寒い時期を始め、いつもとは違った飲み方をしたい際に取り入れたい熱燗は、お酒が好きな方にとって嗜好性の高い飲み物です。ひとくちに日本酒と言っても、熱燗に合うものからそうでないものまで幅広くあります。
そこで今回は、熱燗に合う日本酒のおすすめ人気ランキング10選を紹介します。日本酒は、温めることで風味やコクが変わるので、選び方のポイントやランクインしている商品を参考に、好みのものを購入してみてください。
熱燗の定義とは
熱燗は、温めた日本酒のことを指します。昔から寒い地域などで熱燗を飲む習慣があり、おいしいことから全国に広まったとされています。また、熱燗は温め方や日本酒の種類によって風味が変わるので、好みの飲み方を見つけるのも楽しみのひとつです。
普段は冷酒やビールなどを飲んでいる方でも好みのものが見つかるとハマる傾向があるので、この機会にぜひ熱燗に合うおいしい日本酒を見つけてみてください。
名称の違いを知っておくとさまざまな温度で熱燗を楽しめる
熱燗は温度により名称が異なります。なので、名称の違いを知っておくことでより深く熱燗を楽しむことができ、お店で飲む際も自分に合わせた注文ができるでしょう。
日向燗・人肌燗・ぬる燗・上燗・あつ燗・とびきり燗の6種類があり、下は30度から上は55度まで25度前後熱さに差があります。よく聞く人肌燗やぬる燗は、初心者の方でも飲みやすい温度なのでぜひお試しください。
また、あつ燗やとびきり燗などは熱さが特徴で、飲み口もシャープで辛口なので上級者におすすめです。
熱燗に合う日本酒の選び方
選び方のポイントは大きく分けて5つ挙げられます。特定名称や飲み方、香りや酸度など着目したい箇所が多くあるので順番に見ていきましょう。
味わい深い吟醸酒・カンカンにしても風味が残る本醸造酒など「特定名称」で選ぶ
「特定名称」と呼ばれる分け方があり、吟醸酒・純米酒・本醸造酒をさらに細かく分類分けされたものです。特定名称は数値で判断する際にも役立つので覚えておくとよいです。
醸造アルコールが使われていない「純米酒系」は飲みやすいので初心者の方にも最適
原料は、水・麹・米とシンプルで、醸造アルコールが使われていないので飲み口が柔らかく熱燗にしても辛口になりません。奥深い風味があり、お米本来の旨味もあるので初心者の方やお酒があまり得意でない方でも気軽に飲むことができます。
特別純米酒・純米吟醸酒・純米大吟醸酒・純米酒が「純米酒系」に分類されます。
カンカンにしても風味が損なわれない「本醸造酒系」は熱々が好きな方や通にもおすすめ
日本酒は熱することでキレや辛味が出るので、熱燗に適していない種類もあります。本醸造酒系はカンカンにしても風味が飛ばず、辛口になりにくいのでまろやかでおいしい味が楽しめます。
この種類の日本酒は、お酒が得意でない方は逆に冷酒や常温では飲みにくいタイプのお酒でもあるので、熱燗にすることで風味を損なうことなくおいしさを味わうことができるでしょう。
30度前後のぬる燗や45度以上の上燗など好みに合わせて「熱燗の飲み方」で選ぶ
熱燗は飲み方にも種類があり、温度を変えると名称も異なります。日本酒の種類に合わせて温度を調整すると、ベストな状態で熱燗を楽しめます。
熱燗の魅力を感じるなら「ぬる燗」・「人肌燗」がベスト
30度~40度前後の「ぬる燗」・「人肌燗」は熱燗の中では比較的低い温度なので、まろやかな口当たりが特徴です。ほかにも「日向燗」などさらに低い温度で楽しむ熱燗もあるので参考にしてみてください。
日本酒本来の味やお米の風味をそのまま味わいたい方は「ぬる燗」・「人肌燗」がおすすめです。
アルコール度数が高いお酒が好きな方は「とびきり燗」・「上燗」がぴったり
