売掛金ファクタリングとは?債権譲渡・違法な会社と銀行などの違いがやばい!?

売掛債権を譲渡する売掛金ファクタリングは、ビジネスローンに変わる新たな資金調達法として注目が集まっています。

しかし、ファクタリングの利用が増えたのは最近なので、「ファクタリングって具体的になどんな契約なの?」「売掛債権の譲渡は違法では?」など様々な疑問を抱えている方もいるでしょう。

そこで本記事では、売掛債権を譲渡するファクタリングとはどんなサービスなのかを解説します。

また、サービスを提供している銀行やその他の会社との違い、強引な取り立て行為をするやばい違法業者の存在についてもお伝えします。

安全に利用できるファクタリング会社もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

売掛金を現金化できるファクタリングとは?売掛債権譲渡は違法ではない!

ファクタリングとは、企業が保有する売掛金をファクタリング会社に売却し、売掛代金が売掛先から支払われる前にお金を手にできる資金調達法です。

では、どのような仕組みで取引されるのでしょうか?また、売掛債権の譲渡に違法性がないかどうかも気になるところですよね。

そこでまずは、売掛金ファクタリングの仕組みや違法性について解説します。

  • 売掛債権とは売掛金を回収する権利
  • 売掛金ファクタリングの仕組み
  • 売掛債権の譲渡は違法ではない

売掛債権とは売掛金を回収する権利

売掛債権とは、売掛金を回収する権利です。

例えば、あなたの会社が100万円で顧客に商品を販売したと仮定します。

この場合、後日振り込まれる100万円が売掛金です。そして、この売掛金である100万円を請求する権利が売掛債権になります。

つまり、売掛債権には100万円の価値があるというわけです。

ファクタリングでは、売掛金と同等の価値がある売掛債権を買い取ってくれます。

これによって、あなたの会社は顧客から売掛金が支払われる前に、商品の販売代金を受け取れるのです。

売掛金ファクタリングの仕組み

利用者とファクタリング会社の2社間で行う取引の仕組みは、以下の通りです。

  1. 利用者が取引先に請求書を発行する(売掛金の発生)
  2. 利用者がファクタリング会社へ売掛金の買取を申し込む
  3. ファクタリング会社が審査する
  4. 買取可能と判断されたら契約して売掛債権を買い取ってもらう
  5. ファクタリング会社から手数料を引いた買取金額を振り込んでもらう
  6. 取引先から売掛金が支払われたら、利用者がファクタリング会社へ支払う

また、上記の流れに加えて取引先の同意が含まれる「3社間ファクタリング」と呼ばれる契約方式もあります。

3社間ファクタリングでは、利用者がファクタリングへ申し込んだタイミングで、取引先に「債権譲渡の通知」を送ります。

そして、取引先から同意が得られたら買い取ってもらうといった流れです。

なお、ファクタリング会社への支払いは取引先が直接行うため、利用者は買取金額を受け取ったあとは何もする必要がありません。

売掛債権の譲渡は違法ではない

売掛債権の譲渡は決して違法ではありません。この事実は、民法第466条で定められています。

(債権の譲渡性)
第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
引用:e-Gov「民法|第四百六十六条」

また、売掛債権には、時折「権利譲渡禁止の特約」がついたものがあります。

以下のような文言が記載された債権です。

第〇条(権利義務の譲渡禁止)甲及び乙は、相手方の事前の書面による同意なくして、本契約から生じた権利義務の全部または一部を第三者に譲渡し、もしくは担保に供し、または引き受けさせてはならない。

「権利譲渡禁止の特約」がついていると、債権譲渡はできないと感じるでしょう。

ところが、2020年に法改正され、現在は上記の特約がついていても売掛債権を譲渡できるのです。

改正前改正後
債権は、譲り渡すことができる。
ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。
ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。
債権は、譲り渡すことができる。
ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

