投資を始めようと考えていざ調べてみると、この証券会社がおすすめという内容であったり、この商品がおすすめという内容はよく見かけます。
ただ、「実際に株を買うってどうやるの?」というイメージが具体的にわかない人もいるかもしれません。
この記事では、日本株の基本的な内容を説明して、大手ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券)での株の購入方法を具体的に説明します。
一度株の購入方法を見ておかないと、実際に取引するのは不安という人は是非参考にしてください。
日本株の買い方 基本知識
まずは日本株の買い方の基本的な内容を説明します。株を買うと一言で言っても実は購入までにやらなくてはいけないことが意外と多いです。それぞれは簡単なことなので順を追ってみていきましょう。
- まずは証券会社に口座を開設する
- 投資資金を準備する
- 投資銘柄を選ぶ
- 選んだ銘柄を注文する
- 購入した銘柄を売却する
証券口座を開設する
株を購入する1歩目は証券口座の開設から始まります。
証券会社の種類
当たり前と思われるかもしれませんが、証券口座にも色々種類があるので、実はここから迷う人は多いと思います。証券会社にはこのような種類があります。
証券会社によって他にも様々な特徴があります。
種類 | 特徴 | 主な証券会社 | |
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店舗型 |
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ネット型 | 大手ネット証券 |
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スマホ特化 |
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特定領域特化 | 外国株の種類が豊富 |
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日本株・外国株の手数料が常に無料 |
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始めて証券会社に口座を作る人におすすめしたいのは大手ネット証券です。SBI証券や楽天証券、マネックス証券のような大手のネット証券は、投資可能な金融商品が多く、コストも安く済みます。
今後、他の投資商品にも挑戦する場合や、NISA口座も利用したいとなった時にも対応しやすい証券会社です。
証券口座の種類
証券口座には「一般口座」と「特定口座」の2種類があります。簡単に言えば納税方法の違いによるものです。

出典:国税庁
源泉徴収が不要になる「特定口座の源泉徴収あり」を選んでおくことをおすすめします。
このほかにも、NISA制度を利用する場合には「NISA口座」、米国株などの外国株式取引をする場合には「外国株式取引口座」など、取引する商品によって別の口座が必要になる場合もあります。
入金する(投資資金の準備)
口座を開設したら、投資資金を準備しましょう。
入金方法は口座開設した証券会社ごとに異なるので、各証券会社でご確認ください。基本的にインターネットを利用したオンライン入金のほうが手数料もかからないことが多いのでおすすめです。
また、SBI証券なら住信SBIネット銀行、楽天証券なら楽天銀行といったように証券会社との提携サービスがあるネット銀行を利用すると、入金が楽になるだけでなく、銀行の金利が優遇されるといった特典があるのでお得です。
投資する銘柄を選ぶ
投資銘柄を選ぶのは、株を購入するのに一番重要なステップです。闇雲に株を買っても損をするので事前によく検討しましょう。
よく、自分が知っている企業や応援したい企業を選んだほうがいいということも聞きますが、はっきり言えばこの買い方をする人は危険です。
応援したい企業の株を買うのではなく、株を買うから応援するほうが正しいといえます。優先すべきはその企業の業績が伸びるかどうか、リターンが見込めるのかどうかです。もちろんよく知っている企業から検討するというのは間違いではありませんが、無条件で買うのとは別です。
前置きが長くなりましたが、日本株取引の主な戦略としては以下の3つです。
- 株価の値上がり(キャピタルゲイン)を狙う
- 配当(インカムゲイン)を狙う
- 株主優待を狙う
それぞれ解説していきます。
株価の値上がり(キャピタルゲイン)を狙う
これが一般的な株取引のイメージだと思います。株価が10倍にあがるような銘柄はテンバガーと言われることもありますが、実際にはそのような銘柄に投資するのは簡単ではありません。
とはいえ、過去には100円ショップのセリア(2782)は約60倍株価が上昇、作業服などで有名なワークマン(7564)は約40倍程度株価が上昇しました。私たちが日常でよく見る企業でも大きく株価が上昇する可能性があるのが面白く、夢のあるところです。

