FXのテクニカル分析とは?初心者におすすめな7種類の手法と注意点を解説

FXの基礎知識

FX取引では、経済情勢を基に行うファンダメンタルズ分析より、過去のチャートのパターンを基に行うテクニカル分析の方が重要だと言われています。

市場参加者の意思がすべてチャートに反映されているので、そのチャートを分析した方が有用だと判断されているからです。

そこで今回はFX初心者に向けて、テクニカル分析の意味・分析方法と注意点・テクニカル分析に強いFX業者について解説します。

テクニカル分析とは

テクニカル分析とは、チャートのトレンドやパターンを基にして今後の値動きを分析することです。相場の値動きを視覚的に把握できることや、経済に関する知識がなくても分析できることなどのメリットがあります。

FXではテクニカル分析が極めて重要ですが、初心者には難しい側面があることも事実です。

そのため、今回はテクニカル分析に親しみを持ってもらうために、複雑な計算式を省略して解説していきます。

2種類のテクニカル指標

テクニカル分析では、テクニカル指標と呼ばれる指標を用いることで分析していきます。

テクニカル指標にはトレンド系オシレーター系の2種類があり、どちらもテクニカル分析において重要なのでしっかり確認していきましょう。

トレンド系

トレンド系テクニカル指標とは、値動きの流れ、いわゆるトレンドを示す指標です。トレンド系インジケーターとも言われます。

トレンド系テクニカル指標を活用することで、今の相場は上げ相場なのか下げ相場なのかを判断できます

たとえば、トレンド系の指標を用いてドル/円が上げ相場だと判断できれば、ドル/円を買い建てる判断材料になります。

このように、トレンド系テクニカル指標を活用することで、今の相場の流れを判断できるのです。

オシレーター系

オシレーター系テクニカル指標とは、買われすぎや売られすぎなどを示す指標です。オシレーター系インジケーターとも言われます。

テクニカル指標を活用することで、相場の変動の大きさ、つまり振れ幅がわかります。振れ幅はある程度の範囲内に収まるという経験則から、逆張り投資に有効です。

たとえば、オシレーター系の指標を用いてドル/円が買われすぎだと判断できれば、いずれ下落するとの思惑からドル/円を売り建てる判断材料になります。

このように、オシレーター系のテクニカル指標を活用することで、相場の振れ幅や転換点を判断できます。

トレンド系テクニカル指標

次に、具体的なトレンド系テクニカル指標をみていきましょう。代表的な指標は次の4つです。

  1. 移動平均線
  2. 一目均衡表
  3. ボリンジャーバンド
  4. パラボリック

一つひとつ詳しくみていきましょう。

①移動平均線

移動平均線とは、一定期間の価格から平均値を計算し、折れ線グラフで表したものです。過去の価格を日々算出するため、平均値が連日移動することから移動平均線と呼ばれています。

移動平均線は3つの期間に分けて活用します。5日、25日、50日です。この3つの移動平均線を用いることで、短期・中期・長期の相場の方向感を掴む事ができます。

移動平均線には主に2通りの活用方法があり、売買シグナルを判断すること、そして支持線・抵抗線として用いることです。

売買シグナルを見つける

売買シグナルとは、売買するタイミングを示唆する材料のことです。買いシグナルをゴールデンクロス、売りシグナルをデッドクロスとも言います。

ゴールデンクロスは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を越すことを指します。ゴールデンクロスを発見できたら、その後は上げ相場になると判断できます。

出典:大和証券

デッドクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下抜けることを指します。デッドクロスを発見できたら、その後は下げ相場になると判断できます。

出典:大和証券

このように、移動平均線を活用することで、売買のタイミングを察知できるのです。

支持線・抵抗線として活用する

移動平均線は、それ自体を支持線や抵抗線として活用することで、相場の流れを見極めるためにも活用できます。

支持線とは、移動平均線が示す価格の下限を示唆する線であり、「これ以上は下げないだろう」という心理を支持することからサポートラインとも呼ばれます。

反対に抵抗線とは、移動平均線が示す価格の上値を示唆する線であり、「これ以上さらに上昇するだろう」という心理を抑え込むことからレジスタンスラインとも呼ばれます。

このように、移動平均線を支持線・抵抗線として活用することで、今の相場のトレンドを判断できます。

②一目均衡表

一目均衡表は、相場は均衡が崩れた方向へ動き、その後の相場の行方は予測しやすい、という考えに基づいています。

一目均衡表を活用するには、次の5つの線を理解する必要があります。

  • 基準線:過去26日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線で、中期的な相場の方向性を示す
  • 転換線:過去9日間の最高値と最安値の中心値を結んだ線で、短期的な相場の方向性を示す
  • 先行スパン1:基準線と転換線の中心を、26日先に先行させたもの
  • 先行スパン2:過去52日間の最高値と最安値の中心を、26日先に先行させたもの。先行スパン1と先行スパン2に囲まれた部分を雲と言う
  • 遅行スパン:当日の終値を26日前に記入したもの

