投資ブームや日本経済の不調が予測される昨今において、FXなどの金融取引に対して興味をもち始めた人も多いはずです。
とはいえ、今まで関わりがなかった金融の世界は素人にとってハードルが高いもの。「興味があるのに手を出せない」「失敗が怖くて今まで始められなかった」というように躊躇するのも仕方のないことでしょう。
そこで、今回は、意外と簡単なFXの始め方・やり方について、投資初心者に向けて基本知識からステップごとに解説します。あわせて、初心者が陥りがちな失敗やFXの危険性及びその対処法も紹介するので、これからのFX生活にお役立てください。
なお、FX初心者に向けた投資のコツについては「FX初心者が失敗しないための口座選びの方法は?おすすめ13社を紹介!」でも解説しています。「FX業者選びが面倒だ」というFX初心者向けにおすすめ証券会社もピックアップしているので、こちらもあわせてご参照ください。
FX取引を始める流れ・やり方
初心者にとって、FXを始めるのはハードルが高いものです。
まずは次の7つのステップにしたがって、FX取引を始めてみましょう。
- FX取引をする証券会社を選ぶ
- 証券会社に口座開設申し込みをする
- 証券会社の口座に入金する
- 取引する通貨ペアを決める
- 新規発注する
- ポジション保有する
- 決済注文する
STEP1:FXを始める会社を選ぶ
FX取引を始めるファーストステップは証券会社選びです。
FXは証券口座がなければ利用できないサービスなので、数多くある証券会社から自分の投資スタイルに適した業者を選び出す必要があります。
もちろん、「どこの証券会社を選んでも問題ない」というわけではありません。以下の証券会社選びのポイント9つを参考に、ご自身のパートナーをご選択ください。
- 少額取引は可能か(取引単位1,000通貨~)
- 初心者向けコンテンツが充実しているか
- 取引手数料やスプレッド値
- スワップポイントの高さ
- 約定率
- 取引ツールの種類(専用スマホアプリの有無や性能)
- キャンペーンの実施状況
- 取扱い商品の種類・銘柄数
- コールセンターなど緊急時の問い合わせ先が用意されているか
なお、「FXを始めたいけれど初心者だから証券会社の選び方が分からない」とお困りの方は「FXの口座開設の方法まとめ!初心者向けおすすめFX会社比較ランキング5社を紹介」をご参照ください。初心者におすすめの証券会社を紹介しています。
STEP2:FX会社で口座を開設する
証券会社の目星がついたら、実際に口座開設を申し込みましょう。
現在、ほとんどの証券会社が次のような流れで、スマホ・パソコンのみで申込み手続きを完了できます。
- メールアドレスの登録
- 口座申込みフォームに必要事項を入力
- 本人確認書類・マイナンバー・顔写真データなどをアップロードして本人認証(コピーを郵送も可)
- 口座開設審査
- 本人コードの受け取りで口座開設完了
- 取引システムのマイページにログイン
FXを始めるために口座を開設するときには、必要書類や審査内容への配慮など、注意するべきポイントが少なくありません。
場合によっては、証券会社に口座開設申込みをしたのに審査落ちになってしまったということもあるでしょう。
とはいえ、クレジットカードの審査落ちのようなケースとは異なり、証券会社の口座開設審査に落ちても信用情報にキズが付くことはありません。
ですから、ある証券会社の審査に落ちたとしても気後れする必要はないので、別の証券会社に再度口座開設申込みをしてください。
複数の証券会社と契約するメリットについては「知らないと損!FXの口座を複数持つとお得な理由とメリット・デメリット」をご確認ください。
STEP3:開設したFX口座に資金を入金する
個人用口座の開設に成功したらいよいよ取引のスタートです。
まずは、FX取引の原資となる「保証金」を口座に入金しましょう。
証券会社によってやり方は異なりますが、基本的には次の2種類の入金方法が用意されています。
- 提携金融機関から24時間365日いつでも無料で即日振り込み処理できるネットサービス
- 銀行振込入金サービス(振込手数料負担はユーザー側)
FXなどの金融取引をする場合、緊急的に資金が必要になることも少なくありません。
