FXのローソク足とは?15種の見方・組み合わせ・チャート分析方法を徹底解説

FXの基礎知識

ローソク足は、FXだけでなくさまざまな相場で値動きの分析に利用されている、テクニカル分析ツールです。

値動きの過程を示すローソク足は、今後の値動きを予想する上で重要なシグナルを発しています。

本記事では、ローソク足の基本的な見方からすぐに使える実践的な分析方法まで、初心者にもわかりやすくお伝えします。

ローソク足とは

ローソク足の発祥は日本で、江戸時代に米相場を予測するために考案されたと言われています。

今では多くの相場で利用されていて、海外トレーダーもローソク足を使って相場を分析するほど広まっています。

ローソク足はその形状がローソクのようであることから名づけられ、一本の足を見るだけで設定時間内の値動きの過程を視覚的に把握できる点が特徴です。

設定時間はトレーダーが設定できます。

FX業者によって設定できる時間が異なりますが、最も一般的なのは「1分足」「5分足」「15分足」「30分足」「1時間足」「4時間足」「日足」「週足」「月足」の9種類でしょう。

「日足」は一本のローソク足が一日の値動きを示し、「1分足」は一本のローソク足が1分間の値動きを示します。

ローソク足の基本

まずは、一本のローソク足が示す値と、ローソク足の各部分の名称について確認していきましょう。

四本値

一本のローソク足が示す値は、設定時間内の始値・高値・安値・終値です。これらを四本値といいます。

取引ツールによっては「OHLC」と表記されるものもあります。それぞれ、Open(始値)・High(高値)・Low(安値)・Close(終値)の意味です。

ローソク足のどの部分がどの値を示しているのかは、設定時間内に価格が上昇したのか下落したのかによって異なります

また設定時間内に価格が上昇したことを示すローソク足を「陽線」、設定時間内に価格が下落したことを示すローソク足を「陰線」といいます。

陽線

ローソク足の四角い部分を「実体」、上下に出た棒線部分を「ヒゲ」といい、下に突き出たヒゲは「下ヒゲ」、上に突き出たヒゲは「上ヒゲ」です。

また実体の最下部が始値で、最上部が終値です。下ヒゲの最下部がその時間帯の安値、最上部が高値を示しています。

陽線が出たということはその時間帯に価格が上昇したことを示し、買い方が強かったということがわかります。

陰線

実体とヒゲ部分は陽線と変わりません。四角い部分が実体で、上下に突き出た棒線部分がヒゲです。

陽線と異なるのは、始値と終値です。

陰線はその時間帯に価格が下落したことを示していますので、始値が上にあり、終値が下にあります。

陰線が出た時間帯は、売り方が強かったことがわかります。

なお、陽線と陰線の色は取引ツールの仕様によって異なりますし、変更もできます。色で覚えるのではなく、相場状況から判断しましょう。

同時線

始値と終値が同じ価格で、実体部分がつぶれているローソク足を「同時線」「同事線」「寄り引け同時線」などといいます。

出典:OANDA Japan

ただの十字に見えますが、売りと買いが拮抗している相場状況を示し、トレンド発生後に高値圏や安値圏で現れると、トレンドが一服して反転する可能性があると考えられます。

特殊なローソク足

基本的なローソク足の名称を覚えたところで次は、実際に頻繁に発生するローソク足の形状から、どのような相場状況が読み取れるのか、実践的な分析方法をご紹介します。

大陽線

その名の通り、実体部分が大きな陽線です。

大きさに明確な定義はありませんが、周囲のローソク足よりも明らかに大きく、はっきりした価格の上昇があれば大陽線と捉えて良いでしょう。

強い上昇圧力を示しているため、上昇が継続することを示唆しています。

ただし、上昇トレンドが継続した後、高値圏で発生するとトレンド転換の可能性が考えられます。

これは「バイイングクライマックス」といわれる現象で、上昇トレンド継続後、最後に買いが出尽くした動きと捉えられ、その後買い方が現れず逆に売り方が優勢となるためです。