アルコール度数が高い日本酒は、温めることでキレや辛さが増します。特に、「とびきり燗」・「上燗」などは45度~55度前後と高温なのでお酒好きの方におすすめです。
また、温めることで風味が損なわれる日本酒もあるので、「とびきり燗」・「上燗」にする際は「本醸造酒系」の商品を選ぶと安心です。
「生酛造り」・「山廃仕込み」はコクが感じられるので香りや風味をより感じたい方におすすめ
「生酛造り」・「山廃仕込み」は大きなボトルタイプが特徴で、アミノ酸を多く含んでいるため熱燗にすることで旨味が増します。そのためおいしい熱燗を飲みたい方やお酒選びに失敗したくない方は、「生酛造り」・「山廃仕込み」の表記がある日本酒を選びましょう。
飲みやすいのはもちろんコクや風味も楽しめるので、自分用としてだけでなく贈り物としても適しています。
濃厚なおいしさを求めるなら「酸度」にも着目して選ぼう
日本酒で使われる酸度は、アルコールに含まれる乳酸やコハク酸の含有量を示す数値のことです。酸度が高いものは濃い味わい、低いものはまろやかで淡麗です。熱燗は、酸度が高いほど風味も豊かになるのでおいしさも増します。
濃厚な風味を味わいたい方は、酸度にも着目して商品を選ぶと気に入るものが見つかります。また、日本酒の平均酸度は1.3なので、濃厚なものをお探しの方は1.4以上の酸度をご検討ください。
飲み口や風味、適正温度に合わせて「メーカー・ブランド」で選ぶ
日本酒はメーカーや産地によって風味が大きく異なります。自分の好みや飲むタイミングに合わせて気に入るものを選びましょう。
ぬる燗で味わうなら風味のよい「久保田」がおすすめ
久保田の日本酒はまろやかな口当たりが魅力的です。そのため、熱燗や上燗ではなくぬる燗・人肌燗で楽しみたい方に適しています。ぬる燗で飲むことで風味も楽しめるので参考にしてみてください。
ほどよい酸味がおいしく食中酒として取り入れるなら「八海山」がベスト
酸度が高い八海山は、濃厚な口当たりが癖になります。また、晩酌用としてはもちろんのことどんな料理にも合わせることができるので、食中酒としても活躍します。
初めて購入する方やお酒が得意でない方でもおいしく飲むことができるので、商品選びに迷っている方にもおすすめです。
熱燗に合う日本酒のおすすめ人気ランキング10選
ここからは、熱燗に合う日本酒のおすすめ人気ランキング10選を紹介します。ランクインしている商品はどれも人気が高く、熱燗にしても風味を損なうことなく濃厚な味わいが楽しめます。気になる商品があればぜひチェックしてみてください。
1位 諸橋酒造 越乃景虎 龍
料理にも合う飲み口で毎晩の晩酌にもぴったり
新潟のお酒で、濃い味付けの料理にも負けないぐらい力強いキレがあります。熱燗・冷酒のどちらでもおいしく飲めるので気分を変えたい時にも最適です。飲むほどに味わい深くなるので通の方にもおすすめです。
2位 豊酒造 華燭 あつ燗本醸
お酒が得意でない方でも味わえるサラッとした飲み口が特徴
福井県産米を100%使用した本醸造で、スッキリとした味わいが魅力です。本醸造特有のよい香りが鼻から抜け、甘口の風味がおでんや温かい料理との相性も抜群です。毎日飲んでも飽きないサラッとした飲み口が癖になります。
3位 仁井田本家 にいだしぜんしゅ 燗誂(かんあつらえ)
自然酒を蔵で1年熟成させた深い味わいが楽しめる
常温・冷酒・熱燗の全てで違う一面を見せるこだわりが詰まった商品です。農薬などを一切使用せずに作った自然米を採用し、キレのある味わいが山廃仕込みを活かします。
少し嗜むだけでも上級品とわかるような深い味わいのお酒なので、通の方にも最適です。
4位 福光屋 加賀鳶 極寒純米 辛口
低温発酵で時間をかけてゆっくりと仕上げた純米酒がおいしい
