株の銘柄の検討や取引をするときに、もっと簡単にスクリーニングや取引をしたいと思ったことはありませんか?
現在の大手ネット証券はどの会社もサービスを充実させているので、サービス面で大きな差はなくなってきています。
それでは、何を基準に取引口座を選ぶか?
この基準の1つとして「取引のしやすさ」は重要な要因です。
この記事ではおすすめ各証券会社のトレーディングツールを紹介していきます。
また、取引ツールは各社のトレーディングツールだけではありません。
個別銘柄へ投資するときにはスクリーニング機能や分析機能が充実したツールを利用すると、効率よく株運用ができます。
日々情報収集を欠かさないことも安定した利益や相場の急変に対応するために必要です。
だれでも利用できる無料ツールを紹介しますので、気軽に一度試してみてください。
- 証券会社のトレーディングツール おすすめ3選
- 分析・スクリーニングツール おすすめ3選
- 情報収集ツール おすすめ3選
取引ツールを選ぶポイントは?
取引ツールには様々なものがあるので、自分が使いやすいツールを選びましょう。
ツールを選ぶポイントとしてこの3点を説明していきます。
- 使用目的
- 使いやすさ
- 証券口座を開設しているか
使用目的
取引ツールの使用目的は、大別すると「実際の取引に利用する」ツールと「情報収集に利用する」ツールの2つに分けられます。
トレーディングツール
取引に利用するツールは各証券会社独自のトレーディングツールを利用することになります。
情報収集ツール
使いやすさ
証券会社のトレーディングツールは使いやすさが重要です。
どの証券会社のツールも機能は豊富に準備されていますが、すべての機能を使うことはほとんどありません。
- 注文や全体的な画面など、基本的な機能や画面が使いやすいか
- 自分がこだわりたい機能があるか
この優先順で選ぶことをおすすめします。
初心者や長期トレーダーほど、シンプルでわかりやすいものや、画面の見やすさを重視したほうがストレスなく継続して使うことができます。
上級者や短期売買をするようになると、取引のスピードや他の注文状況なども気になってきます。トレーディングツールの機能にこだわるのはそれからでも遅くはありません。
証券口座を開設しているか
使用目的でも説明しましたが、取引は証券会社ごとのトレーディングツールを利用することになります。また、トレーディングツール以外にも証券会社が提供してくれる取引ツールもあります。
後ほど説明しますが、マネックス証券の「銘柄スカウター」は分析ツールとして非常に優秀ですし、楽天証券の「日経テレコン」は日々の情報収取に欠かせません。
どの証券会社の口座を開設しているかは、取引ツールを利用する上で大きなポイントです。
証券口座は取引する証券会社だけ口座開設するのではなく、ツールを利用するために口座開設するのもおすすめします。
証券会社別のトレーディングツール
ここからは大手ネット証券のトレーディングツールを紹介します。
SBI証券:HYPER SBIⅡ

出典:SBI証券
SBI証券が提供している「HYPER SBI Ⅱ」は、SBI証券の口座を保有していれば無料で利用できるトレーディングツールです。
ユーザーが利用しやすいようにアップデートが繰り返されているので、どんどん使いやすくなっています。
HYPER SBI Ⅱのおすすめポイントはこちらです。
- 画面のカスタマイズがしやすい
- スピード注文にも対応可能
- ヒートマップなどの便利機能が多い
HYPER SBI Ⅱでは、事前に8個の画面をカスタマイズ可能です。

出典:HYPER SBI Ⅱ
1は「保有銘柄と注文情報」、2は「ニュース画面」、3は「個別銘柄情報」といったように、よく使う画面を登録しておくと、ワンクリックで画面を切り替えることができるので便利です。
高頻度で取引する人は、自分の投資スタイルに合わせて注文環境を設定することもできます。
スピード注文したいときにはワンクリック注文の設定なども可能なので、秒の取引をしたいときにも有効です。

出典:HYPER SBI Ⅱ
注文機能以外にも、ヒートマップやランキングなど、便利な機能がそろっています。
自分が保有している銘柄だけでなく、市場全体のチェックも簡単にできます。