ですから、24時間365日いつでも資金繰りに対応できるように、現在所有している金融機関口座と提携している証券会社を選ぶのがおすすめです。
STEP4:取引する通貨ペアを決める
FXを始めるには、実際に取引する通貨ペアを決める必要があります。
取引通貨ペアとは、実際の取引で売買する通貨のセット・組み合わせのことです。「米ドル/円」「ユーロ/円」というように表記します(/の左側を「基軸通貨」、/の右側を「決済通貨」と呼ぶのが一般的です)。
たとえば、「米ドル/円を買う」というケースなら、「日本円を売って米ドルを買う(米ドルを買うために日本円を売る、日本円を米ドルに換える)」ということを意味します。
そもそも、FX取引とは、ある国の通貨を別の国の通貨に換えて(売買して)利益を出す金融取引手法のことです。
したがって、取引対象の通貨ペアの選択がFX取引の運命を分けるといっても過言ではないでしょう。
なお、取引画面では、各通貨の名称がアルファベット3文字の略称で記載されるのがほとんどです。以下に代表的な通貨名・略称名を記載していますので、適宜ご参照ください。
アメリカ・ドル | USD | オーストラリア・ドル | AUD | カナダ・ドル | CAD |
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香港・ドル | HKD | 日本・円 | JPY | 韓国・ウォン | KRW |
欧州連合(EU)ユーロ | EUR | イギリス・ポンド | GBP | ブラジル・レアル | BRL |
中国・人民元 | CNY | ニュージーランド・ドル | NZD | スイス・フラン | CHF |
南アフリカ・ランド | ZAR | トルコ・リラ | TRY | ノルウェー・クローネ | NOK |
なお、おすすめの通貨ペアについては「FXの通貨ペアはどれがおすすめ?通貨ペアの選び方や特徴・難易度を解説」でも詳しく解説しています。証券会社選びや取引通貨ペアを決める際にお役立てください。
初心者向けFX取引通貨ペアの選び方
外国為替の知識がまったくないFX初心者にとって、取引通貨ペアを決めるのは簡単ではないでしょう。
そこで、FX初心者が通貨ペアを決めるときには、マイナー通貨ではなくメジャー通貨を選ぶのがおすすめです。その理由は次の3点です。
- 取引コスト・スプレッドが安い
- 取引相場が比較的安定している
- 為替相場を左右する情報をタイムリーに入手しやすい
FXを始めるときに最優先に考えるべきことは、「いきなり大きな利益を出すこと」ではなく、「“習うより慣れよ”の精神でリスクの少ない状況でFX取引手法を身に付けること」です。
つまり、マイナー通貨を選択してしまうと、相場の急落リスクがあるだけではなく、「相場が変動する理由・情報さえ分からない」ということになりかねないので、中長期的にFXに習熟するうえではデメリットしかありません。
ですから、これからFXを始める人は、「米ドル/円 (USD/JPY)」「ユーロ/米ドル (EUR/USD)」「イギリス・ポンド/円(GBP/JPY)」のようなメジャー通貨同士を通貨ペアに設定するのが適切でしょう。
STEP5:新規注文する
入金処理が済んで通貨ペアが決まったら、実際に新規注文を発注する段階です。
ただし、FXにおける新規注文方式にはかなりの種類があります。
そこで、FXを始める初心者は、次の7つの発注方法を理解してわかりやすいものを選ぶのがおすすめです。
- 成行注文
- 成行注文とは、現在の為替レートで約定させる注文方法のこと。約定までのタイムラグがほとんど生じないので初心者におすすめ。
- 指値注文
- 指値注文とは、現在よりも有利なレートを指定して発注する注文方法のこと。「〇〇円になったら売り注文(買い注文)を出す」と事前に設定し、指定レートになった段階で自動で発注される。
- 逆指値注文(ストップ注文)
- 逆指値注文とは、現在よりも不利なレートを指定して発注する注文方法のこと。損切りのタイミングを事前指定できる点で重要な役割を担う。
- IFD(イフダン)注文
- IFD注文とは、新規注文と決済注文・逆指値注文を同じタイミングで発注する注文方法のこと。新規発注の段階で、決済もしくは損切り注文を出せる点で大幅に取引の手間を省略可能。ただし、新規発注が約定されなければすべて無効になる点、新規発注段階である程度の値動き予想を立てる必要がある点で初心者には難易度が高い。
