手段といえるでしょう。

レバレッジ取引

レバレッジ取引は自己資金に対して、その数倍の資金を用いて取引する方法であり、少ない資金で大きな取引ができることが特徴です。その理由は、レバレッジをかけることで価格変動による利益(または損失)が大きくなる点が挙げられます。

例えば、レバレッジを2倍でかけた場合、1円上昇したときの利益はレバレッジが1倍と比べて2倍になります。ただし、レバレッジを2倍でかけたときの金額が下がった場合、損失がレバレッジの2倍となるため、大きな損失になる可能性も生じるでしょう。つまり、レバレッジ取引は、リスクとリターンがともに高いため、初心者よりも豊富な経験と知識を持つ投資家に向いています。

このように、仮想通貨の取引方法にはそれぞれ特徴があり、投資家の目的やリスク許容度に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。現物取引、先物取引、レバレッジ取引、それぞれのメリットとリスクを把握したうえで、投資判断に役立てましょう。

後悔しないために!安全な仮想通貨取引所の選び方

仮想通貨投資は、ボラティリティ(=価格変動の度合い、またはバラつき)によって大きな利益をもたらす可能性がありますが、大きなリスクも伴います。特に取引所選びは投資の成果を左右するため、慎重に選ばなければなりません。ここでは、取引所を選ぶ際のポイントを詳しく解説します。

知名度が高い取引所を利用する

仮想通貨取引を安全に行うためには、知名度が高い取引所を利用することが大切です。

知名度が高い取引所は顧客が多く、長期にわたる運営実績があります。このような取引所は、セキュリティ対策が万全で、法的な規制や監督を受けているところが多いため、安全性が高いといえます。サポート体制も充実しているため、初心者でも安心して取引を始められるでしょう。

CoincheckやbitFlyerのような取引所は、それぞれ250万人を超えたユーザーを抱えており(※2023年11月時点)、国内外のさまざまな規制当局から認可を取得しています。これらの取引所はセキュリティ面で高い基準を設け、定期的な監査を行い、顧客の資産保護を図っています。

知名度が高い取引所を利用することは、仮想通貨取引を安全に行ううえで最も重要な判断基準の一つといえるでしょう。

取扱銘柄数の多さ

取引所が取り扱っている銘柄の数が多い点も、重要な選定基準です。取扱銘柄数が多い取引所は、さまざまな市場動向にも対応できるような幅広い選択肢を提供しています。これは、運営が安定しており、リスク分散が可能であることを示しています。投資家は自身の投資戦略に合わせて多様な仮想通貨を取引することができるため、機会損失を抑えることができます。

Coincheckはビットコインをはじめ、多くのアルトコイン(=ビットコインの代替えとなるコイン)を取り扱っているため、ユーザーは市場の動向に応じてさまざまな仮想通貨を選び、投資できます​。このような多様性に富んだ選択肢は、市場の動向に対する柔軟性を高め、投資リスクの分散にも寄与します。

取扱銘柄数の多さはその取引所の安定性と多様性を示すため、投資家にとって選択の幅を広げるための重要なポイントといえます。

手数料は安いか

取引手数料の低さも、取引所選びにおいて見逃せないポイントです。手数料が高いと取引コストが積み重なり、長期的には利益が大きく目減りする原因となります。また、頻繁な取引を行うデイトレーダーのような投資家にとっても、手数料は利益を大きく左右する要素です。手数料が低い取引所を利用することで取引コストを抑え、収益性を高めることができます。

一部の取引所は、取引量に応じて手数料が割り引かれるシステムを採用しています。このようなユーザー取引しやすい料金体系は、アクティブトレーダーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。

手数料が低い取引所を選ぶことは、長期的なコスト削減と収益性の向上につながります。

知名度や取扱銘柄数、手数料の低さは、安全で効率的な仮想通貨取引所を選ぶ際の重要なポイントです。これらのポイントを踏まえて、自身の投資戦略に最適な取引所を選ぶことが、仮想通貨取引を成功に導く鍵となります。

おすすめの仮想通貨の使い道

近年、仮想通貨という言葉を生活のさまざまなシーンで見聞きするようになりました。一見複雑で難解な技術ですが、その背後にある原理や多様な使い道を理解すれば、デジタル経済における重要性が把握できるでしょう。

ここでは初心者でも理解しやすいように、注目すべき3つの仮想通貨の使い道を解説します。これらの情報をもとに、仮想通貨の現状と将来の可能性を見ていきましょう。

決済手段として

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、商店やレストラン、オンラインショッピングサイトなど、さまざまな支払いに利用できます。クレジットカードや現金と同じように、仮想通貨をウォレットアプリから直接スキャンして支払えます。このプロセスは迅速でセキュリティが高く、また中央機関を介さないため手数料が低いという特徴があります。また、仮想通貨を利用することで、通貨の交換手数料や国際送金の費用を節約できるため、グローバル取引においても有用です。

公共料金の支払い手段として

現在、一部の国や地域では、公共料金の支払いにビットコインなどの仮想通貨を導入しています。この仕組みを利用すると、ユーザーはオンラインで公共料金を支払えるので、従来の銀行振込や郵便局での手続きの手間を省けます。仮想通貨の取引はブロックチェーン技術によって記録され、透明性とセキュリティが保証されます。ただし、このようなサービスはまだ始まって日が浅いので、普及には時間がかかるでしょう。

投資対象として

仮想通貨の価格は市場の需給バランスによって決まり、これが投資対象としての魅力につながっています。一部の仮想通貨は、短期間で価格が上昇することがあるため、大きなリターンをもたらす可能性がありますが、さまざまな要因によって価格が急落するリスクもあります。

投資家は価格変動を予測し、リスクを管理しながら資産を増やすことを目指しましょう。

これらの使い道を見ると、仮想通貨が単なる投資対象ではなく、実際の経済活動においても有用なツールとして機能していることがわかります。今後はテクノロジーの進展や法律の整備によって、さらに多くのシーンで仮想通貨が使われるようになるでしょう。

仮想通貨の特徴を知って賢く利用しよう

仮想通貨とは何か、その特徴や取引方法、それを利用する際のメリットとリスクについて解説しました。

仮想通貨はデジタル資産としての特性があり、24時間365日取引可能です。他にも海外送金や決済を簡単で安価に行えるというメリットがありますが、、サイバー攻撃や盗難、価格変動の大きさといったリスクも潜んでいます。

仮想通貨の取引方法には、現物取引や先物取引、レバレッジ取引などがありますが、取引を安全に行うためには取引所選びが重要です。取引所選びのポイントとして、知名度の高さや取扱銘柄数の多さ、手数料の低さが挙げられます。

また、投資対象としての役割に加え、今後は決済手段や公共料金の支払いなど活用シーンの広がりも期待できます。

大きな将来性が見込まれる仮想通貨ですが、あくまでも投資は自己責任で行うものです。仮想通貨の取引を行う際には十分な知識を持ち、周到な準備を行ったうえで、投資判断を慎重に行いましょう。

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この記事を書いた人

笠 崇司

投資歴20年超の兼業トレーダー。財務・不動産系コンサルティング会社、生命保険会社を経て、現在は小売業のWebマーケティング業務に従事。金融・投資・不動産・保険・節税・副業・Webマーケティング・アフィリエイトなど、幅広い知識と経験があります。 ■保有資格 ・日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA) ・証券外務員一種 ・日商簿記検定2級 ・生命保険外交員(生命保険協会 一般課程試験合格) ・ライフコンサルタント(生命保険協会 専門課程試験合格)

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