一目均衡表では、これら5つの線を活用することで、相場のトレンドを見つけることができます。

一目均衡表で買いシグナルとなる場合は次の3つです。

  • 転換線が基準線を上抜けたとき
  • 遅行スパンがローソク足を上抜けたとき
  • ローソク足が雲を上抜けたとき

上の画像を見ると、①転換線が基準線を上抜き、②遅行スパンがローソク足を上抜き、③ローソク足が雲を上抜いていることが分かります。

いずれか一つだけでも買いシグナルとして認識できますが、①②③の3つの買いシグナルがそろった場合を「三役好転」と言い、強い買いシグナルだと判断できます。

③ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは、相場の変動幅を過去一定期間の価格データから測定し、統計学的観点から将来の価格の変動範囲を予測する指標です。

ボリンジャーバンドでは標準偏差によって価格の変動幅を導き出しています。

標準偏差とは価格の散らばり具合を表すもので、統計学ではデータは68%の確率で±1標準偏差以内に収まり、95%の確率で±2標準偏差以内に収まると言われています。

つまり、今後の相場の変動範囲は、高確率でボリンジャーバンドが示す範囲内に収まると解釈できるのです。

ボリンジャーバンドの活用方法として、逆張りするポイントを探すことが挙げられます。

(※逆張り:相場の下落局面で買い、上昇局面で売る投資手法)

ボリンジャーバンドは相場の予想変動幅を表すため、相場が予想変動幅付近に近づいたら逆張りするタイミングだと判断できます。統計学的に反転すると予想されるからです。

ボリンジャーバンドは標準偏差を利用するため統計学の知識を必要としますが、テクニカル分析ツールで簡単に利用できます。逆張りする際にはもっとも活用すべき指標の1つです。

④パラボリック

パラボリックは、チャートの上、もしくは下に放物線を表示することで、相場の転換点を分析するための指標です。

放物線をSARといい、実際の価格とSARが交差するポイントを相場の転換として解釈します。

パラボリックには2通りの活用方法があります。

上昇トレンド時に売りシグナルとして活用する

相場が上昇トレンドにあるとき、価格はSARの上で推移します。その後価格が下にあるSARと交差するようにして下抜けた場合、売りシグナルだと判断できます。

パラボリックによる売りシグナルが確認できたら、買い建玉を決済するか、新規売り建玉を保有するサインとなります。

下落トレンド時に買いシグナルとして活用する

相場が下落トレンドにあるとき、価格はSARの下で推移します。その後価格が上にあるSARと交差するようにして上抜けた場合、買いシグナルだと判断できます。

パラボリックによる買いシグナルが確認できたら、売り建玉を決済するか、新規買い建玉を保有するサインとなります。

オシレーター系テクニカル指標

次に、オシレーター系テクニカル指標をみていきましょう。代表的な指標は次の3つです。

  1. RSI
  2. DMI
  3. MACD

それぞれ詳しく解説します。

①RSI

RSIは、一定期間の値上がり幅と値下がり幅を分析し、相場が買われすぎなのか売られすぎなのかを表す指標です。

一定期間の上げ幅の合計を、同じ期間の上げ幅の合計と下げ幅の合計の和で割ることで算出されます。

一般的にRSIは逆張りシグナル、もしくは相場の転換点を探るために活用します。

逆張りシグナルとして活用する

RSIは0~100%で表されますが、RSIの値が大きいほど相場が強い、つまり買われていると判断されます。

一般的にRSIが70~80%以上で買われすぎ20~30%以下で売られすぎと解釈されるので、逆張りするタイミングを見極めるために活用できます。

つまり、RSIが70~80%以上であれば相場は買われすぎで調整が入ると思われるので、買い建玉の決済、もしくは新規売り建玉を保有するサインとなります。

反対に、RSIが20~30%以下であれば相場は売られすぎで反発すると思われるので、売り建玉の決済、もしくは新規買い建玉を保有するサインとなります。

相場の転換点として活用する

RSIが高値(安値)を更新していないなか、実際の価格が直近の高値(安値)を更新している場合、直前までの値動きはトレンドとして形成されず、相場は調整、反転していくと解釈されます。

RSIを活用することで、一時的な変動なのか、トレンドを形成する流れなのかを判断できるのです。

②DMI

DMIは、上昇方向の指数と下落方向の指数、および相場の強弱を表す指数を組み合わせることで、トレンドの方向と強さを分析する指標です。

DMI分析では、上昇方向の指数を+DI下落方向の指数を-DI、そして相場の強弱を表す指数をADXと表現します。

DMIの活用方法としては、買いシグナル、売りシグナル、そして反対売買のシグナルを見極めることが挙げられます。

出典:楽天FX

ADXと+DIが上向き-DIが下向き始めたら買いシグナル、ADXが上向き+DIが下向き-DIが上向き始めたら売りシグナル、そしてADXが下向き+DIと-DIとADXが再度密集したら反対売買のシグナルと解釈されます。