出典:Tradingviewにて作成 セリア(2782)

出典:TraidingViewにて作成 ワークマン(7564
配当(インカムゲイン)を狙う
配当とは、企業が稼いだ利益の中から一定の金額を株主へ分配することです。多くの株を保有していればその分配当もたくさんもらえることになります。
配当を目的とした株取引についてはこちらの記事で詳しく説明していますのでご覧ください。

配当を狙う場合、大きくいうと2つのパターンがあります。「業績によって配当額が変わる」パターンと、「連続xx期増配のように配当額があまり変わらない」パターンです。
業績によって配当が変わる顕著なパターンが直近の海運株です。例えば日本郵船(9101)や商船三井(9104)は配当利回りが10%を超えています。
このパターンで注意したいのは高配当がいつまで続くのかを予想するということです。一般的には配当利回りが3~4%を超えていれば高配当といえます。
連続増配で有名なのは花王(4452)で、連続30期以上増配しています。このパターンは基本的に業績に拘わらず配当額を徐々に増やすので配当利回りが比較的低めなことも多いです。とはいえ、企業は配当性向(純利益に対する配当の割合)を変えて増配することが多いため、上のように業績に連動する場合よりも安定した配当が見込めます。
株主優待を狙う
株主優待は、その企業の商品や商品券といった品物をもらえる日本特有の仕組みです。米国株ではこのようなものはありません。
株主優待は株主を増やしたり、囲ったりという側面がありました。その主な理由はもともと東証1部上場の条件が「株主2,200人以上」だったからです。しかし、2022年の東証再編により、プライム市場は「株主800人以上」に変更になり、ハードルはかなり下がりました。
このような動きの中で株主優待を廃止している企業も増えてきています。株主優待を目的に投資するなら、今後廃止されないかも確認しておいたほうがよさそうです。
また、すべての企業で株主優待があるわけではないこと、企業によっては保有株式や期間などの条件があることにも注意が必要です。
株を購入する
投資する銘柄を選んだら実際に株を購入するステップへと移ります。事前に入金が済んでいることは確認しておきましょう。
株を購入する具体的な方法は、証券会社ごとでこの後に説明します。
ここでは株の注文方法について紹介します。これから投資を始める人でも基本的なこの3種類の注文方法は覚えておきましょう。
注文方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
成行(なりゆき) | 値段を指定せずに売買を成立させる 使用例:すぐに売買を成立させたい |
指値よりも優先されるため、早く約定しやすい | 想定外の値段で約定する可能性がある |
指値(さしね) | 逆張りの注文で値段を指定する 使用例:1,000円まで株価が下落したら買う |
自分の決めた値段で約定できる | いつ売買が成立するかわからない |
逆指値(ぎゃくさしね) | 順張りの注文で値段を指定する 使用例:1,000円まで株価が下落したら売る(損切り) |
損切りの注文にてきしている | いつ売買が成立するかわからない イメージしにくい |
購入時の注文としてよく利用されるのは、「成行(なりゆき)」と「指値(さしね)」です。
成行注文はすぐにでも売買を成立させたいときに利用します。成行注文優先の原則があるので、指値注文よりも優先して約定します。ただし、急激に値段が動いているときなどはどの値段で約定されるかわからないデメリットもあります。
指値注文はいわゆる逆張りの注文方法です。現在の株価よりも下がったら割安なので購入したい場合などに利用できます。自分で決めた値段で約定するため、予想よりも悪くなることはありません。
逆指値は指値の逆で順張りの注文方法です。少しイメージしにくいかもしれませんが、この中でも一番重要と言っていい注文方法です。
順張りの注文なので、今よりも株価が「上がったら買い」「下がったら売り」ということになります。ここで特に重要なのは「下がったら売り」の損切り注文です。購入した銘柄は逆指値の注文を入れておくことで自動的に損切りする仕組みを作っておくことをおすすめします。
株価が一気に下落して売却もできずに塩漬け状態になってしまったというのはよく聞く話です。損を確定するのに手動で売却するのはメンタル的にかなり難しい部分があるので、注文方法でシステム的に行うほうがよい結果になることもあります。
株を売却する
株を売却するときに以外に難しいのが、「いつ売るか」という問題です。売却するタイミングを決める方法はいくつかありますが、いずれにしても「事前に決めておく」ということが重要です。
具体的には以下のようなケースが考えられます。
売却する例 |
|
株を売却して利益が発生した場合には、20.315%の税金がかかります。(所得税+復興特別所得税:15.315%、住民税5%)
この記事でも説明した特定口座(源泉徴収あり)であれば、自動で源泉徴収されるため確定申告の必要がありません。
この記事では詳しく説明はしませんが、仮に損失が発生した場合、確定申告で「損益通算」や「譲渡損失の繰越控除」を行うことによって税制面での措置を受けることもできますので、そのような仕組みがあることは覚えておきましょう。
NISA制度を利用する
NISA(少額投資非課税制度)は、株式投資をするなら利用したい制度です。「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があり、どちらも株式投資(投資信託なども可能)の運用益が非課税となる制度です。
一般NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
新規非課税投資枠/年 | 120万円 | 40万円 |
非課税保有期間 | 5年 | 20年 |
対象商品 | 上場株式・ETF・投資信託・REITなど | 投資信託 |
2024年から一般NISAは制度が新しくなり、現在の一般NISAとつみたてNISAを足したような仕組みになります。具体的には新規非課税投資枠が年間122万円になり、そのうちの20万円分はつみたてNISAと同じ商品を購入することになります。
証券会社別 日本株の買い方マニュアル
ここでは、実際に日本株を買う手順を証券会社ごとに具体的に説明していきます。説明する証券会社は、「SBI証券」「楽天証券」「マネックス証券」の3社です。
トレーディングツールではなく、ウェブブラウザ(各証券会社のログインページ)からの注文方法を紹介します。トレーディングツールは、様々な情報を確認しつつ注文できるので便利ですが、単純に注文するだけなら証券会社のHPからのほうがわかりやすいと思います。
まずはこんな感じなんだなというイメージをつかんでもらえれば大丈夫です。
SBI証券での日本株の買い方