- OCO(オーシーオー)注文
- OCO注文とは、両立し得ない2つの注文を同時に発注し、一方の注文が約定した段階で他方の注文が自動キャンセルになる注文方法のこと。たとえば、現在レートが1ドル140円のとき、「1ドル139円まで下落したら買い注文」「1ドル141円まで上昇したら売り注文」と設定。実際レートが1ドル139円に下落した段階で前者の注文が約定し、後者の注文がキャンセル扱いになる。
- IFO(アイエフオー)注文
- IFO注文とは、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法のこと。新規注文・決済注文・損切り注文をすべて同時に行える。
- トレール(トレーリングストップ)注文
- トレール注文とは、損切り幅を一定に保ちながら相場値動きに合わせてスライドする注文方法のこと。リスクヘッジしながら自動的に利益を生みだしたい人におすすめ。
これからFXを始める人が押さえておくべき注文方法は、成行注文・指値注文・逆指値注文の3種類です。最初は、チャートを見ながらリアルタイムで新規注文から決済までを経験して、FXのやり方を学びましょう。
なお、FXの注文方法については「FX取引の注文方法を初心者向けに解説!初心者向け7種類をわかりやすく紹介」で詳しく解説しています。実際に注文を出す前にかならずご確認ください。
STEP6:ポジション(持ち高)保有する
新規注文をすると、「通貨を買っている状態」「通貨を売っている状態」になります。この状態のことを、それぞれ「買いポジション」「売りポジション」と呼びます。
買いポジション(ロングポジション)とは、新規注文で外貨を購入した後、売り注文で決済するまでの間の状態のことです。値上がりをすれば利益が出ますし、値下がりすれば損失が生じることになります。
売りポジション(ショートポジション)とは、新規注文で外貨を売った後(空売り)、買い戻すために決済注文を出すまでの間のことです。値下がりをすれば利益が出ますし、値上がりをすれば損失が生じます。
実は、FX初心者の方がはじめに躓きやすいポイントが「売りポジション」と言われるもので、FXには「将来的に買い戻す約束で、今の段階で”保有していない外貨”を売ることができる」という特徴があります。
FX取引に慣れるまでは基本的に「買いポジションを作って利益を出す」作業に徹するのがおすすめですが、少し慣れてきたタイミングで、将来的なチャートの下落が予想される場面などで積極的に売りポジションを作って利益を出す練習もしていきましょう。
なお、FXにおける空売りについては「FXの空売りとは?メリットとデメリット・空売りのタイミングを解説」をご参照ください。
STEP7:決済注文する
FXで損益を確定させるためには「決済注文」が必要です。
買いポジションを保有しているのなら「売り注文」が、売りポジションを保有しているなら「買い注文」が、それぞれ決済注文に該当します。
ここで注意を要するのが、FXは常に利益が出るものではないという点です。つまり、現段階以上に損失幅が広がるのを防ぐために、すでに損失が出ている状態でも決済注文を出さなければいけない場面が生じます(これを「損切り」と呼びます)。
FXを始めたばかりの人のなかには、「マイナス収支の段階で決済注文を出す勇気が出ない」という人が少なくありません。
ですが、優柔不断や一時の躊躇が更なる損失を生みだす可能性もあるため、中長期的にFX取引で利益を上げるためには事前に損切りラインを設定してそれを遵守する冷静さが重要です(この意味でも、ストップ注文・IFD注文などが効果的だと考えられます)。
FXを始める前に理解しておくべき注意点5つ
資金運用・副業などへの関心が高まるなかでFXに注目する人が増えていますが、好奇心だけでFXに手を出すと想像以上の損失を被るおそれがあることを見逃してはいけません。
そこで、FX取引を始める前に理解しておくべきポイントを5点紹介します。以下の内容を充分理解したうえで、万全の状態でFXを始めましょう。
- FXの仕組み
- FXのメリット・デメリット
- FXに必要な基本知識・専門用語