また、大陽線にも種類があります。上下にヒゲのない「丸坊主」、上ヒゲのない「大引け坊主」、下ヒゲのない「寄付き坊主」などです。

丸坊主、大引け坊主は、その時間帯の高値で終わっているため、強い上昇が継続したことを示しています。

逆に、寄付き坊主は上ヒゲをつけているため、その時間帯の高値から売られて終わったことを示し、特に高値圏で発生したときには値動きの反転を疑う材料となります。

大陰線

周囲のローソク足と比較して、実体部分が明らかに大きな陰線です。

強い売り圧力を示していて、価格の下落が継続することを示唆しています。

ただし、下落トレンドが継続した後の安値圏で大陰線が発生すると、トレンド転換の可能性が考えられます。

これは「セリングクライマックス」といわれる現象で、最後に売りが出尽くした動きと捉えられ、その後売り方が現れず、逆に買い方が優勢となるためです。

大陰線の種類は、大陽線の種類と同様で、「丸坊主」「大引け坊主」「寄付き坊主」などがあります。

下ヒゲの長い「寄付き坊主」が、下落トレンド継続後の安値圏で発生したときには、トレンドの反転を警戒すべきシグナルとなります。

コマ

実体の小さな陽線、陰線の名称です。

小陽線、小陰線とも呼ばれます。

売買が拮抗していて、どちらに動くかわからない状況です。コマは値動きが小さく、継続して現れることが多いため、取引機会としてはあまりおすすめできません。

コマが出現した後に発生する大陽線、大陰線をシグナルにして相場が大きく動き出すことがありますので、そのタイミングを待ってから取引を検討すると良いでしょう。

カラカサ

実体が小さく、長い下ヒゲをつけたローソク足で、陽線であれば「陽のカラカサ」、陰線であれば「陰のカラカサ」です。

実体が小さいため、コマと似たような相場状況とも考えられますが、下ヒゲが長いことから買い圧力が生まれ始めていることを示唆しています。

そのため、安値圏での「陽のカラカサ」は、値動きが反転するシグナルと考えられます。

トンカチ

実体が小さく、長い上ヒゲをつけたローソク足で、カラカサと逆の形です。陽線であれば「陽のトンカチ」、陰線であれば「陰のトンカチ」と呼ばれます。

上ヒゲが長いことから、売り圧力が出始めていることを示唆しています。

そのため、高値圏での「陰のトンカチ」は、値動きが反転するシグナルと考えられます。

トンボ

始値と終値が同じ価格の同時線で、下ヒゲが長いローソク足です。

一度は強く売られたものの、それをすぐに押し返す買い圧力が発生したことが読み取れます。

安値圏でトンボが発生すると、上昇シグナルと捉えられ、買われる可能性があります。

トウバ(塔婆)

トンボと逆の形をした同時線です。

上ヒゲが長いため、一度は強く買われたものの、さらに強い売り圧力が発生し、上昇できなかったことが読み取れます。

高値圏でトウバが発生すると、下落シグナルと捉えられ、売られる可能性があります。

ローソク足の組み合わせ

次に、ローソク足の組み合わせによる分析方法を解説します。

単体よりも組み合わせて分析することで、より高度に深い分析が可能です。

頻出のローソク足の組み合わせを確認しておきましょう。

窓(ギャップ)

ローソク足の終値と次のローソク足の始値が離れている状況です。

ギャップ」や「空(くう)」と呼ばれることもあります。株式相場でよくみられる現象ですが、FX市場でもしばしば月曜日の始値が金曜日の終値から離れて窓を開けることがあります。

買いの圧力が強ければ上へ窓を開け、売りの圧力が強ければ下へ窓を開けます。

窓開けの後は、しばらく窓を開けた方向へ価格が推移することが多いです。しかしいずれは窓を埋める力が働くといわれていて、この値動きを想定した取引を狙うトレーダーもいます。

これを「ギャップトレード」や「窓埋めトレード」などといいます。

抱き線・はらみ線

隣り合った2つのローソク足の大きさを見て、判断します。

一本目のローソク足を二本目のローソク足の実体が、すべて包み込む状態を「抱き線」もしくは「包み線」といいます。

上昇トレンド継続後の高値圏で、陽線の次の足が陰線で抱き線を形成したら、上昇トレンドが一服し反転する可能性が高いです。

反対に下降トレンド継続後の安値圏で、陰線の次の足が陽線で抱き線を形成したら、下降トレンドが一服し反転する可能性が高いといわれています。

また、一本目のローソク足の実体の中に次のローソク足全体が収まる状態を、はらみ線といいます。

上昇トレンド後、高値圏で大陽線後に小陰線のはらみ線が発生すると、上昇トレンドが一服し、下降トレンドへの転換シグナルと考えられます。

反対に下降トレンド後、安値圏で大陰線後に小陽線のはらみ線が発生すると、上昇トレンドが一服し、下降トレンドへ転換するシグナルと考えられます。

明けの明星(あけのみょうじょう)・宵の明星(よいのみょうじょう)

