FXに向いている人・向いていない人は?基礎知識や正しい始め方も解説

FXとは「Foreign Exchange」の略称で、日本語では「外国為替証拠金取引」と呼ばれています。FXは雑誌やWebメディアなどの各種メディアで度々取り上げられていることもあり、興味を持っている人も多いでしょう。

そんなよく見聞きするFXですが、実はFX取引に向いている人と向いていない人がいます。では、どのような人がFXと相性が良いのでしょうか。

そこで今回は、FXを始めたい人に向け、FXの基礎知識やFXに向いている人・向いている人の特徴、FXを失敗しないための正しい始め方を解説します。

この記事の監修者

新井智美

金融のプロ

マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間500本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は2,500本を超える。 (保有資格) ・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 ・CFP® ・DC(確定拠出年金)プランナー ・住宅ローンアドバイザー ・証券外務員
https://marron-financial.com/

初心者向けのFXの基礎知識

最初に初心者が押さえておきたいFXの基礎知識として「FXの仕組み」および、FXにおける2つの利益「為替差益」と「スワップポイント」の3点を解説します。

FXの仕組み

FXは、「2つの通貨(通貨ペア)を売買する」のが基本的な仕組みです。「午前○○時時点で前日比○○銭、ドル高・円安で推移しています」というニュースを見聞きしたことがあるかもしれませんが、通貨ペアの為替レートは刻一刻と変動しています。FXではその変動を踏まえて、通貨ペアの一方を買い、一方を売ることで利益を狙います。具体例は以下のとおりです。

<【FX】日本円と米ドルの売買例>
為替レートが1ドル=100円のときに、100円で1ドルを買う為替レートが1ドル=105円に変動。
手元にある1ドルを105円で売る手元には105円が残る

上記の例では、5円の利益を獲得できました。ただし、為替レートが逆に5円の円高(1ドル=95円として換算)になった場合には、5円の損失が発生します。このようにFXでは通貨ペアの変動を予想し、売買をすることで利益を獲得する仕組みになります。

また、FXの特徴的な仕組みに「レバレッジ」があります。レバレッジとは「テコの原理」という意味で、少ない資金で多くの利益を得られる効果をレバレッジ効果といいます。具体的には、担保としてFX会社に預けた証拠金(※)の最大25倍に相当する金額を売買できる仕組みです。

例えば、FX会社に1万円を証拠金として預けた場合、最大25万円分の取引ができます。レバレッジを利用することで取引金額を増やし、より大きな利益を狙うことができるのです。ただし、ハイリターンが狙える分、逆に大きな損失にもつながりかねない点は頭に入れておきましょう。

(※)証拠金:FX会社に預ける資金のこと

為替差益

FXで得られる2つの利益の1つ「為替差益」とは、FXの仕組みでも触れた、通貨ペアを売買して、その差額から生じる利益のことです。FXの仕組みでは100円で1ドルを買い、その後1ドルを105円で売却したため、5円の為替差益が生じていました。為替差益は基本的に次に説明するスワップポイントと比較して、その金額は大きく、FXの収益のメインといえます。

為替差益について押さえておきたいのが、FXには実質的な取引コスト「スプレッド」が存在するという点です。スプレッドとは、「売り値(Bid)と買い値(Ask)の差」です。

例えば、売り値(Bid)が105.000円、買い値(Ask)が105.002円の場合、

スプレッドは「0.002(105.002円-105.000円)円」になります。

このスプレッドは取引手数料のようなもので、為替レートがスプレッドの数字以上に、利益の上がる方向に動かないと為替差益は発生しません。つまり、同じ通貨ペア・同じタイミングでの売買であっても、スプレッドが狭ければ狭いほど、為替差益は大きくなります。

つまり、スプレッドが狭いほど、為替差益を狙いやすくなるでしょう。スプレッドはFX会社によって異なるため、なるべくスプレッドの狭いFX会社を選んで口座を開設し、取引をするのがポイントです。

スワップポイント

FXで得られる2つの利益のうち、もう1つが「スワップポイント」です。スワップポイントとは「金利差調整分」ともいわれ、低金利通貨を売って高金利通貨を買うと、そのポジション(※)を保有していた日数分だけ毎日得られる利益を指します。ただし、逆に低金利通貨を買って高金利通貨を売ると、スワップポイントを支払わなければなりません。