出典:SBI証券
SBI証券は証券口座開設数が多く、最も利用されている証券会社といってもよいのではないでしょうか。サービスも豊富でほとんどスキがありません。
住信SBIネット銀行と連携することで、日本株だけでなく米国株もお得に取引することができます。
それではSBI証券の注文方法を説明していきます。SBI証券は「HYPER SBI2」というトレーディングツールが用意されているので、慣れてきたらこちらも利用してみて下さい。
SBI証券の注文方法
実際には国内株を注文するまでの手順は1つではないので、今回はそのうちの1つの方法となります。
- ログイントップページから国内株式タブを選択して、銘柄を入力する
- 個別銘柄情報から現物買いを選択する
- 注文入力画面で必要な情報を入力する
銘柄を入力する
まず、銘柄検索ボックスに検索した企業を入力します。ここでは「トヨタ」と入れてみましたが、銘柄コードを入力することもできます。曖昧検索をしてくれるので「トヨタ」でも複数候補が表示されています。
ちなみにトップページ(一番左の家の形のタブ)でも銘柄検索ボックスはあるのでそちらからでも問題ありません。

出典:SBI証券
もしくは、右側にある銘柄スクリーニングや優待検索などから銘柄を探しても構いません。ここでは、購入したい銘柄の詳細画面へ移動できれば大丈夫です。
個別銘柄情報画面で「現物買」を選択する
この画面では、トヨタ自動車(7203)の個別銘柄情報画面を表示しました。選んだ企業で問題なければ「現物買」を選びます。別の企業にするのであれば、上にある銘柄選択ボックスから再度検索してください。
証券会社によっては、この並びに単元未満株の購入ボタンを置いているケースもありますが、SBI証券の場合、単元未満株の注文は注文画面から選択可能です。

