火災保険料の相場とは?一戸建てやマンションの金額の目安を紹介

マイホーム購入や賃貸住宅の契約にはほとんどの場合、火災保険の加入が必要です。できることなら安く抑えたいと考え、保険料がいくらくらいか気になる人も多いでしょう。火災保険は火災や自然災害による建物や家財の損害を補償してくれるため、加入しておきたい保険です。この記事では火災保険の保険料の相場や、保険料を抑えるポイントについて解説します。

この記事の監修者

金指 歩

保険のプロ

編集者・ライター。編プロ組織『となりの編プロ』代表。 大学在学中にFP3級を取得し、新卒で入社した大手信託銀行に4年半勤務。 住宅ローンや投資信託の営業、法人向け預金商品の営業や研修などを担当したのち、 不動産関連会社へ転職。その後証券会社、IT企業を経て、2017年よりフリーライターとして、 2020年頃より編集者として活動。金融系記事やビジネス系記事を多く制作している。
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火災保険の相場とは?

火災保険の保険料が決まる要因はさまざまで、同じ補償内容でも保険会社ごとの違いもあります。ここでは、戸建て、マンション、賃貸住宅という住宅のタイプ別の火災保険料の一例を紹介します。

あくまで目安として参考にしてください。

戸建の場合の火災保険料の相場

戸建ての火災保険の保険料の一例を紹介します。以下は、ある保険会社の火災保険の保険料です。

保険料計算の前提条件は、以下のとおりです。

・建物の所在地:東京都
・延床面積:100㎡
・建物保険金額:火災1,800万円/地震900万円
・家財保険金額:火災500万円/地震250万円
・保険期間:5年
・保険料支払い方法:一括払い
・補償内容:火災・落雷・破裂・爆発、風災・雹(ひょう)災・雪災、水災、水濡れ・外部からの物体の衝突、盗難
・建物の利用方法:居住のみ

建物構造築年数火災保険料地震保険料
H構造(非耐火)新築12万9,899円19万9,990円
10年15万7,544円19万9,990円
T構造(耐火)新築6万6,116円13万3,750円
10年8万1,244円13万3,750円

上記の結果から、建物構造はH(非耐火)構造よりT(耐火)構造のほうが、保険料は安くなることがわかります。また、築年数の新しいほうが保険料を抑えられることも確認できました。

建物構造については、後ほど詳しく解説します。

マンションの場合の火災保険料の相場

マンションのほとんどは鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造であり、構造はM(マンション)構造となります。マンションの火災保険の保険料の一例として、ある保険会社の火災保険の保険料を紹介します。

保険料計算の前提条件は、以下のとおりです。

・建物の所在地:東京都
・専有面積:70㎡
・建物保険金額:火災1,800万円/地震900万円
・家財保険金額:火災500万円/地震250万円
・保険期間:5年
・保険料支払い方法:一括払い
・補償内容:火災・落雷・破裂・爆発、風災・雹(ひょう)災・雪災、水濡れ・外部からの物体の衝突、盗難
・建物の利用方法:居住のみ

建物構造築年数火災保険料地震保険料
M構造新築3万5,414円13万3,750円
10年4万5,750円13万3,750円

マンションのM構造は、同じ保険金額でもH構造やT構造よりも保険料が安くなることがわかります。また、築年数も新しいほうが保険料を抑えられます。

分譲マンションの火災保険については以下の記事で詳しく解説をしています。

分譲マンションの火災保険は必要?入らないことによるリスクは?

2023.10.24

賃貸住宅の場合の火災保険料の相場

賃貸住宅の入居者は、賃貸借契約の際に火災保険の加入を求められるケースがほとんどです。賃貸住宅の入居者が加入する火災保険(家財保険)は、以下の補償がセットになった保険商品です。

・大家さんに対する賠償責任
・家財の損害
・第三者への賠償責任

ここでは、ある保険会社の家財保険の保険料の一例を紹介します。

保険料計算の前提条件は、以下のとおりです。

・建物の所在地:東京都
・家財保険金額: 500万円
・保険期間:1年
・保険料支払い方法:年払い
・家財の補償内容:火災・落雷・破裂・爆発、風災・雹(ひょう)災・雪災、水濡れ・外部からの物体の衝突、盗難、騒じょうに伴う破壊行為
・賠償責任:借家人賠償責任(1事故1,000万円限度)、個人賠償責任(1事故1,000万円限度)

上記の条件の1年分の保険料は5,940円です。なお賃貸住宅は一般的に2年契約であるため、火災保険も2年分を一括で支払うケースがよく見受けられます。

火災保険料の相場金額はどうやって決まるの?構造級別について解説

先述した火災保険の保険料相場では、建物の構造によって保険料が大きく変わることがわかりました。火災保険の建物の構造級別には以下の3種類があります。

・M構造
・T構造
・H構造

それぞれについて内容を解説します。

M構造(マンション構造)の場合の火災保険の相場

M構造とは、マンション構造を指します。M構造はT構造、H構造に比べ耐火性が高いため、保険料を安く抑えられます。

M構造に該当するのは以下のような共同住宅(アパートやマンションなどの集合住宅)です。

・コンクリート造建物
・コンクリートブロック造建物
・れんが造建物
・石造建物

T構造(耐火構造)の場合の火災保険の相場

T構造とは、耐火構造という意味です。共同住宅以外(一戸建てなど)で、耐火性に優れた建物が該当します。以下のような共同住宅以外の建物は、T構造です。

・コンクリート造建物
・コンクリートブロック造建物
・れんが造建物
・石造建物

また、木造建築でも以下に該当する建物はT構造となります。

・耐火建築物
・準耐火建築物
・省令準耐火建築物

H構造(非耐火構造)の場合の火災保険の相場

H構造とは、M構造にもT構造にも当てはまらない建物が該当します。一般的には耐火建築でない木造住宅などが該当し、火災に弱いと考えられるため、保険料が高く設定されます。

H構造に当てはまるのは、以下のような建物です。

・木造住宅(共同住宅・戸建て住宅)

そもそも火災保険は加入しないといけないのか?

