iDeCo(イデコ)口座のおすすめは?金融機関と銘柄の選び方を解説!

iDeCo(イデコ)口座のおすすめは?金融機関と銘柄の選び方を解説! 株の基礎知識

iDeCo(イデコ)という名前と確定拠出年金だということは知っていても、実際に利用している人は少ないのではないでしょうか。

iDeCo(イデコ)は2022年8月に加入者数が250万人(※1)を超えました。現在も加入者は増え続けています。しかし、総務省統計局が発表(※2)している20歳~64歳の人口は約6,800万人なので、実際にiDeCoを利用している人は約3.6%しかいないことがわかります。

2022年6月末時点で20代~60代のNISA利用口座(※3)は約1340万口座なので、NISAのほうが利用者が多いことがわかります。
※1 iDeCo公式サイト 「最新iDeCo加入者数等について(令和4年9月)
※2 総務省統計局 「人口推計の結果の概要
※3 金融庁 「NISA口座の利用状況調査(2022年6月末時点)

たしかにiDeCoは仕組みがわかりにくい部分が多く、どうやって検討すればいいのか難しいです。

「実際にiDeCo(イデコ)を利用するのはどの金融機関を使えばいいの?」
「どの商品を選べばいい?」

この記事では、このようなiDeCo(イデコ)を実際に運用するときの疑問について、おすすめの金融機関や取扱商品を紹介します。また、どうやって情報を集めればよいのかについても解説しますので、これからiDeCoを始めようと思っている人は参考にしてください。

金融機関の選び方のポイントは3つ

iDeCoは金融機関によってコストも取引できる商品もかなり変わってしまうので、金融機関の選び方はかなり重要です。

  1. 口座管理手数料のコスト
  2. 取扱商品の種類
  3. 現在利用している金融機関

金融機関を選ぶときには、まずこの3つについて考えましょう。特に、1つ目のコストと2つ目の取扱商品の種類が重要です。

その1:口座管理手数料が安いか?

ネット証券やNISA口座などは口座維持手数料はかかりませんが、iDeCoは口座を保有しているだけでコストがかかるので、口座管理手数料が安い金融機関を選ぶようにしましょう。積立をしている場合(加入者)と、積み立てをしない場合(運用指図者)でも口座管理のコストが変わるので要チェックです。

下の図は、いくつかの金融機関で積立を行う場合と行わない場合の費用を表示しています。上のほうに表示されている金融機関では、積立を行う場合171円、積立を行わない66円ですが、下のほうの金融機関では、436円と326円となっています。

iDeCoナビ

出典:iDeCoナビ

この差は年間ではなく毎月なので、積立を行う場合だと毎月260円、年間では3,120円の差が出ます。この差をどうとらえるかは人によって変わると思いますが、この金額は固定なので、運用金額が小さいほど大きな割合となります。

一概には言えませんが、銀行系の金融機関よりも証券系の金融機関のほうが口座管理費用は低い傾向にあります。

その2:取り扱っている銘柄が多いか?

取り扱っている銘柄が多いかも重要なポイントです。取扱銘柄の種類の多さも1つですが、信託報酬手数料が低い銘柄を取り扱っているかも重要なチェック要素です。

信託報酬手数料は投資信託の運用期間中に常に発生するコストですので、信託報酬手数料が高いとリターンも小さくなってしまいます。正解はありませんが、「0.2%程度」を目安にして、それ以下の商品を選びたいところです。

調べてみるとわかりますが、信託報酬手数料が低い銘柄を選択すると外国株式関連の投資信託が多いです。外国株式への投資が怖ければ、バランス型(株や債券など複数の資産を組み入れている商品)や国内株式の投資信託などでも信託報酬手数料が低めの商品はあります。
iDeCoナビ

出典:iDeCoナビ

また、iDeCoは元本保証の商品をそろえている金融機関がほとんどです。私的年金の制度だと考えると、元本保証の商品も一定の割合保有するのは悪くありません。

ただし、運用益が非課税になるメリットは活かせないので注意しましょう。

その3:普段利用している金融機関か?

