SBI証券と楽天証券どちらがおすすめ?それぞれの特徴を解説します

SBI証券と楽天証券どちらがおすすめ?それぞれの特徴を解説します 株の基礎知識

SBI証券楽天証券はネット証券の中でも大手の証券会社です。この記事を見ている方にはSBI証券と楽天証券のどちらの証券口座を開設したほうがよいか悩んでいる方もいるかもしれません。

SBI証券も楽天証券も取扱商品に大きな差はありませんが、何を重視するか、現在楽天経済圏を利用しているかといったことでどちらの証券会社が有効か変わってきます。

とはいえ、どちらか一方だけを選ばなくてはいけないということではありません。結論としてはどちらの証券会社の口座も保有しておいて、うまく使い分けることが重要です。

この記事では、どういった場合にどちらの証券会社が適しているかを解説していくので、SBI証券と楽天証券の特徴が知りたい方は是非最後までご覧ください。

取扱商品の比較

SBI証券と楽天証券の取扱商品を比較してみます。

取扱商品 SBI証券 楽天証券
国内株式 現物
信用
ETF・ETN 298本 358本
PTS
IPO(2021年実績) 122本 74本
単元未満株 S株 取扱なし
外国株 米国株 6,000銘柄以上 4,500銘柄以上
外国株 9カ国 6カ国
投資信託 投資信託  2,658本 2,650本
外貨建てMMF 6銘柄 4銘柄
MRF ×
NISA 一般NISA
つみたてNISA 183本 182本
iDeCo
債券 国内債券
国外債券
先物取引
CFD取引
金・銀・プラチナ
FX 28通貨ペア 28通貨ペア
提携銀行 住信SBIネット銀行 楽天銀行

※2022年8月19日現在

投資初心者の方にも関係する大きな違いは単店未満株の取扱有無です。SBI証券ではS株の名称で取引できますが、楽天証券では取り扱いがありません(買取請求のみ可能)。

他には、SBI証券のみ取り扱っている外国株もあります(2022年8月現在では韓国、ロシア、ベトナム株)。また、米国株もSBI証券のほうが取扱が多く、投資しやすいです。

ただし、アジア株(中国株は除く)の最低手数料は楽天証券のほうが低いため、アジア株に投資したい場合は楽天証券のほうが適しています。詳細は後ほど解説します。

積立投資で細かい指定がしたければSBI証券

積立投資の指定が細かくできるのはSBI証券です。とくに「毎週」や「複数日」といった指定はSBI証券でしかできません。

SBI証券では「毎日」「毎週」「毎月」「複数日」「隔月」から選択できます。

毎週の場合、曜日を選択します。複数日の場合、1日、30日、31日以外から複数日を選択します(下図)。隔月の場合、偶数月か奇数月どちらを選択し、そのうち1日を指定可能です。

SBI証券管理画面

出典:SBI証券

楽天証券の場合、「毎月」(引き落とし口座により指定可能日が変わります)が設定可能です。つみたてNISAの場合「毎日」の指定も可能です。

米国株ならSBI証券

米国株はSBI証券のほうが取扱銘柄数が多いためおすすめです。

手数料はどちらの証券会社も変わりませんが、買付手数料無料のETF銘柄が異なるなど若干違いがあるので、楽天証券で無料のETF銘柄を購入したければ楽天証券を選んでも問題ないでしょう。

手数料 0.495%
最低手数料 0ドル
上限手数料 22ドル

以下のETF商品は買付手数料が無料の銘柄です。(売却手数料はかかります)

ティッカー 商品 SBI証券 楽天証券
VT バンガード®・トータル・ワールド・ストックETF
VOO バンガード・S&P 500 ETF
VTI バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
SPY SPDR S&P 500 ETF
EPI ウィズダムツリー インド株収益ファンド
RWR SPDR ダウ・ジョーンズ REIT ETF
AIQ グローバルX AIビッグデータ ETF
FINX グローバルX フィンテックETF
GNOM グローバルX ゲノム&バイオテクノロジーETF
QQQ インベスコ QQQ トラスト シリーズ 1 ETF
SPYD SPDR ポートフォリオ S&P 500 高配当株式 ETF
AGG i シェアーズ コア 米国総合債券市場 ETF
VGT バンガード 米国情報技術セクター ETF
GLDM SPDR ゴールド ミニシェアーズ トラスト
IYR i シェアーズ 米国不動産 ETF

アジア株なら楽天証券

アジア株は楽天証券のほうが最低手数料が低くなるのでおすすめです。

楽天証券は最低手数料が日本円で550円ですが、SBI証券は現地通貨での最低手数料となります。為替レートによって金額は変わりますが、基本的に楽天証券の手数料を下回ることはありません。(例えばタイの837.1バーツは約3,200円 1バーツ=3.82円 2022年8月19日時点)

アジア株の最低手数料
投資国 SBI証券 楽天証券
タイ 837.1タイバーツ 550円
インドネシア 261,800インドネシアルピア 550円
シンガポール 30.8シンガポールドル 550円
マレーシア 83.6マレーシアリンギット 550円