出典:SBI証券
注文画面で情報入力
注文画面で必要な項目を入力していきます。細かい部分は省きますが、入力が必要な項目は以下の部分です。必要情報入力後、取引パスワードを入力すると確認画面へ移動します。
- 枚数(株の購入数)
- 価格(注文方法により入力内容は異なる)
- 期間(約定しない場合でも一定期間注文を残しておくことができる)
- 預かり区分(口座の種類。基本は特定預かりでOK)

出典:SBI証券
この画面では「通常/逆指値」のタブになっていますが、「OCO」「IFD」「IFDOCO」といったタブもあります。これは少し複雑な注文方式で、簡単に説明するとこのような注文です。
注文方法 | 内容 |
---|---|
OCO | 「One Cancels the Other」の略で、2つの注文を出し、一方の注文が執行されるともう一方はキャンセルされます。 |
IFD | IFDは1つ目の注文が約定すると2つ目の注文が発注されます。1つの注文で買付から売却までを完了させることができます。※楽天証券のセット注文やマネックス証券のリバース注文のようなもの |
IFDOCO | IFDOCOは名前の通り、IFDとOCOを組み合わせた注文です。 |
枚数は100株単位になります。1株単位の取引(単元未満株の取引き)がしたい場合は、取引行の右側にある「単元未満株注文」ボタンから単元未満株の注文が可能です。
価格は注文方法により入力内容が異なります。「条件なし」となっている部分がありますが、ここは「寄付」「引け」「不成」といった執行条件が入ります。(簡単な説明を下に記載しておきます。他の証券会社でも意味は同じです)
執行条件 | 内容 |
---|---|
寄付 | 前場または後場の寄付(始値のこと)のみに執行される注文 |
引け | 前場引けまたは後場引けのみに執行される注文(引けは最後の売買のこと。後場の引けは大引けとも呼ばれる) |
不成 | 指値注文で発注し、未約定だった場合は引け時に成行で執行される注文(注文単価は、「指値」のみ指定可能) |
IOC | 指定した値段かそれよりも有利な値段で、即時に一部あるいは全数量を約定させ、成立しなかった注文数量を失効させる条件付注文 |
期間と預かり区分は選択肢の通りです。期間は「今週中」の場合は週の最終営業日までです。約定しない場合、注文は失効します。
注文確認画面で「注文発注」ボタンを押すと、注文が完了します。

出典:SBI証券
SBI証券での株式注文の流れはこれで終了です。
SBI証券の口座開設方法
SBI証券の口座開設方法は4ステップです。
- 口座開設申し込み
- 本人確認書類の提出
- 完了通知の受け取り
- 初期設定
楽天証券での日本株の買い方

出典:楽天証券
楽天証券もSBI証券と並んでよく利用される証券会社です。特に楽天ポイントや楽天銀行など、楽天グループとの連携で強みを発揮する証券会社ですので、楽天経済圏を利用している方にはおすすめできます。
楽天証券のトレーディングツールは「MarketSpeed2」というツールが用意されていますので、こちらも慣れてきたら利用してみて下さい。
楽天証券の注文方法
楽天証券での注文方法を説明していきます。大きな流れはSBI証券と変わりません。
- 国内株式タブから投資したい銘柄を検索
- 銘柄詳細画面で「現物買い」を選択
- 注文画面で必要情報を入力
銘柄を入力する
国内株式タブの銘柄検索ボックスに検索したい銘柄を入れます。今回はトヨタ自動車の銘柄コード「7203」を設定しました。
銘柄検索ボックスの右側にある「買い注文」ボタンを押して注文画面に移動することも可能です。その場合、注文画面で銘柄を指定します。

出典:楽天証券
個別銘柄情報画面で「現物買い」を選択する
「現物買い」のボタンをクリックします。

出典:楽天証券
注文画面で情報入力
注文画面で必要事項を入力します。他の証券会社と大きくは変わりませんが、細かい文言や指定場所などは少し異なります。
- 数量(100株単位) ※楽天証券は単元未満株の取扱はありません
- 価格(注文方法により内容が異なる)
- 執行条件(期間と寄付などの条件)
- 口座(基本は特定口座でOK)
- セット売り注文
取引暗証番号を入力したら確認で確定して完了です。