これは、上の2つほど重要ではありませんが、普段利用している金融機関のほうが良い場合もあります。特に銀行系金融機関のiDeCoの場合、資産が50万円以上かどうかでコースが変わる場合などがあるので、このような場合は普段利用している金融機関のほうが有利になります。

また、普段利用している金融機関のほうが安心だったり、管理がしやすいといったメリットもあります。

おすすめ金融機関

実際におすすめの金融機関をいくつか紹介します。証券系と銀行系の金融機関からそれぞれ選びました。金融機関選びの参考にしてください。

SBI証券(セレクトプラン)

SBI証券

出典:SBI証券

SBI証券 iDeCo公式

積立を行う場合 積立を行わない場合 移管時 商品数
171円 66円 4,400円 38本

※2022/11/14時点

SBI証券のiDeCoはコストも低く抑えることができ、商品数が多いのが魅力です。SBI証券の調べでは、iDeCo加入者数No1のようです。

取扱商品も幅広く取り扱っており、信託報酬率が低い三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」を取り扱っているのもおすすめできるポイントです。

もちろんSBI証券をすでに保有している人にはおすすめの金融機関です。

おすすめ商品

商品名 信託報酬率(税込み)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.0968%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.11440%
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 0.154%
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 0.154%

マネックス証券

マネックス証券

出典:マネックス証券

マネックス証券 iDeCo公式

積立を行う場合 積立を行わない場合 移管時 商品数
171円 66円 4,400円 27本

※2022/11/14時点

マネックス証券もコスト、商品ともに充実しているので、iDeCoの口座を作成するのにおすすめできます。2022年オリコン顧客満足度3年連続第1位を獲得しています。

マネックス証券の口座を保有していて、これからiDeCoを始めたい人であれば、マネックス証券でiDeCo口座を作るのもよいですね。

商品数はSBI証券のiDeCoよりも少ないですが、投資におすすめできる銘柄は同じ商品がそろっています。

おすすめ商品

商品名 信託報酬率(税込み)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.0968%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.11440%
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 0.154%
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 0.154%

松井証券

松井証券

出典:松井証券

松井証券 iDeCo公式

積立を行う場合 積立を行わない場合 移管時 商品数
171円 66円 4,400円 40本

※2022/11/14時点

松井証券は40種類の商品をそろえており、業界最多水準のラインナップになっています。

松井証券はHDI-JAPAN(ヘルプデスク協会)という機関から顧客サポートで12年連続最高評価の三ツ星を獲得しているほどサポートに優れた証券会社です。

iDeCoは仕組み自体がわかりにくい部分も多いので、充実したサポートはプラス材料といえます。

おすすめ商品

商品名 信託報酬率(税込み)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.0968%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.11440%
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 0.154%
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 0.154%

イオン銀行

イオン銀行

出典:イオン銀行

イオン銀行 iDeCo公式

積立を行う場合 積立を行わない場合 移管時 商品数
171円 66円 24本

※2022/11/14時点

ここからは銀行系の金融機関です。銀行系の金融機関は口座管理手数料が高いところが多いのですが、イオン銀行のiDeCoは証券会社のiDeCoと同水準の低いコストとなっています。

商品数は24本と少なくはありませんが、ここまで紹介してきた三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」の取扱はありません。

「たわら」系の投資信託か、野村アセットマネジメントの「マイバランス」などが投資銘柄として検討に入ってくることになります。

外国株式系の投資信託の種類がすこし少ない印象です。

おすすめ商品

商品名 信託報酬率(税込み)
たわらノーロード先進国株式 0.10989%
たわらノーロードバランス(8資産均等型) 0.154%
マイバランス50(確定拠出年金向け) 0.154%

三井住友銀行(みらいプロジェクト)