- 少額取引・低額レバレッジからスタートする意義
- 相場分析手法
1:FXの仕組みを理解する
FXとは、Foreign exchangeの略で、外国為替取引・外国為替証拠金取引のことです。
証拠金・保証金と呼ばれる担保を証券会社に提供して差金決済による通貨売買をする点に特徴があります。
FXで利益を出すときの基本的な考え方にあるのは、「安く買って高く売る(=高く売って安くで買い戻す)」という発想です。
外国為替レートはさまざまな事情を反映して常に上下変動を繰り返すため、いかに利益を出せるタイミングで注文を発注できるかがポイントになります。
2:FXのメリット・デメリットを理解する
FXを始めるときには、メリットばかりではなくデメリットも理解するのが重要です。
FXのメリット・デメリットは次の通りです。
FXのメリット | ・レバレッジを利用すれば少額投資で高額の利益を期待できる ・平日24時間ほとんど取引できる(株式投資は平日9時~15時まで) ・上昇場面と下降場面の両方で利益を狙える ・取引コスト(スプレッド)が安い ・証券会社によってはかなり少額から取引できる ・スワップポイントで毎日利益を狙える |
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FXのデメリット | ・相場の急変動により短時間で多額の損失を被るおそれがある ・預け入れ金額以上の損失を受けるリスクがある(自己破産でも免責されないので一生負債を負いかねない) ・為替レートを左右する情報を収集するのが大変、難しい ・寝ている間に損をする可能性がある |
FXのデメリットばかりを強調すると「FXはやめた方がよい」という判断になるでしょうが、FXは自制心との闘いです。
根拠なく高額利益を狙うには相応のリスクを負担しなければいけませんが、堅実さを忘れなければリスクを相当軽減しながらコツコツ収益を上げることは不可能ではないでしょう。
3:FXの基礎知識・専門用語を理解する
FXを始める人が最初の段階でぶつかるのが専門用語の多さです。
勉強すればするほど新しい用語に触れるかと思いますが、まずはFX初心者がかならず知っておくべき基礎知識・専門用語を整理しておきましょう。
スプレッド | スプレッドとは、証券会社が提示している「通貨の買値(ASK)と売値(BID)の差」のこと。FXにおける実質的な取引コストに該当するため、スプレッドが狭いほど取引1回当たりの費用が少なくなることを意味する。 |
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スワップポイント | スワップポイントとは、2つの通貨の金利の差額のこと。2国間の金利差調整機能を有するので、低金利通貨を売却して高金利通貨を購入すればスワップポイントを受け取れる。 |
レバレッジ | レバレッジとは、資金(保証金)以上の取引を可能とする倍率システムのこと。最大で25倍のレバレッジまで認められる。ハイレバは少額投資で高額利益のチャンスを得られるが、その反面、一瞬で高額の負債を背負うことにもなりかねない。 |
ロスカット | ロスカットとは、一定水準まで証拠金が減った場合に自動的に保有ポジションを反対売買で決済するシステムのこと。これにより損失拡大を未然に防げるものの、強制的に取引から締め出されるので、常に証拠金維持率をチェックしておこう。 |
pips | pips(ピップス)とは、percentage in pointの略のことで、通貨の共通単位を意味する。異なる通貨ペアでも共通単位で変動幅を理解できる点がメリット。 |
通貨単位 | 通貨単位とは、FXで取引可能な通貨の単位のこと。FX初心者は少額の通貨単位を設定しているFX業者を選ぶのがおすすめ。 |
スリッページ | スリッページとは、注文価格と約定価格のズレのこと。為替レートは常に変動しているので、注文時と約定時の数秒間のタイムラグでも意図しない価格で注文が成立するおそれがある。証券会社によっては、スリッページの許容幅を事前に設定し、この範囲を超える注文を自動的にキャンセルできるシステムが整っている。 |
ロールオーバー | ロールオーバーとは、未決済のポジションを翌営業日に持ち越すこと。反対売買による決済注文を出すまではロールオーバーが継続する。スワップポイント付与を狙うタイミングで実施するもの。 |