出典:楽天証券
上の画面では注文方法(ピンクの見出しのすぐ上)が「通常」(指値と成行)になっていますが、タブを切り替えることで「逆指値付通常」と「逆指値」の注文に変更可能です。
執行条件は期間をあわせたような内容です。通常の注文では、「本日中」「今週中」「期間指定」「寄付」「不成」といった条件から選択します。
楽天証券ではセット注文を同時に予約することができます。買いの元注文が約定したタイミングでセットの予約注文を発注できるので、1つの注文で一連の売買を完結することが可能です。
セット注文の詳細な留意事項は楽天証券のHPで説明を確認してください。>>こちら
楽天証券の口座開設方法
楽天証券の口座開設は以下の4ステップで完了です。
- 口座開設申し込み&メール登録
- 本人確認書類、顔写真の撮影(スマホで本人確認)
- ユーザー情報入力
- 翌営業日以降にログインID受領
②はスマホからではなく、本人確認書類をアップロードすることでも口座開設可能です。この場合、ログインIDとパスワードが郵送されるので、若干時間がかかります(約5営業日)

出典:楽天銀行
楽天証券を利用する場合、楽天銀行の口座もあったほうが便利です。楽天銀行の口座開設をする
マネックス証券での日本株の買い方

出典:マネックス証券
マネックス証券も大手ネット証券でおすすめの証券会社の1つです。特に米国株に強い証券会社です。マネックス証券の分析・スクリーニングツール「銘柄スカウター」を使えば株購入前の銘柄検討と、購入後の状況確認がずいぶん楽になります。
マネックス証券のトレーディングツールは「マネックストレーダー」です。他にも機能ごとに細かくツールが分かれています。
マネックス証券の注文方法
マネックス証券の注文方法を見ていきましょう。大きな流れは他の証券会社と変わりません。
- 株式取引タブから個別銘柄を選択する
- 銘柄情報画面から「現物買」を選択する(省略可能)
- 注文画面にて必要情報を入力する
株式取引タブから銘柄を選択
「MY PAGE」>>株式取引タブから銘柄を検索します。マネックス証券の場合、直接「注文する」で買い注文の入力画面に移動することもできます。

出典:マネックス証券
銘柄情報画面から「現物買」を選択
個別銘柄情報から注文する場合は、「現物買」を選択します。上の画面で、注文するを選んだ場合にはこのステップは省略されます。
単元未満株の取引きをしたい場合は「ワン株買」ボタンから単元未満株の取引ができます。