<スワップポイント>
低金利通貨売り+高金利通貨買い→スワップポイントを得られる低金利通貨買い+高金利通貨売り→スワップポイントを支払う

どの通貨が低金利通貨もしくは高金利通貨なのかは、相対的です。例えば日本円と米ドルであれば、日本円の方が低金利通貨のため、「日本円売り+米ドル買い」をしてポジションを保有しておけば、スワップポイントを獲得できます。一方、米ドルとNZドルであればNZドルの方が高金利通貨です。そのため、「NZドル売り+米ドル買い」を行えば、スワップポイントを得られることになります。

FX投資家のなかには、「低金利通貨売り+高金利通貨買い」のポジションを長期保有し、スワップポイントでコツコツと利益を貯める戦略を取る人もいます。

(※)ポジション:通貨ペアの持ち高のこと

FXに向いている人

では、FXに向いているのはどのような人なのでしょうか。ここではFXに向いている人について解説します。

<FXに向いている人の特徴>
・学習意欲が高い
・取引ルールを守れる
・長期的な視点で投資ができる

学習意欲が高い

FXを行うにはあらゆる知識が求められ、さらにそれらの知識のアップデートも必要です。なぜなら、為替レートは、その国の経済情勢や金融政策はもちろん、日々発信される世界中の経済・政治ニュース、要人発言などをきっかけに変動するためです。

さらにFXで利益を狙うためには、「テクニカル分析」といって、過去のチャートを参考に将来の値動きを予想する分析方法に関する知識や経験に裏打ちされたスキルも必要です。その観点から学習意欲が高い人であれば、知識を楽しく蓄積しながら、FXのスキル向上を図れることでしょう。

取引ルールを守れる

FXをする上で、「取引ルールを守ること」は安定的に利益を獲得するために重要である一方、非常に難しいことでもあります。

例えば、「1度の取引で資金の2%の損失が出たら損切り※をする」という取引ルールを設定したとしましょう。しかし、実際に損失額が資金の2%に達すると、少なからず「もう少し待ったら戻るかもしれない」と考えてしまうものです。その結果、「損切り(※)ができず、取引ルールが守れない」という事態にもつながりかねません。取引ルールを守らないことがいつか大きな負けにつながり、FX市場から離れることを余儀なくされる恐れもあります。

取引ルールを守ることは簡単なことではありませんが、事前に予約注文を出しておいたり、トレード日誌をつけて客観的に取引を見直す機会を設けたりして、なるべくルールを守る環境を整えるようにしましょう。

(※)損切り:決済を行い、損失を確定させること

長期的な視点で投資ができる

学習意欲が高い人でも述べたとおり、FXにはさまざまな知識および経験が必要であり、それらは一朝一夕で身につくものではありません。そのため、とくにFXをし始めの頃は「何だかわからないまま、損失が増えていく」という事態も起こり得ます。

しかし、徐々に知識や経験を身につけるうちに、自分なりの勝ちパターンを見つけたり、冷静に取引ルールを守ったりできるようになる可能性があります。その意味で、短期的な損益に一喜一憂せず、長期的な視点で投資を行える人はFXに向いているといえるでしょう。

FXに向いていない人

続いて、FXに向いていない人の特徴を解説します。

<FXに向いていない人の特徴>
・一発逆転を狙っている
・損切りができない
・感情的になりやすい

一発逆転を狙っている

一発逆転を狙うためには、自身の許容範囲を超えた金額で取引をすることもあるでしょう。大きな金額で取引をすれば、より大きな利益を得られる可能性がある一方で、大きな損失を被るリスクも増えます。大きな損失を被った場合、数回の取引で資金が枯渇し、FX市場に戻れない事態も考えられるでしょう。

さらに自身の身の丈を超えた金額で取引をすると、少しの為替レートの変動で、自身が驚くような金額の含み益・含み損が生じることになります。そのような状況で、慌てて損切りをしたり、少しの含み益で決済してしまったりと、冷静な取引ができません。