※2022年8月19日時点

韓国、ロシア、ベトナム株ならSBI証券

韓国、ロシア、ベトナム株はSBI証券のみ取扱っているので、この国へ投資したければSBI証券を利用しましょう。

手数料が比較的高いため、投資をするのであれば注意しましょう。

韓国・ロシア・ベトナム株の取引手数料
投資国 取引手数料 最低手数料
韓国 0.99% 9,900韓国ウォン
ロシア 1.320% 550ロシアルーブル
ベトナム 2.2% 1,320,000ベトナムドン

※2022年8月19日時点

単元未満株ならSBI証券

単元未満株はSBI証券では「S株」と呼ばれています。楽天証券では取扱がありません。(楽天証券では買取請求のみ可能)

投資初心者の方で国内個別株を開始したい場合、単元未満株はおすすめです。国内株は通常100株を1つの単位(単元)として購入できますが、単元未満株では1株から購入可能なので、数百円から株式投資ができます。

SBI証券のS株は買付手数料が無料です。楽天証券での取り扱いがないので単元未満株の取引がしたい場合はSBI証券を利用しましょう。

IPOの取扱数ならSBI証券だが、併用するほうがよい

2021年のIPOの実績はSBI証券のほうが取扱数が多い(SBI証券は122本、楽天証券は74本)です。IPOの当選率を上げたいのであれば、SBI証券と楽天証券を併用するほうが当選確率は上がります。

SBI証券と楽天証券ではIPOの抽選方式が異なります。

楽天証券では完全平等抽選ですが、SBI証券は60%が平等抽選、30%がIPOチャレンジポイント、10%が取引実績による配分となります。
SBI証券の顧客配分基本方針
SBI証券のIPOチャレンジポイントというのは、抽選が外れた回数に応じてポイントが加算される仕組みです。IPOチャレンジポイントを利用するとIPO当選しやすくなるので、SBI証券はIPO申込すればするほど当選しやすくなります。
SBI証券のIPOチャレンジポイント

NISAならどちらも可

NISAを利用したい場合はどちらを利用しても大きな差はありません。メインで取引に利用している証券会社を利用するのがよいでしょう。

一部の銘柄は一方にしかないので、その銘柄に投資したければそちらの証券会社を利用しましょう。

例えばSBI証券のSBI・V・S&P500インデックス・ファンド (愛称:SBI・V・S&P500)など。ただし、S&P500連動の商品は他にもあるので、あまり気にする必要はありません。

サービスで比較

取扱商品以外のサービスでも比較してみます。取引以外でも利用できるサービスもあるので、証券口座自体はどちらの証券会社も保有しておくほうが便利です。

手数料ならSBI証券

手数料に大きな差はありませんが、国内現物の定額コースの手数料は100万円以上の約定代金になるとSBI証券のほうがお得です。

また、SBI証券では25歳以下の国内現物手数料が無料です。25歳以下で国内個別株の取引をしたい場合はSBI証券のほうがお得に取引できます。

定額コースの手数料
約定代金 SBI証券
(アクティブコース)
楽天証券
(いちにち定額コース)
100万円まで 0円 0円
200万円まで 1,238円 2,200円
300万円まで 1,691円 3,300円
以降100万円増加ごと +295円 +1,100円

ただし、約定代金が100万円以上になる場合、取引ごとの手数料コースのほうが得になる場合もあるので、約定代金と取引回数によってどちらの手数料コースを選ぶか検討しましょう。

取引ごとの手数料コースはSBI証券も楽天証券も変わりません。手数料コースの変更は各証券会社ともに営業日ごとに変更可能です。

外貨決済をしたいならSBI証券

米国株を外貨決済で取引したいならSBI証券がおすすめです。

米国株の外貨決済とは、米ドルを事前に準備しておいて、その米ドルで米国株を購入する方法です。(下の画像はSBI証券の米国株購入画面)

SBI証券管理画面

出典:SBI証券

円貨決済」の場合、1米ドルあたり25銭の為替コストが一般的です。「外貨決済」では為替コストを低くすることができることが多いです。
SBI証券で外貨決済がオススメな理由は、「住信SBIネット銀行」を利用することで外貨決済を1ドルあたり3銭とコストが低いためです。
住信SBIネット銀行の外貨積立では1ドルあたり3銭、外貨預金なら1ドルあたり6銭の為替コストになります。
また、住信SBIネット銀行の「外貨積立」、SBI証券への「米ドル定期自動入金」、「米国株定期買付」の仕組みを利用することで、米国株式の外貨決済を完全自動化できることもおすすめできる理由です。
2022/6/3から住信SBIネット銀行からSBI証券の「米ドル定期自動入金サービス」が開始されました。