出典:マネックス証券
注文画面で情報入力
入力する情報は他の証券会社とほとんど変わりません。
下の画像では「スタンダード注文 買い注文」となっています。他にも条件付注文、リバース注文、ワン株注文を選択可能です。
スタンダード注文 | 「成行」か「指値」で注文 |
---|---|
条件付注文 | 「成行」「指値」「逆指値」「ツイン指値」(一般的にはOCO)を選択でき、連続注文指定なども可能 |
リバース注文 | 元注文が約定した場合の反対売買の予約注文。※楽天証券の「セット注文」と同じ。 |
ワン株注文 | 単元未満株の注文 |
「次へ(注文内容確認)」ボタンを押すと、確認画面に移動するので、問題なければ発注を実行します。
マネックス証券の口座開設方法
マネックス証券の口座開設も他の証券会社と流れは同じです。
- メール登録
- ユーザー情報入力
- 本人確認
- 完了メール受信&ログイン
本人確認書類をスマートフォンで撮影して提出すれば最短で申し込みの翌営業日に口座開設が完了します。郵送の場合は、申込書類の返送から1週間程度で口座開設が完了します。
よくある質問(Q&A)
最後に株式投資でよくある質問について回答します。
外国株の買い方は?
外国株も証券会社で購入可能です。外国株の取引をする場合は「外国株式取引口座」の開設が別途必要になります。外国株式取引口座開設の詳細は各証券会社で確認してください。
外国株は日本株の取引とは違う部分もあるのでいくつか注意点を紹介します。
- 証券会社によって取扱っている国にかなり差がある
- 為替手数料がかかる
- 最低手数料がかなり違う
取扱っている国の違い
米国株は多くのネット証券で取り扱いがされるようになりましたが、その他の国については様々です。大手ネット証券でもこのような違いがあります。
証券会社 | 取扱い数 | 取扱い国 |
---|---|---|
SBI証券 | 9カ国 |
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楽天証券 | 6か国 |
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マネックス証券 | 2か国 |
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ただし、これに関しては取扱数が多いからよいというわけではありません。このあと説明するコストにも関わってきます。
投資初心者の方はまずは米国株の投資あたりからにしたほうがよいでしょう。
為替手数料がかかる
外国株の購入方法には「円貨決済」と「外貨決済」の2種類があります。本来外国株を取引するには、その現地通貨が必要になりますが、「円貨決済」は証券会社が代わりに米ドル(米国株の場合)を準備してくれることで投資家が円しか持っていなくても外国株が購入できます。
大手ネット証券の米国株取引手数料は約定代金の0.45%(税込0.495%)が一般的です。
円貨決済はネット証券の場合、1米ドル=25銭(1000ドルの取引で250円)の為替手数料が一般的ですが、証券会社によって違いもあり、例えばマネックス証券の場合、買付時の為替コストがかかりません。(2022年10月現在)
外貨決済の場合、自分でドルを準備する必要がありますが、低い為替コストで調達することも可能です。例えばSBI証券と住信SBIネット銀行を利用すれば、1米ドル=3銭で準備することができます。(住信SBIネット銀行で外貨積立を利用する場合)
いずれにしても、日本株にはないコストが発生することを認識しておきましょう。
最低手数料がかなり違う
これは米国株以外の外国株で大きく変わります。
例えばSBI証券は最低手数料が現地通貨で、楽天証券は円固定となっています。
中国株式でいえば、これだけ差があります。
証券会社 | 最低手数料 | 最低手数料(円換算) |
---|---|---|
SBI証券 | 51.7香港ドル(税込) | 約980円(税込) 1香港ドル=18.95円 |
楽天証券 | 550円(税込) | 550円(税込) |
※為替レートは2022/10/17時点
為替レートによっても変わりますが、現時点では楽天証券のほうがかなりコストが抑えられる結果になります。
単元未満株の買い方は?
日本株を購入する場合、原則は単元(100株)ごとに購入することになりますが、単元未満株の取引をすれば1株から購入することが可能です。
単元未満株は証券会社ごとに呼び方が異なります。
SBI証券、ネオモバ:S株
マネックス証券:ワン株
LINE証券:いちかぶ
auカブコム:プチ株
※楽天証券は単元未満株の取扱なし
ここで登場するのが、LINE証券やSBIネオモバイル証券(ネオモバ)などのスマホに特化した証券会社です。スマホに特化した証券会社は単元未満株に力をいれていることも多く、Twitterなどをみてもかなり利用者が多そうです。
購入は通常の現物株と同じ流れで単元未満株の取引を選ぶ場合や、単元未満株専用の取引画面がある場合など証券会社によって異なります。
単元未満株の取引は、約定タイミングなどが通常の日本株の取引とは異なるので注意してください。詳細は各証券会社の説明を確認してください。例としてSBI証券の場合は以下のようになっています。