引用:国税庁「債権譲渡と国税債権の保全を巡る最近の動向」

このように、売掛債権の譲渡は決して違法ではなく、国が認める正規のサービスです。

売掛金ファクタリングを扱う会社の種類|銀行系ファクタリングは小口債権に向かない

続いては、売掛金ファクタリングを扱う会社の種類について解説します。

  • 銀行ファクタリング
  • 銀行以外のファクタリング会社

銀行ファクタリング

銀行系ファクタリングとは、銀行やそのグループ会社が行っているファクタリングサービスです。

メガバンクと呼ばれる大手から地方銀行まで、様々な銀行やグループ会社がファクタリングサービスを提供しています。

例えば、「三菱UFJフィナンシャルグループ」が運営する「三菱UFJファクター」や「みずほフィナンシャルグループ」が運営する「みずほファクター」などが該当します。

銀行ファクタリングの特徴は、数億円単位という大口の買取に対応している点です。反対に、100万円程度の小口債権では審査すらしてくれません。

小口債権の買取を希望する方は、次に紹介する銀行以外のファクタリング会社を利用してください。

銀行以外のファクタリング会社

銀行以外にも、「ノンバンク系」と「独立系」と呼ばれるファクタリング会社があります。

ノンバンク系とは、銀行以外の金融機関を意味しており、カードローン会社やクレジットカード会社、信販会社などが該当します。

一方の独立系とは、銀行やノンバンク系のような金融機関ではなく、ファクタリングサービスを専門に扱う会社です。

ちなみに、ファクタリングは売掛債権の譲渡なので貸付ではありません。そのため、貸金業登録をせずにサービスを提供しても違法ではないのです。

このように、ファクタリングは銀行以外にも多くの会社が提供しているサービスであり、それぞれ異なる特徴を持っています。

ただし、中には違法行為を行うやばい会社も存在するので注意が必要です。

売掛金ファクタリングの注意点!やばい会社の特徴と取り立てについて

次に、売掛金ファクタリングのやばい違法業者について解説します。

  • やばい取り立てを行う
  • 法定金利を超える貸付をする
  • 給与ファクタリングを行う

やばい取り立てを行う

ファクタリングは貸金業ではないため、貸金業法が定めるルールを守る必要はありません。そのため、取り立ててはいけないという決まりはないのです。

しかし、健全に運営するファクタリング会社であれば、自主規制として貸金業法が定める取り立てのルールを取り入れています。

第二十一条 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
引用:e-Gov法令検索「貸金業法|第二十一条」

ところが、悪質な会社になると「ファクタリングに取り立てを禁止する法律はない」として、昼夜問わず自宅に押しかけ、利用者の会社か家族に返済を求めるケースもあるのです。

一度目を付けられるとなかなか手を引いてくれませんので、利用するファクタリング会社は慎重に選ぶようにしましょう。

法定金利を超える貸付をする

前述の通り、ファクタリングは貸付ではありません。そのため、金利は設定されておらず、代わりに手数料が定められています。

ところが、違法業者はファクタリングを装って違法な貸付を行っているのです。その金利は、法定金利である15%〜20%の数倍〜数十倍に当たります。

ファクタリングを利用する際は契約書にしっかり目を通して、「内容が貸付になっていないか?」「手数料ではなく金利が設定されていないか?」を確認するようにしてください。

給与ファクタリングを行う

給与ファクタリングとは、入金期日より前の請求書を買い取ってもらい、その給与額を前倒しで受け取る方法です。

一見すると、通常のファクタリングと同じような仕組みなので、違法性がないように思えるでしょう。

ところが、給与ファクタリングは債権譲渡の契約には当たらないため、貸付という分類になっています。

実際、金融庁でも給与ファクタリングは貸付だと明記しています。

給与ファクタリングについて、これを業として行うものは貸金業に該当する旨を2020年3月に公表し、広く一般への注意喚起を行うとともに、無登録業者の広告等について、SNS事業者やプラットフォーマーに対し削除を要請した。
引用:金融庁「令和2事務年度 金融行政方針(別冊)」

それにもかかわらず、ファクタリング会社と名乗り、貸金業登録をせずに給与ファクタリングを行う違法業者が存在するのです。

もし、給与ファクタリングを行う業者を見つけた際は、貸金業登録をしているかどうかを確認するようにしてください。

安全に売掛金を現金化できるファクタリングならこの5社!

本項では、安全な売掛金ファクタリング会社を5つご紹介します。

  • QuQuMo
  • ビートレーディング
  • ペイトナーファクタリング
  • アクセルファクター
  • 日本中小企業金融サポート機構

QuQuMo

画像:QuQuMo

QuQuMo」は、「請求書」と「通帳」の2点だけ用意すれば、最短2時間で入金してくれるファクタリング会社です。

他のファクタリング会社だと面談を受けたり、他にもたくさんの書類を用意したりする必要があり、手間と時間がかかります。

その点、QuQuMoは申し込み手順が簡素化されているので、スピーディな手続きが行えます。急ぎで資金調達したい方にはピッタリのファクタリング会社です。

運営会社株式会社アクティブサポート
利用対象者法人、個人事業主、フリーランス
買取可能額上限なし
手数料1%~
入金スピード最短2時間
契約の種類2社間ファクタリング
債権譲渡登記不要
オンライン手続き可能

QuQuMoはこちらから

ビートレーディング

画像:ビートレーディング

ビートレーディング」は、事業者の資金繰りを月間800件も改善している実績あるファクタリング会社です。法人のみならず、個人事業主やフリーランスでも申し込めます。

買取金額は上限も下限も設定されていないので、数万円の小口から数億円の大口まで幅広い売掛金に対応してくれます。

ただし、手数料は2社間が4%〜12%、3社間が2%〜9%と幅があり、申し込みをしてみないといくらになるかわかりません。

事前に手数料相場を知っておきたい方は、他のファクタリング会社もあわせて検討しましょう。

運営会社株式会社ビートレーディング
利用対象者法人、個人事業主
買取可能額下限上限なし
手数料2社間:4%~12%3社間:2%~9%
入金スピード最短2時間
契約の種類2社間、3社間、診療報酬、介護報酬、注文書
債権譲渡登記不要
オンライン手続き可能