4:FXは少額取引・低レバレッジからスタートする
FXを始めるなら、かならず少額取引・低レバレッジで取引をスタートしましょう。
なぜなら、何の知識もない状態で高額取引やハイレバレッジを設定することはギャンブルでしかないからです。
後述するように、FX初心者にとって大切なことは、短期間で高額利益を上げることではなく、中長期的に利益を出せるようなノウハウ・経験を積むことです。
少額取引・低レバレッジで利益を上げられることを誇りに思って、自分なりの取引手法を確立しましょう。
なお、レバレッジの意義やリスクについては「レバレッジとは?その効果とリスク・取引に向いている人や向いていない人を解説」で、少額取引の可否については「FXは少額で始められる?初心者が1,000通貨から取引できるFX口座3社を解説!」で、それぞれ詳しく解説しています。あわせてご一読ください。
5:運任せではなく相場分析手法について勉強する
FXを始めたばかりでいくらか利益を上げられた人が陥りがちな罠が「自分には投資の才能がある」「自分の勘は冴えている」という驕りです。このような勘違いが投資額の増加と高額損失をもたらすケースは後を絶ちません。
継続的にFX取引と付き合っていくためには、運任せではなく相場分析手法について積極的に学ぶ姿勢が重要です。
現在、多くのトレーダーがオリジナルの相場分析手法を発表したり、投資方法についての書籍が発売されたりしていますが、基本的には以下2つの分析手法が主流となっています。
テクニカル分析 | テクニカル分析とは、過去のチャート推移を分析して将来動向を予測する分析方法のこと。移動平均線や各種テクニカル指標などが取り入れられるが、過去チャートの分析手法が人によって異なるため絶対視するのは危険。 |
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ファンダメンタルズ分析 | ファンダメンタルズ分析とは、経済状況・金融政策・要人の発言・各国の政局などの流動的な情報を将来予測に盛り込む分析方法のこと。いわゆる相場観が左右する分析方法なので、初心者にはおすすめできない。 |
ここから、相場分析手法の前提には、「分析を有効なものにするだけの情報量を得ていること」があることが分かります。
したがって、FX取引を始まるなら、FX業界の専門知識などについて理解を深めるのは当然のこと、世界各国の情勢や政治状況などについても常にセンサーをめぐらすのがおすすめです。可能であれば、海外ニュースサイトなどにも目を通す習慣を身に付けましょう。
FXを始める人によくある疑問をQ&A形式で紹介
さいごに、今からFXを始めようとしている投資初心者の方から寄せられる質問をQ&A形式で紹介します。
- FXを始めるときの必要書類は何ですか?
- FXは学生でも始められますか?
- FXで1日5,000円稼ぐのは簡単ですか?
- FXはやめとけと言われる理由は何ですか?
- FXで利益が出たら確定申告は必要ですか?
- 初心者におすすめのFX取引手法はありますか?
- FXで失敗しないコツは何ですか?
FXを始めるときに必要なものは何ですか?
FXを始めるには証券会社で取引用口座を用意する必要がありますが、そのためには次の必要書類を準備しなければいけません。
本人確認書類 | ・運転免許証 ・各種健康保険証又は共済組合員証 ・パスポート ・各種福祉手帳(顔写真付き) ・年金手帳 ・特別永住者証明書 ・在留カード ・印鑑登録証明書 ・住民票の写し又は住民票記載事項証明書 ・その他官公庁から発行・発給された本人確認書類 など |
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マイナンバー | ・個人番号カード(マイナンバーカード) ・マイナンバー通知カード ・マイナンバー付住民票 ・マイナンバー付住民票記載事項証明書 |
なお、学生がFX口座を開設するときは、学生証は本人確認書類として認められないことが多いです。
また、保護者などの同意書などを別途要求されるケースもあるので、詳しくは口座開設をご検討中の証券会社まで直接お問い合わせください。
FXは学生でも始められますか?
