とあるコンビニ。ホラフキン家の長女ホラ子は、ここでアルバイトしている。自宅の近所にもいくつかコンビニはあるのだが、自宅から数キロ離れたこの店で働いているのには訳があった。ある日の昼下がり、店内には2,3人の客がいる。ホラ子がレジから外の方をぼーっと眺めていると、1台のゴミ収集車がコンビニの駐車場に入って来て止まった。そして、見覚えのある作業服を着たオッサンが車から降りて店の中に入って来て「ホラ子、やっと見つけたよ! 最近は、ここで働いているのか?」と大声で言った。ホラ子の父マスオである。もちろん、偶然、この店で娘が働いているのを見つけたと言うのは嘘である。数日前に尾行して、ここで働いている事を突き止めていたのである。「父さん、何の用なの? 用がないなら、仕事の邪魔だから帰ってくれない? 大体、父さんもまだ仕事中じゃないの?」、「父さん達は、センターにもうゴミを運んだから、後は渋滞に巻き込まれながら会社に戻る途中と言う事で、ゆっくりと道草しながら帰れば良いんだな。良い仕事だろ?」、「・・・」、「それにしても、お前、接客態度がなってないな。ちゃんと客として迎えて欲しいものだな!『いらっしぃませ、ご主人様。』って言うだろ、ふつう・・・」、「ここ、そう言う店じゃないから。」、「そうなのか?」、「それで、何か買いに来たの? だったら、サッサと買って帰ってよ。」、「実はな、買い物に来たんじゃないんだ。母さんが、お小遣いをケチるものだから、懐が寂しくなってな。幾らか貸してくれないかな? 3000円で良いから。」、「嫌だよ!父さんに貸したお金、まだ一度も戻って来たことないんだから。」、「そう言わずに、生前贈与だと思って。」、「生前贈与って・・・」(こいつ、自分の方が長生きする気かよ!)、「こうなったら、貸してくれるまで、ここで歌うぞ!『お小遣い欲しいよ! 3000円。ケチの母さんくれないし。最後の金づる娘だけ。娘もダメなら歌うだけ。 』(ソ連国歌の節で)」、「もういい、3000円貸すから、帰って!」、「ヤター! キャホー!」、「それで、3000円、どうするのよ!」、「いや、ビジネスパートナーと球技で親睦を深めるんだ・・・」(パチンコのことです)
(続く・・・)
投稿者:チロさんさん
投稿日:2017/11/07 20:37:53
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