出典:FOREX.com

明けの明星は、下降トレンド後の安値圏で発生する3本のローソク足の組み合わせによる、上昇トレンドへの転換シグナルです。

海外では「Morning Star」と呼ばれます。

まず安値圏で大陰線が発生します。その後、下方向に窓を開けて小さなローソク足が発生し、3本目のローソク足が大陽線になる組み合わせです。

2本目のローソク足は陰線でも陽線でも同時線でも構いません。同時線の場合は、その形から「十字星」と呼ばれます。

3本目のローソク足は窓を開けるとさらに良いのですが、窓を開けずとも大陽線であれば、強い買い方の圧力を確認できるので十分です。

これと逆の形をしたローソク足の組み合わせが、宵の明星です。高値圏で発生することで、下降トレンドへの転換シグナルとなります。

海外では「Evening Star」と呼ばれます。

三兵(さんぺい)

3本連続で陽線または陰線が発生することを三兵といいます。

特に安値圏で3本の陽線が連続することを「赤三兵」、高値圏で3本の陰線が連続することを「黒三兵」といい、「赤三兵」は買いシグナル「黒三兵」は売りシグナルです。

また高値圏で陽線が3本続き、最後の陽線が「トンカチ」のように長い上ヒゲをつけていたら、買い方が残っておらず最後に売り込まれたと考えられます。

これは、「赤三兵の先詰まり」と呼ばれる下降トレンドに突入するシグナルです。

ローソク足分析の注意点

以上のように、ローソク足はさまざまな売買シグナルを発していると考えられています。

多くのトレーダーが注目しているため、ローソク足のシグナルが発生するタイミングで多くの売買が集中することは想像に難くありません。

しかしローソク足一本のシグナルを頼って取引するのは危険です。

ローソク足にはさまざまな種類がありますし、設定時間足を変更するとローソク足の様子も変化します。

ローソク足分析の際は、一本だけのシグナルで判断するのではなく、複数の設定時間足やローソク足の組み合わせを複合的に分析し、取引の判断を下しましょう。

ローソク足分析ができるおすすめのFX業者3選

取引ツールによってローソク足の見やすさが異なります。

ローソク足分析を始めとしたテクニカル分析ができるおすすめのFX業者をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

いずれも口座開設、口座維持手数料は無料ですし、無料デモ口座もありますので、試しにつかってみることも可能です。

OANDA Japan

出典:OANDA Japan

 

OANDA Japanは世界7都市に拠点を構え、それぞれの国の金融ライセンスを取得し運営しているグローバルなFX業者です。

OANDA Japanが提供している取引ツール「MT4」は、ロシアで発足したMeta Quates社が開発した取引ツールで、発表された2005年以来、多くのトレーダーに親しまれています。

MT4は標準でも非常に多くのテクニカル指標を搭載していますが、カスタマイズ性の高い取引ツールで、自作したテクニカル指標をインストールして利用できるのが大きな特徴です。

テクニカル指標を自作するには専門のプログラミング知識が必要ですが、さまざまなサイトにカスタマイズされたテクニカル指標が公開されていますので、ダウンロードして利用もできます。

カスタマイズされたテクニカル指標のなかには、ローソク足分析を効率化してくれたり、自動でシグナルを発してくれたりするものもあります。

OANDA Japanの公式サイトでもテクニカル指標(インジケーターと呼ばれています)を配布していて、口座開設者は無料でダウンロードできるものも多数あります。

またOANDA Japanオリジナルの取引ツール「fx Trade」は、5秒足、10秒足を設定できるため、より細かい値動きを捉えた分析が可能です。

GMOクリック証券

2020年12月時点で口座開設数約45万口座の、世界でも有数の口座数を誇るFX業者です。

GMOクリック証券が提供している無料取引ツール「プラチナチャート」は、同時に表示できるチャートの数が16枚で、複数の通貨ペアや時間軸のチャートを表示させ、複合的な判断が可能です。

また一枚のチャートを最大化すれば、大画面でローソク足の分析ができます。

搭載しているテクニカル指標は38種類で、トレンド系やオシレーター系のテクニカル指標をバランスよく取りそろえているため、高度なテクニカル分析が可能です。

さまざまな取引スタイルに対応できるでしょう。

操作性が高く、初心者にも利用しやすい取引ツールといえます。

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