FXには資格制限・職業制限がありません。つまり、学生・専業主婦・無職・会社員など、誰でもFXを始められるということです。
ただし、FXを始めるには証券会社で口座開設の手続きを要する点に注意しなければいけません。というのも、証券会社はすべての申込者に対して口座開設時の審査を実施しており、一般的な収入を見込める会社員などと比べると、学生の場合は審査落ちで口座開設自体ができないリスクが高いからです。
なお、大学生がFXを始めるときのポイントについては「大学生でもFX口座は作れる?大学生がFXトレーダーになるメリット・始め方・失敗しない方法を解説!」をご参考ください。
学生のFX口座開設を妨げる3つの事情
学生がFX口座を開設するときのハードルになりやすい審査項目として、次のようなものが挙げられます(なお、審査基準は証券会社ごとに異なるため、あくまでも参考程度とご理解ください)。
- 年齢
- 収入・就労先・雇用形態
- 個人資産
まず、2022年の民法改正で成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。その結果、18歳以上の高校生でも口座開設可能とする証券会社が増えています。
これを言い換えれば、18歳未満の中学生や高校生は口座開設条件を満たさないため、そもそもFXを始めることはできないということです。なお、18歳以上20歳未満の高校生や大学生が口座開設を申し込む場合でも、親などの代理人の同意書の提出が求められることもあります。
また、証券会社によって扱いは異なりますが、申込者の年収額・収入の安定性・個人資産額が総合的にチェックされることも多いです。高校生や大学生の場合、どうしても「アルバイトや非正規雇用の形態で毎月不安定な低額収入しか期待できない」と判断される傾向が強いので、収入要件が厳格な証券会社の口座開設は難しいでしょう。
学生がFX口座を開設するときのポイント4つ
以上のことを踏まえると、学生が証券会社の口座開設をしてFXを始めるには、次のポイントを意識して証券会社選びをするのがおすすめです。
- 18歳以上から口座開設できる業者
- 数千円単位の少額から取引できる業者
- 資産総額や収入面での条件が厳しく設定されていない業者
- 「学生の口座開設歓迎」などの広告をうっている業者
近年の投資ブームでFXに興味をもつ学生も増えているかと思いますが、「口座開設時に審査が課されるほどリスクがある取引だ」というFXの負の側面も充分理解したうえで、しっかりと知識を蓄えてから取引をスタートしましょう。
なお、FX口座開設時の審査クリアのポイントについては「知らないと損!FX口座開設の審査のポイントや落ちた時の対処法を解説」をご参照ください。また、FXを始める学生が親の扶養に入っている場合には扶養控除制度の妨げになるリスクがあるので「こちら」も確認しておきましょう。
FXで1日5,000円稼ぐことは可能ですか?
FXで1日5,000円稼ぐことは可能です。実際、FXで生計を立てている人のなかには、毎日さらに高額の利益を出しているケースも少なくありません。
ただし、適当に売り買いを繰り返しているだけでは利益の確度を高めるのは難しいです。1日5,000円ずつFXで利益を出したいのなら、次のようなポイントを意識しながら自分に合った投資スタイルを探りましょう。
- スキャルピングでpips変動に細やかに対応する
- ある程度の資金を用意してデイトレードで売り買いを実施する
- スイングトレードで「1カ月15万円」を目指す
- 長期トレードでまとまった収益が出るまで我慢する
FXに必勝法はありません。また、用意できる資金や損切りライン次第で投資に対する積極性も変わってきます。
大切なのは、FX取引を繰り返しながら自分なりのノウハウ・スキルを培うことです。単純に利益目標を数値化するのではなく、1回1回の取引ごとに相場動向の判断・反省を繰り返し、収益を上げやすいタイミングへのセンサーを磨くように心がけましょう。
「FXはやめとけ」と言われる理由は?怪しいから?
FXについてネット検索をすると、「FXはやめとけ」「FXは怪しい」というコンテンツに多く触れるはずです。
まず、FXは「金融サービスの提供に関する法律(金融商品販売法)」に基づく合法的な金融取引なので、「FXは怪しい、違法だ」という主張は的外れです。
次に、「FXはやめとけ」と言われる点については、FXに向いている人・FXに向いていない人を見極めるポイントになります。というのも、FX取引には次のような性質があるので、利益を出すためにはユーザーの適性が問われるからです。
FXはやめとけと言われる理由 | 対策 |
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100%勝てるわけではない | ゼロサムゲームはFXの本質。だからこそ勝率を高めるためにノウハウ・経験を蓄積するのが重要。 |
元本保証なしでギャンブル的側面がある | デモトレードでの訓練・少額投資・レバレッジを低く設定するなど、ギャンブル要素を自主的に排除してリスクを軽減することは可能。 |
24時間365日チャートに拘束される | FXにのめり込み過ぎると精神的な負担が重くなるが、上手に付き合えば副業・趣味としての位置付けになる。 |
高額損失や強制ロスカットのリスクがある | ハイレバレッジ最大25倍に設定すれば大損するリスクはあるが、低レバレッジ1倍・2倍にも設定できるのでリスクヘッジは可能。 |
継続するのが大変で大半の人がすぐに辞める | FXは勉強と継続が必要な投資。短期決戦で勝負するのはハイリスクなので、堅実さがない人は適性なしと判断しよう。 |
つまり、「一発勝負で大勝したい」「生活資金や借金で大金獲得を目指したい」という人は、FXの負の側面で大損害を被る可能性が高いので、FX取引には向いていないと考えられます。
これに対して、「自制心をもってリスクを軽減しながら少額投資・少額利益で満足できる」という人は、FXと上手に付き合いながら投資生活を送りやすいといえるでしょう。
したがって、「FXは怪しい」「FXはやめたほうがよい」かどうかはユーザーであるあなた次第ということです。日本円の価値に疑義が呈される現状において投資で将来に備えたいのなら、真摯にコツコツとFX取引に向き合ってください。
なお、FXのギャンブル問題については「【結論】FXはギャンブルではない!FXを投資として成功させるためのポイント4つ」をご参照ください。
FXの利益に納税義務は発生しますか?