ビートレーディングはこちらから

ペイトナーファクタリング

画像:ペイトナーファクタリング

ペイトナーファクタリング」は、フリーランスや個人事業主を対象としているファクタリング会社です。1万円という小口の売掛債権でも買い取ってくれます。

また、独立したばかりのフリーランスや赤字決算の個人事業主でも、売掛先の信用度に問題がなければ申し込みが可能です。

ただし、買取可能額の上限が初回25万円、2回目以降は100万円と少額です。

大口の売掛債権を保有している法人・個人事業主は、他のファクタリング会社を検討する必要があります。

運営会社ペイトナー株式会社(旧yup株式会社)
利用対象者法人、個人事業主、フリーランス
買取可能額初回:1万~25万円2回目以降:1万~100万円
手数料10%
入金スピード最短10分
契約の種類2社間ファクタリング
債権譲渡登記不要
オンライン手続き可能

ペイトナーファクタリングはこちらから

アクセルファクター

画像:アクセルファクター

アクセルファクター」は、事業者の資金繰りを年間3,000件以上改善してきた人気のファクタリング会社です。

利用対象者には、法人だけでなく一般的に信用度が低いとされる個人事業主も含まれています。それにもかかわらず、審査通過率は93%と高水準です。

ちなみに、ファクタリングにおける審査通過率は70%前後とされているので、いかにアクセルファクターが多くの事業者を受け入れているかがわかるでしょう。

また、手数料は売掛金が多ければ多いほど安くなるため、大口の売掛債権を持っている方はアクセルファクターを検討してみてください。

運営会社株式会社アクセルファクター
利用対象者法人・個人
利用限度額30万円~無制限
手数料1〜10%(売掛金が多いほど手数料が低くなる)
入金スピード最短3時間で、遅くとも翌日
契約の種類2社間ファクタリング、3社間ファクタリング
債権譲渡登記審査結果によって不要の契約も可能
オンライン手続き可能

アクセルファクターはこちらから

日本中小企業金融サポート機構

画像:日本中小企業金融サポート機構

日本中小企業金融サポート機構」は、非営利団体が運営しているファクタリングサービスです。

株式会社が運営しているファクタリングだと、違法業者かどうかを判断するのは難しいですが、非営利団体が運営するファクタリングなら「危険では?」といった心配がありません。

また、申し込みはオンラインで可能です。入金まで全てWeb上で行えるうえ、最短即日に買取金額を振り込んでくれます。

加えて、資金調達に関する仲介業務や資本政策、企業の財務に関するコンサルティング業務も展開しているので、専門知識の深いスタッフに相談したい方にはおすすめです。

運営会社一般社団法人 日本中小企業金融サポート機構
利用対象者法人、個人事業主
買取可能額下限上限なし
手数料1.5%~10.0%
入金スピード最短即日
契約の種類2社間、3社間
債権譲渡登記不要
オンライン手続き可能

日本中小企業金融サポート機構はこちらから

売掛金ファクタリング以外の資金繰り改善なら

最後に、売掛金ファクタリング以外の資金繰り改善方法について解説します。

  • GMOあおぞらネット銀行「あんしんワイド」
  • 支払い.com

GMOあおぞらネット銀行「あんしんワイド」

画像:GMOあおぞらネット銀行あんしんワイド

GMOあおぞらネット銀行あんしんワイド」は、年0.9%〜14.0%で融資してくれるネットバンキング運営のビジネスローンです。

他のビジネスローンが2年以上の事業実績を必要とする中、GMOあおぞらネット銀行あんしんワイドは創業したばかりの企業でも申し込めます。

そのため、「決算書」「事業計画書」「担保・保証人」は不要です。

直近3か月以上の連続した取引(銀行口座の入出金明細)があれば申し込めるので、事業実績が乏しい事業者でも安心して利用できます。

融資対象法人
融資スピード最短2営業日
借入限度額10万円〜1,000万円以内
借入利率年0.9%~14.0%(固定金利・審査のうえ決定)
担保・保証人原則不要

GMOあおぞらネット銀行あんしんワイドはこちらから

支払い.com

画像:支払い.com

支払い.com」は、将来予定している銀行振込による支払いを、クレジットカードを使って最長60日間延長できるサービスです。

あくまで支払いを遅らせるだけなので、審査や面談、本人確認書類などは必要ありません。クレジットカードさえ用意すれば、インターネットから簡単に申し込めます。

手数料は一律4%と、利用金額次第ではファクタリングの手数料よりも安いコストで資金繰り難を改善できます。

ファクタリングの場合、小口の売掛金だと手数料が高くなるため、金額が小さい売掛債権を持っている方にはおすすめのサービスです。

支払い.comはこちらから

まとめ

売掛金ファクタリングは、ビジネスローンのような貸付とは違い、売掛債権の譲渡です。

そのため、利用のハードルが低く、審査通過率や入金までのスピードはビジネスローンよりも優れています。

しかし、法規制が貸付ほど厳しくなく、違法な業者も多く参入しています。

利用する際は、ファクタリング会社の下調べを徹底し、安全が確認できてから申し込むようにしてください。

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この記事を書いた人

マネ子

ファクタリング・金融系の発信をするWEBライターです。お金にまつわる情報をWEBメディアで執筆しています。

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