キレの中にも甘さやおいしさがある不思議な味わいのお酒です。時間をかけて発酵しているのでお米の風味も楽しめ、初心者から通の方まで幅広い世代で人気があります。
加賀鳶シリーズの中でも人気が高い商品なので、気になった方はこの機会にお試しください。
5位 大七酒造 大七純米生もと
メディアでも取り上げられるほど料理に合う日本酒
日本一おせち料理に合うお酒としても有名な商品で、脂が乗った食べ物との相性もよくしっかりとしたコクが楽しめます。また、米や麹の風味もよいので冷酒としても楽しめるでしょう。
6位 赤武酒造 AKABU 純米吟醸
フルーティーな酵母の香りと麹の組み合わせが魅力的
まずは常温・冷酒、そして熱燗の順で楽しむことで違った風味を楽しめる嗜好性の高い商品です。初めての方でも飲みやすく、通の方は癖になるほど魅力の高い日本酒です。ボトルのデザイン性も高いので贈答用としても適しています。
7位 白瀧酒造 上善如水 純米吟醸
おしゃれな見た目で風味もよい唯一無二の日本酒
シンプルでデザイン性が高い日本酒は、おしゃれなだけでなく風味も豊かで味わい深いのが特徴です。名前の通り、水のように清らかな飲み口なのでお酒が得意でない方にも適しています。
どんな料理にも合うので熱燗はもちろん、冷酒で飲んでもおいしいです。
8位 東亜酒造 神の泉 純米酒
純米ならではのコクとまろやかさが癖になる
冷酒ではキリっと、熱燗ではまろやかな口当たりが楽しめます。厳選されたお米や水のみ使用しているので品質の高さも魅力のひとつと言えるでしょう。古酒好きの方にもおすすめできる商品です。
9位 朝日酒造 久保田 千寿 吟醸
人気の高いメーカーで初心者の方にもうってつけ
飲み口、口当たりのよいキリっとした日本酒で、熱燗にすることでより辛口な味わいが楽しめます。辛口が苦手な方はぬる燗や人肌燗にすることで、無理なくおいしく飲むことができます。
日本酒の中でも人気が高い商品なので、迷った際は選んでおくと間違いないです。
10位 WAKAZE THE CLASSIC
フランス産の清酒で白ワインのような風味が魅力
国産ではなく、フランス産の清酒です。洋食はもちろん、日本人の口にも合わせやすいように和食料理の食中酒としても適しています。デザイン性が高いだけでなく、日本酒本来の旨味も味わえるので気になる方はぜひお試しください。
手軽に扱える電子レンジや温度調整ができる湯煎など好みに合わせておいしい熱燗を作ってみよう
おいしい熱燗を作るには、電子レンジを活用する・湯煎で温めるの2つのパターンがあります。まず電子レンジで温める場合は、1合あたり1分が目安です。専用機能が付いている場合は活用することで適切な温度になります。
一方で手軽な反面、1度に多くの量を加熱できない、加熱ムラができるなどのデメリットもあります。1合以上を温める場合は爆発を防ぐために分けて加熱するとよいでしょう。湯煎で温める場合は、沸騰してから少し時間を置いた鍋に3~5分ほど漬けておくと熱燗ができます。
手間はかかりますが、好みの温度に調整することができるのはメリットと言えるでしょう。湯煎する場合は、沸騰した鍋に入れず80度前後のお湯に火を消した状態で入れることで陶器の破損を防止することができます。加熱ムラもできにくいので、おすすめの方法です。
まとめ
熱燗に合う日本酒の選び方とおすすめ人気ランキング10選を紹介しました。日本酒の種類により、風味や口当たりのよさが異なるので選び方や加熱温度を参考に気になる日本酒を探してみてください。
初めて購入される方や商品選びに迷っている方は、まずは人気の高い大手メーカーのものから飲み始めて挑戦していくうちに自分に合う日本酒が見つかるでしょう。