FX取引で利益が出た場合には納税義務が発生します。
雑所得として申告分離課税の対象です。税率は、所得税・住民税・復興特別所得税を合計して一律で20.315%となります。
ただし、FXユーザーの状況次第で税制上の注意点が異なるため、以下をご参照ください。
FX以外に給与所得がある | 会社員のようなFX以外で給与所得がある人の場合、FXの利益が年間20万円を超えると課税対象になる。 |
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FX以外に収入がない | 雑所得が年間48万円を超えると課税対象になる。 |
他の金融商品取引と損益合算したい | 金融商品取引で損失が発生した場合、3年間損失の繰越控除が認められている。ただし、かならず確定申告が必要。なお、株式取引による利益は譲渡所得・配当所得に該当するため損失繰越控除の対象外。 |
扶養に入っている | FXの所得とパート・アルバイトなどの所得の合算が103万円を超えると確定申告が必要になる。 |
FXを始める人におすすめの取引はありますか?
FXに「おすすめの取引方法」は存在しません。なぜなら、取引の性質上100%勝ちが確約されるものではありませんし、ユーザーごとに相性の良い取引手法は異なるからです。
ですから、これからFXを始める人がまずやるべきことは次の4点だと考えられます。
- FXの負の側面を理解する
- FX関連の最低限の知識を身に付ける
- デモトレードなどで実際の取引イメージを把握する
- 焦らずに少額・低レバレッジで売り買いをスタートする
SNSなどでは、「FXで年収〇〇万円達成」「たった数カ月で億り人」などの情報が拡散されていますが、このような成功を掴める人はたった一握りです。場合によっては、情報商材などを売り込むための詐欺である可能性も否定できません。
したがって、「自分の身の丈に合った範囲で謙虚な姿勢を忘れないこと」「長期的な視点で投資スキルを磨く姿勢」がすべてのFXユーザーに共通するおすすめの考え方です。
なお、FX初心者にありがちな失敗例については「FX初心者がやりがちな失敗例5つとその対処法!みんなの失敗談も紹介」をご一読ください。
FXで失敗しないコツはありますか?
FXで失敗しないコツとは、「自分にとって何が失敗か」を明確化して適切な予防策を取ることです。
たとえば、「ロスカット」が失敗であるなら、取引額を少額にしたり、レバレッジを低く設定したりする手法が適切でしょう。
「投資で大勝ちしたい」「FXで大負けするのは嫌だ」というように、自分の希望や不安が具体化できていないうちは、安易にFXに手を出すのは危険です。
「いつまでにどれぐらい利益を出したいのか」「一定期間中いくらまでの損失なら甘受できるのか」をできるだけ具体化すれば、それに対する道筋が自然と見えてくるはず。そして、その道筋が手の届く範囲のものなら実践するだけですし、理想論に過ぎないなら臨機応変にプランを修正すれば良いだけです。
したがって、FXで失敗しないコツとは「現実路線で地に足着けた投資スタイルを維持すること」だといえるでしょう。
FXの成功例・失敗例を参考にしたい方は「FXは儲かる?儲からない?データで分かった勝つ確率と儲かる人の特徴」をご確認ください。
FXの鍵は知識と経験量!興味があるなら少額からスタートしてみよう
FXは知識と経験量がものを言います。手を出すことに抵抗感を抱く人も少なくはないでしょうが、少額でもスタートできるので、初心者は取引経験を積みながら相場観を掴むのがおすすめです。
特に、昨今の円安トレンドや投資ブームを背景にすると、今の世情においてFXを始めて外国為替を保有することのデメリットは少ないはず。実践を重ねながら自分なりのノウハウを積極的に習得しましょう。