DMIを活用することで、相場の転換点を分析できます。

③MACD

MACDは、加重移動平均線を複数活用することで、相場の転換点を分析する指標です。

MACDは、シグナルと呼ばれるMACDの移動平均線と一緒に使用することで、買いシグナルと売りシグナルを分析できます。

ヒストグラムが下向きでMACDがシグナルを上抜けると買いシグナル、ヒストグラムが上向きでMACDがシグナルを下抜けると売りシグナルだと解釈されます。

MACDは売買を判断させるタイミングが移動平均線と比べて早いため、相場の転換点を早期に判断したい場合に有効です。

テクニカル分析の注意点

これまでさまざまなテクニカル指標をお伝えしてきましたが、どれも相場の分析に役立つものであり、今でも数多くの投資家が活用しています。

しかしテクニカル分析は万能ではありません。テクニカル指標が示すことが必ずしもどの相場においても適用されるとは限りません。

これから、テクニカル分析をする際の注意点を2点お伝えします。

テクニカル指標は複数用いる

テクニカル分析をする際は、テクニカル指標を複数活用する必要があります。

それぞれの指標が算出される計算式は異なります。複数の指標を活用することは、それだけ多くの観点から分析することを意味するのです。

1つのテクニカル指標だけを盲信するのではなく、複数のテクニカル指標を活用した上で相場を分析しましょう。

すべての相場に当てはまらない

テクニカル分析は、感情が入り込まないため定量的な判断材料を与えてくれますが、すべての相場には適用できないことに留意すべきです。

たとえば、ボリンジャーバンドやMACDは過去の値動きをもとに算出されますが、相場が大荒れの時は正しく機能しません

指標では買いシグナルと示していても、反転することなく下落し続けるケースは少なくありません。

どのような相場でも機能するテクニカル指標は存在しないため、相場の状況によっては投資判断に慎重になる必要があるでしょう。

テクニカル分析に強いFX業者3選

次に、テクニカル分析に強いFX業者を3社ご紹介します。

GMOクリック証券

GMOクリック証券は、取引手数料、情報ツール、そしてテクニカル分析力で競争力を有しているFX業者です。

GMOクリック証券が提供する「プラチナチャート」では、38種類のテクニカル指標が搭載されており、テクニカルトレーダーの意向を余すことなく反映させています。

比較チャートの搭載、複数ウィンドウの表示機能なども実装されており、ストレスフリーなテクニカル分析が可能なFX業者です。

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ヒロセ通商

ヒロセ通商は国内大手FX業者で、取扱通貨ペア数やテクニカル分析ツールに定評があります。

ヒロセ通商が提供する「LIONチャート」では36種類のテクニカル指標が実装されており、国内業者のなかでもトップクラスです。

さまざまな通貨ペアをテクニカルでトレードしたい方におすすめです。

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サクソバンク証券

サクソバンク証券は、デンマークのオンライン銀行「サクソバンクA/S」の完全子会社です。

外資系の金融機関ですが、サクソバンク証券自体は日本証券業協会と日本投資者保護基金に加入しており、顧客からの預かり資産は全額日証金信託銀行で保全しています。

完全に日本で金融取引を行うことを目的とした法人です。

サクソバンク証券が提供している「サクソトレーダーPRO」では、51種類のテクニカル指標が搭載されており、テクニカル分析機能では国内業者を圧倒しています。

テクニカル分析のみで取引するならサクソバンク」と言われているほど、テクニカルトレーダーの間で支持されているFX業者です。

まとめ

これまで主要なテクニカル指標の意味、テクニカル分析の注意点、そしてテクニカル分析に強いFX業者を3社お伝えしました。

相場の方向感を分析するには、移動平均線やボリンジャーバンドなどのトレンド系テクニカル指標を使用しましょう。

相場の振れ幅や転換点を分析するには、RSIやMACDなどのオシレーター系テクニカル指標がおすすめです。

ただし、データにもとづく定量的な分析ができる一方で、テクニカル分析はどんな相場でも通用する判断材料を与えてはくれません。複数のテクニカル指標を活用して、テクニカル分析の精度を高めていくことが重要です。

FXは株式投資よりも投機的だと言われていますが、市場参加者の動向は必ずチャートに反映されています。テクニカル分析を使わずに、FXで勝ち続けるのはかなり難しいといえます。

トレードを重ねながらさまざまなテクニカル指標に慣れていき、FXの勝率を高めていきましょう。

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