三井住友銀行

出典:三井住友銀行

三井住友銀行 iDeCo公式

積立を行う場合 積立を行わない場合 移管時 商品数
171円 66円 24本

※2022/11/14時点

三井住友銀行には2種類のiDeCoコースがあり、そのうち「みらいプロジェクトコース」を紹介します。標準コースとの違いは、管理手数料と商品ラインナップです。

標準コースの管理手数料はみらいプロジェクトコースよりも高いため、みらいプロジェクトコースのほうがおすすめです。

みらいプロジェクトコースでは、毎年加入者・運用指図者の方1人あたり100円を三井住友銀行が寄付しているそうです。(投資家負担ではありません)

このiDeCoの商品ラインナップはかなり特殊です。上の画像にもあるとおり、ESG投資やビッグデータといった個性的なテーマに投資できる商品がそろっています。

とはいえ、iDeCoでこのような商品に投資するのはリスクもコストも高くなるので、おすすめしません。一般的なパッシブ運用商品も少ないながら準備されているのでそちらに投資しましょう。

バランス型の商品が準備されていない点はマイナスです。

みらいプロジェクトコースでは元本保証の商品もありません。元本保証の商品へ投資したい場合は他の金融機関を選びましょう。(三井住友銀行のiDeCo標準コースには元本保証型の商品が2本あります)

おすすめ商品

商品名 信託報酬率(税込み)
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500) 0.09680%
SMBC・DCインデックスファンド(MSCIコクサイ) 0.10230%
SMBC・DCインデックスファンド(日経225) 0.15400%

iDeCoでおすすめの運用商品

ここからはiDeCoでおすすめの運用商品を紹介します。

利用する金融機関に紹介する商品があるとは限りませんので注意してください

基本的に信託報酬手数料が安い商品を選ぶというのが鉄則です。そのため、アクティブ運用のファンドよりもパッシブ運用のファンドをおすすめします。

【パッシブ運用】
市場全体の値動き(指数の値動き)と同様の投資成果を目指す運用
【アクティブ運用
銘柄を厳選して投資し、ベンチマークを上回る投資成果を目指す運用手法

ただし、株式のみを組み入れた投資信託だけでポートフォリオを構成すると、リスクが高くなってしまいます。最適なポートフォリオは人によって異なりますが、債券型やバランス型、一定の割合は元本保証の商品を組み入れるといったことを検討してもよいでしょう。

国内株式型

国内株式型であれば、「TOPIX」か「日経平均」に連動する商品を選択するとコストが抑えられます。この2つのインデックスに連動する商品よりも少しコストが高くなることが多いですが、「JPX400」に連動する商品があれば、検討してもよいでしょう。

JPX400は、資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される株価指数です。定期的に入れ替えも実施されるため、安定的な成長が期待できるかもしれません。

今後、日本株式は上がると予想するのであれば、国内株式の投資信託はおすすめです。

商品名 信託報酬率(税込み)
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 0.15400%
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) 0.15400%
SMBC・DCインデックスファンド(日経225) 0.15400%
たわらノーロード日経225 0.18700%
ニッセイJPX日経400インデックスファンド 0.21450%

海外株式型

海外株式型で有名なのは、「S&P500」「オール・カントリー」といったインデックスに連動する商品です。これらのインデックスを利用した投資信託はコストが低く抑えられています。

基本的に米国株式の比重が高く、オール・カントリー(ベンチマークはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)でも米国株式の割合は約60%以上を占めます。

米国株式は今後も成長が続くと予想されており、長期的にはリターンも期待できます。コスト、リターン両方の観点からiDeCoに適した商品といえます。

商品名 信託報酬率(税込み)
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.09680%
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.10230%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.11440%
たわらノーロード先進国株式 0.10989
SMBC・DCインデックスファンド(S&P500) 0.09680%
SMBC・DCインデックスファンド(MSCIコクサイ) 0.10230%
野村DC外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI 0.15400%
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)) 0.13200%

バランス型(複合資産型)

バランス型の商品は、株式だけでなく債券や不動産(REIT)といった資産を組み入れた投資信託です。株式市場全体が下落しても、債券や不動産は株式と異なる動きをするので、1つの商品でリスク分散ができのるのはメリットといえます。