楽天経済圏で生活しているなら楽天証券

楽天経済圏を利用しているなら楽天証券がおすすめです。

楽天証券を利用することで、SPU(スーパーポイントアップ)の条件をクリアすることができれば、楽天ポイント取得のベースを上げることができます。

もちろん楽天証券での取引でもポイントが貯まります。

投資信託の取引で0.5倍、米国株式の取引で0.5倍で、ポイントが最大+1.0倍になります。
楽天証券のSPU詳細についてはこちら

キャッシュレス決済が豊富なのは楽天証券

キャッシュレス決済の方法が豊富なのは楽天証券です。

楽天証券のキャッシュレス決済方法として、「楽天カードクレジットカード決済」以外にも「楽天キャッシュ」の利用が可能です。

クレジットカード決済での金額設定可能上限が50,000円/月、楽天キャッシュでの金額設定可能上限も50,000円/月なので、どちらも併用すると月ごとに10万円の金額が設定可能です。投資に回せる金額が大きく、楽天ポイントを効率よく貯めたいのであればうまく利用していきたい仕組みです。

楽天証券

出典:楽天証券

SBI証券では決済方法としてクレジットカードでのクレカ積立が可能です。対象クレジットカードは「三井住友カード」「タカシマヤカード」「東急カード」が対象です。

日経テレコンを利用するなら楽天証券

日経テレコンは「日経新聞」「日経産業新聞」「日経MJ(流通新聞)」が読めるサービスです。

このサービスは楽天証券の口座を保有していれば利用できるので、取引で利用していなくてもこれだけで楽天証券を保有するメリットがあります。

日経テレコン(楽天証券版)は、PCでMarketSpeed2の取引ツールから利用するのはもちろん、スマホからiSpeedのアプリを利用してみることも可能です。

日経新聞を定期購読しようとすれば数千円かかるので、非常にお得なサービスといえます。

アナリストレポートが見たければSBI証券

証券会社では各社のアナリストが各種レポートを提供しています。SBI証券では様々な種類のレポートが提供されており、かなり詳しい内容なのでこれをみるだけで投資戦略を立てる参考になります。

SBI証券では以下のようなレポートを読むことができます

  • 国内株式
  • 投資信託
  • 米国株
  • 中国株
  • 経済分析・投資戦略

取引ツールはどちらでもよい

取引ツールは、SBI証券は「Hyper SBI2」、楽天証券では「Market Speed2」(いずれもPC用)という取引ツールを無料で利用することができます。

取引ツールは楽天証券が使いやすいというレビューをよく見ますが、慣れればどちらのツールでも大きな差はないと感じます。

取引商品の種類やサービスなどではどちらの証券会社でもよいというということであれば、取引ツールをどちらも利用してみて使いやすい証券会社を選んでもよいでしょう。

SBI証券がオススメな人

全体的に取引で利用するのはSBI証券のほうが使いやすい印象があります。

特に以下のような場合にはSBI証券を利用するほうが良いでしょう。

  • 単元未満株の取引をしたい場合
  • 細かく積立設定をしたい場合
  • 年齢が25歳以下で国内個別株の取引をしたい場合
  • IPOの取引をしたい場合(どちらの証券会社も併用する)
  • 米国株の取引きをしたい場合(特に外貨決済をしたい場合)
  • 韓国、ロシア、ベトナム株の取引をしたい場合

楽天証券がオススメな人

楽天証券をおすすめするのは以下のような人です。

  • 楽天経済圏を利用している人
  • アジア株へ投資したい人
  • ポイントを効率よく貯めたい人
  • IPOの取引をしたい人(どちらの証券会社も併用する)

よくある質問

最後に証券口座を複数持つことに対するよくある質問について解説します。

複数口座を持つデメリットはありますか?

口座維持手数料などはありませんので、証券口座を複数持つデメリットは特にありません。証券口座を保有していたら利用できるサービスなども多いので、メリットのほうが多いといえます。

ただし、取引で複数の証券口座を利用する場合は注意が必要です。

通常、証券口座を持つ場合は源泉徴収ありの特定口座を選択することがほとんどだと思いますが、損益の計算や源泉徴収、納税といった一連の流れは証券口座ごとに行われます。

そのため、SBI証券では利益がでて、楽天証券では損失が発生した場合、損益通算をしたほうがよいですが、別途確定申告を行う必要があります。

取引利用ならSBI証券。ただし、どちらの証券会社の口座も保有しておくほうが便利

結論としては、一般的な投資家の方が取引で利用するのはSBI証券のほうが使いやすいです。SBI証券でできない取引はほとんどなく、手数料などのサービス面にも優れています。

ただし、証券口座に関してはどちらの証券会社でも作成しておくほうが便利です。

楽天証券の日経テレコンや、SBI証券のアナリストレポートなどを紹介しましたが、証券口座を保有していれば利用できるサービスもあるからです。

取引に利用するのは、どちらかの証券会社にまとめたほうが管理はしやすいですが、状況によっては商品ごとに取引する証券会社を変えるのも一つの方法です。

例えば、国内株と米国株はSBI証券、アジア株は楽天証券といった使い分けはコストを抑えるのにも有効です。

この記事を読んでSBI証券と楽天証券を使い分ける手助けになれば幸いです。

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