マイホームを購入するときにはさまざまなお金がかかるため、できれば火災保険に加入しないで済ませたいと考える人もいるかもしれません。

火災保険の加入は法律で義務付けられているわけではありません。しかし、2017年の内閣府「保険・共済による災害への備えの促進に関する検討会報告」によると、火災保険または火災共済に加入する世帯の割合は82%となっています。

出典:保険・共済による災害への備えの促進に関する検討会 報告

住宅ローンを組む際に基本的に加入が必須

火災保険の加入は任意ではありますが、住宅ローンを契約する際には基本的に金融機関から加入を求められます。

お金を貸す金融機関は住宅ローンの目的の建物が火事で消失したり、土砂災害で流されたりした場合、債権の回収が難しくなると考えられます。そのため、災害や事故で物件が滅失した場合でも保険金によってローンの返済ができるように、火災保険の加入を契約の条件とするのです。

火災保険に加入しないリスク

加入は任意でも多くの人が火災保険に加入するのは、加入しないリスクが大きいからと考えられます。ここでは、火災保険に加入しないリスクを解説します。

持ち家での火災の場合

住宅ローンを返済中に持ち家を火事などの災害で失った場合、過失などがなくても住宅ローンの返済を免れられるわけではありません。もし、火災保険に加入していなければ、失った家の住宅ローンを返済し続けることになります。

持ち家を失った場合、住宅を再取得する、親族の家に住む、賃貸住宅を借りるなどの方法で生活を再建しなければなりません。いずれの場合も住宅ローンの返済が家計にダメージを与えるでしょう。

賃貸住宅での火災の場合

賃貸物件では大家さんが建物に火災保険をかけているため、建物の損害は大家さんの火災保険で修復可能です。しかし、入居者は賃貸借契約によって「原状回復義務」を負っているので、退去時には借りる前の状態に戻さなければなりません。

もし、借りている部屋が全焼するような火事が発生した場合、損害を自己負担するのは難しいでしょう。

隣家からのもらい火は出火元に損害賠償を請求できない

隣家からのもらい火で起きた火災の被害は、相手に故意または重大な過失がなければ「失火責任法」によって賠償を請求できません。つまり、もらい火による損害は自分で修繕しなければならず、火災保険に加入していなければ全額自己負担となってしまうのです。もらい火のリスクはゼロにはできないため、火災保険による備えが欠かせません。

火災保険料を安く抑えるポイント

火災保険の保険料は建物の構造や築年数などによって決まりますが、それ以外の要素で保険料を抑える方法を紹介します。

不要な補償を外す

火災保険は火災、風災、水災、盗難などの補償の組み合わせであり、すべての補償をセットすると保険料は高くなります。補償範囲を必要最小限に抑えると、保険料を安くできます。建物の立地などを考え、床上浸水や土砂崩れなどのリスクが低い場合は水災を外すことも一つの方法です。その他、汚損・破損等は本当に必要かどうかを考えてみましょう。

長期で契約する

火災保険は最長で5年の契約ができ、1年ごとの契約よりも保険料総額は安くなります。保険料の支払い方法も年払いよりも5年一括払いのほうが、保険料は割引になります。また、契約期間中に保険料が値上がりしても、影響を受けません。最近では保険料の値上げが頻繁に行われているため、できるだけ長期一括払いの契約がおすすめです。

家財補償額を自分で設定する

火災保険に家財の補償を付帯する場合、保険会社が家族構成などから目安となる保険金額を提示します。その保険金額が高すぎる場合、生活再建に必要な最低限の家財の調達費用を自分で見積もって設定してみましょう。

コツを押さえて火災保険料を節約しよう

最近では台風のような自然災害が増え、火災保険の重要性が高まっています。火災保険の保険料は建物の構造や築年数などによって決まりますが、H構造の建物でも安く抑える方法があります。複数の保険会社で見積もりを取り、マイホームに必要な補償を安く備えられる最適な火災保険を選びましょう。

また火災保険金を申請について相談する際など、様々なサービス利用をポイントタウン経由にするだけでポイントが貯まります。

取得ポイントは1ポイント=1円分のお好きなサービスに交換できるので、お得に不動産投資を始めることができます。火災保険金の申請の際は以下をご覧ください。

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この記事を書いた人

松田聡子

明治大学法学部卒。金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て独立系FPとして開業。 企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在はFP業務に加え、 金融ライターとしても活動中。 保有資格:日本FP協会認定CFP®・ DCアドバイザー・証券外務員2種 群馬FP事務所

https://gunmaf.net/gunmafp/

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