バランス型は組入れの割合が商品によって違うので、どういった構成になっているかを目論見書などで確認してから購入するようにしましょう。

バランス型の投資信託は、iDeCoでは多く見られます。信託報酬もかなり違ってくるので、パッシブ運用のバランス型商品を選ぶことをおすすめします。

商品名 信託報酬率(税込み)
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 0.15400%
たわらノーロードバランス(8資産均等型) 0.15400%
マイバランス50(確定拠出年金向け) 0.15400%

その他

その他、REITやGOLDなどに連動した商品もあります。分散投資として一定の割合保有しておくのもリスクヘッジとして有効な手段です。また、年金と考えるのであれば定期預金などの元本保証のほうが安心という人もいるかもしれません。

商品名 信託報酬率(税込み)
eMAXIS Slim 国内リートインデックス 0.18700%
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス 0.22000%
iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし) 0.15400%
定期預金各種
為替ヘッジなし商品の場合、為替レートに左右されます。換金時に円高になっていると為替差損が発生する可能性があるので注意しましょう。

iDeCoの選び方に関するQ/A

最後にiDeCoに関するQ/Aに回答します。

どうやって調べたらいいの?

iDeCoは仕組み自体が複雑なので、制度を確認するならiDeCo公式が一番正確です。iDeCoは加入条件によって拠出金額が違ったり、転職や退職で手続きが必要になったりするので、正確な情報を確認するようにしましょう。

iDeCo公式

実際にiDeCoを利用する金融機関を選ぶときには「iDeCoナビ」を利用するのがおすすめです。この記事内でも利用しています。

「iDeCoナビ」はiDeCo公式でもリンクされているサイトですので安心して利用してください。「iDeCoナビ」では、手数料で比較したり、商品内容で比較したり様々な内容で比較することができるので、自分にあっている金融機関が見つけやすいと思います。

iDeCoナビ

iDeCoナビ

出典:iDeCoナビ

NISAと併用したほうがいい?

どちらも満額利用できるのであれば、併用したほうがメリットを活かすことができます。ただし、少額しか投資資金として利用できないのであれば、中途半端にiDeCoとNISAを併用するよりはどちらか一方のみ利用するほうがそれぞれの特性を活かせます。

ただし、正解はありませんので最終的にはご自身で判断してください。
iDeCoとNISAは仕組みもメリットも異なりますので、それぞれの特徴を理解してどちらを利用するか(もしくはどちらも利用するか)検討しましょう。
制度 主な目的 特徴
iDeCo(イデコ) 私的年金制度
  • 拠出金上限は加入条件により異なる
  • 拠出金が所得控除できる
  • 運用益が非課税になる
  • 原則60歳まで引き出しできない
NISA 投資優遇制度
  • 年間非課税投資枠と非課税期間が決まっている
  • 投資可能な商品が多い
  • 運用益が非課税になる
  • 商品売却後はいつでも引き出し可能

元本保証商品に投資したほうがいいの?

投資信託などの金融商品は、値上がりの期待ができる反面、元本保証はされていません。商品の状況によっては損失が発生します。

iDeCoは私的年金制度ですので、できるだけリスクの低い商品を選ぶ考えは間違っていません。したがって、元本保証の商品(定期預金など)へ投資するのも問題ありません。

ただし、iDeCoの「運用益が非課税になる」メリットが活かせなくなるので、元本保証の商品だけに投資するのではなく、リスクのある商品とリスクの少ない商品をうまく組み合わせてポートフォリオを構成するのがおすすめです。

iDeCoを始めてみましょう

記事冒頭に紹介した通り、iDeCoはNISAよりも利用している人が少ないですが、所得控除もできるのでうまく利用したい制度です。

特にフリーランスなどの方は拠出金の上限が大きいため、iDeCoをうまく利用すれば将来の資産形成の効率が大きく上がります。

まだiDeCoを利用していない人は、まずは「iDeCoナビ」を利用して、良さそうな金融機関を眺めてみることから始めてください。

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