出典:SBI証券
IPO株、未公開株の買い方は?
IPOは企業が新たに上場し株式を公開することです。IPO株は通常の株式のようにすべての証券会社で購入できるわけではなく、募集・売り出しする有価証券の引受・販売等を行う幹事証券会社で購入可能です。特に主幹事の証券会社は割り当て数が多くなります。
証券会社 | 2021年IPO取扱数 |
---|---|
SBI証券 | 122件 |
楽天証券 | 74件 |
マネックス証券 | 65社 |
IPOの抽選方法は証券会社によって異なります。完全に公平な抽選のパターンや、過去にIPOの申込をしているほど(非当選ほど)有利になる場合などもあります。
IPO株に申し込む場合は、各証券会社のブックビルディング(需要申告)に申し込んだのち、抽選に当選したら購入できます。
未公開株は基本的に証券会社での購入はできません。未公開株を購入したい場合の1つの方法として、株式投資型クラウドファンディングを利用するというものがあります。
株式投資型クラウドファンディングでは「FUNDINNO」や「イークラウド」といった業者が有名です。一概にはいえませんが、投資額は約10万円程度からとなるので、少額でも投資可能というわけではありません。
ただし、エンジェル税制を利用することで、税制的な優遇措置を受けられる場合もあります。
おすすめの証券会社は?
まず、最低1つは大手のネット証券の口座を持っておくのがおすすめです。この記事でも紹介しているSBI証券や楽天証券、マネックス証券といった証券会社から選ぶのがよいでしょう。
証券口座は無料で口座開設、維持できますので、複数証券持っておくのもよい手段です。例えば楽天証券であれば日経テレコン楽天証券版(日経新聞や日経産業新聞などが読めるサービス)、マネックス証券であれば銘柄スカウター(スクリーニング・分析ツール)などは口座を保有していれば利用できるサービスです。
特にサービスにこだわりがなければ、いくつか証券口座を作ってみて使いやすい証券会社を選んでもよいでしょう。
メインで取引に利用する証券会社と別に、特定のサービスに特化した証券会社を利用している投資家の方も多いです。単元未満株であればSBIネオモバイル証券やLINE証券、日本株であればSTREAMを利用するといった具合です。
例えばマネックス証券は手数料体系的に日本株に弱い(定額コースで0円がないため)のですが、日本株はSTREAMで取引すれば取引手数料は0円になり、外国株や投資信託、NISAなどはマネックス証券で対応するといった使い方はおすすめできます。
どうやって銘柄を選べばいいの?分析の方法は?
銘柄を選ぶには証券会社で提供していたり、無料で利用できるスクリーニング・分析ツールを利用すると便利です。
おすすめのツールは、証券会社が提供するツールであればマネックス証券の「銘柄スカウター」、無料で利用できるツールであれば「バフェット・コード」がおすすめです。
特に株価の値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うのであれば、業績のチェックは必ず行いましょう。分析ポイントの詳細を説明するのはここだけでは難しいですが、最低限以下のようなポイントはチェックしておきましょう。
- 売上高、営業利益が伸びているか
- 直近1年程度の株価がどのような動きをしているか
- PERやPBRが高すぎないか(割安性のチェック)
- 自己資本比率が低すぎないか(安全性のチェック)
- ROEやROAが低すぎないか(収益性のチェック)
- EPS成長率はどの程度か(成長性のチェック)
- 営業キャッシュフローやフリーキャッシュフローがマイナスでないか
妥当な数字を判断するのはある程度経験が必要になりますが、これくらいのポイントであれば、上で紹介したスクリーニング・分析ツールを使えば2~3分でチェック可能です。また、これらの条件でスクリーニングすることもできます。
これだけでも買ってはいけない銘柄をかなりの割合で見抜くことができます。
まずは日本株の取引をしてみると新たな発見があります
この記事では、日本株の基本的な知識から銘柄の選び方、具体的な証券会社での株の購入方法などについて紹介しました。
いろいろと説明しましたが、まずは日本株の取引を実際にしてみるというのが理解が早くなる方法です。取引する証券口座も1つに絞れなければ、複数証券会社の口座を開設して試してみるのがよいでしょう。
一度株の取引を試せば、新しい発見や知りたいことが出てくると思います。今度はその疑問をまた調べていけば投資のレベルもアップしていくはずです。
一点注意するとすれば、だれかがおすすめしたものを鵜呑みにして自分で考えずに取引することはやめましょう。これは情報元がSNSでも知人でも同じです。自分で分析したり今後を予想したりするからこそ投資の力がついてきます。
これから投資を始めようとしている人は、投資信託などのインデックス投資だけでなく、日本の個別株にもぜひチャレンジしてください。