このように一発逆転を狙った取引には、利益獲得を遠ざける要素を含んでいるので、FXをする際には一発逆転は狙うことを考えないようにしましょう。

損切りができない

投資において損切りをしたい人はいませんが、損切りができないと、より含み損を膨らませてしまう結果になるかもしれません。

とくにFXはレバレッジを使い、FX会社に預けた資金よりも大きな金額で取引をすることができるため、一度の取引で多くの資金を失いかねません。損切りは損失を抑え、次に取引を行うための資金をより多く守るために、重要な手法です。したがって、損切りができない人はFXに向いていないといえるでしょう。「重要なのはわかっていても、損切りができない」という人は、FXを事前に予約注文を出しておくのが有効です。

感情的になりやすい

感情的になりやすい人は、FXで安定的な利益を出すのは難しい傾向にあります。なぜなら、「大きな負けを一気に取り戻そう(一発逆転を狙う)」「悔しいから損切りせず、戻るのを待とう」と感情を軸に行動すると、FXに向いていない「一発逆転を狙っている人」や「損切りができない人」になってしまいかねないためです。

なるべく感情的にならないためには、「余裕資金でFXを行うこと」が大切です。余裕資金とは、当面使う予定のないお金を指します。余裕資金であれば、心理的なプレッシャーは少なく、相対的な取引に対して強い感情を抱かなくなることでしょう。

FXを失敗しないための正しい始め方

FXの始め方について、失敗しないポイントと共にまとめてみました。

FXを始めるためには、最初にFX会社で口座を開く必要があります。FX会社を選ぶ際には、スプレッドの狭さを確認しておきましょう。スプレッドはFX会社により異なり、狭ければ狭いほど利益を上げやすいことを意味します。

また、取引ルールの使いやすさも重要です。FX会社の中には、デモ口座で取引ツールの使い勝手を事前に確認できるところもあります。検討しているFX会社がデモ口座を提供している場合は、デモ口座のお試し利用をおすすめします。選んだFX会社で口座開設キャンペーンが実施されている場合、積極的に活用しましょう。

口座開設を終えたら通貨ペアを選びます。通貨ペアにより値動きの傾向が異なるため、自身の投資スタイルに合った通貨ペアを選択しましょう。初心者には値動きが相対的に安定している「米ドル/円」や「ユーロ/円」といった、メジャーな通貨ペアがおすすめです。

通貨ペアを選んだら、いよいよ取引です。注文前には必ず取引ルールを決め、そのルールにのっとり新規・決済注文を執行します。新規注文後は、損切りができない人でもその必要性を上述した通り、損切りは徹底するようにしましょう。

失敗しない対策方法

FXで必ず失敗しない方法はありませんが、失敗のリスクを抑える方法はあります。

<FXで失敗のリスクを抑える方法>
・余裕資金で取引する
・始めはレバレッジを1倍~5倍に設定する
・根拠を持って売買する

FXに限らず、投資は余裕資金で行います。生活資金にまで手を出して取引をしてしまうと、心理的プレッシャーから冷静な判断ができなくなり、失敗してしまう恐れがあります。少なくともFXに慣れるまではレバレッジは1倍~5倍の低倍率に設定しましょう。レバレッジを高く設定する、つまり証拠金に対してより大きな金額で取引をすると、含み損が増えすぎて、すぐにロスカット(※)をされる可能性があります。

そのほか、「根拠を持って売買する」ことも重要です。根拠を持たずに何となく取引を続けていては、安定的に勝ち続けることはできません。例え勝てていたとしても、根拠がなければそれはただの偶然です。必ず取引前にはなぜこのような投資行動を取るのか、根拠を踏まえた上で注文するようにしましょう。

(※)ロスカット:含み損が一定以上の水準に達した際に、ポジションが自動的・強制的に決済される仕組み

余裕資金+低レバレッジでFXを始めよう

レバレッジの仕組みを活かせるFXでは、少ない資金でより大きな利益を狙える場合があります。一方で、一発逆転を狙う取引や感情に任せた取引をしてしまうと、大きな損失を被るリスクも高まります。損失リスクを抑えるためにも、投資初心者は余裕資金で取引するのはもちろん、まずはレバレッジを低く設定してFXを始めることを心がけましょう。

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この記事を書いた人

加茂 歩

証券会社・総合人材サービス会社にて営業職を経験後、2019年にフリーライターとして独立。 金融、求人、IT、人物紹介など幅広いジャンルにてインタビュー・執筆をしている。

https://note.com/writer_ayu/n/n9fa7fa50bfb2

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