出典:HYPER SBI Ⅱ
楽天証券:MARKET SPEED Ⅱ

出典:楽天証券
「MARKET SPEED Ⅱ」は、楽天証券が提供しているトレーディングツールです。このツールも口座開設していれば無料で利用することができます。
MARKET SPEED Ⅱは注文方法が豊富で、上級者も納得して使えるツールです。
- 5つのアルゴ注文ができるので、上級者も納得
- 1画面で必要な情報がすべて確認できる「個別銘柄」が見やすい
- デイトレードに利用できる機能も充実
アルゴ注文は、事前に登録した条件に合致した場合に自動で注文を発注する機能です。
MARKET SPEED Ⅱではアルゴ注文として「アイスバーグ注文」「スナイパー注文」「トレイリング注文」「リザーブ注文」「リンク注文」の5つの方法が可能です。
スナイパー注文:指定した価格の気配が表示されるまでは発注せずに待機し、表示されたときに瞬時に発注
トレイリング注文:逆指値注文を設定しつつ、株価が有利な方向に動いた場合に逆指値価格を自動で修正する注文
リザーブ注文:日時や株価を指定して発注
リンク注文:最大10個の注文を連続して登録できる

出典:楽天証券

出典:楽天証券
マネックス証券:マネックストレーダー

出典:マネックス証券
マネックス証券では「マネックストレーダー」というトレーディングツールを提供しています。
マネックストレーダーは口座開設していれば無料で利用できますが、口座開設とは別にツールの契約をしないと利用できないので注意してください。
マネックス証券ログインページから>>投資情報タブ>>ツール でマネックストレーダーの申込が可能です。

出典:マネックス証券
- 画面のカスタマイズができる
- Trading One画面で個別銘柄の情報が一目でわかる
- スピード注文にも対応
マネックストレーダーも自分で画面をカスタマイズすることが可能です。
Trading One画面では個別銘柄の情報が集まっています。状況を確認しながら注文を行うことが可能です。

出典:マネックストレーダー
このほかにも、注文確認画面を省略してワンクリックで注文が可能なスピード注文も可能なので、デイトレードなどにも十分対応できます。
マネックストレーダーは、機能に不足は問題ありませんが、上の2つのトレーディングツールよりは少し劣っている印象はあります。
ただ、マネックス証券のツールはトレーディングツールだけでなく他にも優秀なツールがありますので、次に紹介します。
スクリーニング・銘柄分析ツール
個別銘柄の投資を行う上で、条件に応じて抽出するスクリーニング機能と対象の銘柄の業績を分析する機能は重要です。
- スクリーニング機能
- 分析機能
実際に利用するときには、まずはスクリーニングして企業を絞り、次に対象の企業を分析するという順序になります。
スクリーニング機能と分析機能が一体化しているツールもありますが、個別に使っても問題ありません。それぞれ使いやすいツールを利用してもよいですね。
ここでは無料でだれでも利用できるツールも紹介します。
バフェット・コード

出典:バフェット・コード
バフェット・コードは2018年1月にサービスを開始した無料で利用できる財務分析・比較ツールで、特にこだわりがなければこのツールを使えば問題ないとおすすめできるツールです。
ツールをダウンロードするのではなく、WEBブラウザ上で動かします。
無料提供されているツールの中でも、機能の豊富さや見やすさといった点でも非常に優れており、多くの投資家が利用しています。
バフェット・コードではこのような機能が使えます。日本企業だけでなく米国企業でも同様の機能が利用できるので、米国株投資をしている人にもおすすめのツールです。
- 企業単体の財務状況チェック
- 決算資料のダウンロード
- 複数企業の比較
- 様々な条件でのスクリーニング
※決算資料のダウンロードはメールアドレスの登録をしてログインが必要です。
企業単体の業務分析ではこのように様々な情報を見ることができます。数値だけでなく、グラフなど視覚的にも非常に見やすいです。

出典:バフェット・コード

出典:バフェット・コード
ダウンロードできる決算資料データは無料利用では3期分です。CSV形式でダウンロードできるので、エクセルへ取り込んで自分で細かい分析を行うこともできます。
スクリーニングは、B/S(貸借対照表)やP/L(損益計算書)といった財務数値だけでなく、キャッシュフローや株価指標など様々な条件を設定できます。
抽出した際に表示する項目も選択できるため、抽出後に比較したい項目なども自由に設定できます。

出典:バフェット・コード
銘柄スカウター(マネックス証券)

出典:マネックス証券
銘柄スカウターはマネックス証券に口座開設していれば利用できるツールです。(WEBブラウザ上で動かします)
上で紹介したバフェット・コードと並んでおすすめできる分析・スクリーニングツールです。銘柄スカウターを利用するためにマネックス証券に口座開設するのもおすすめできるほどです。
銘柄スカウターも「スクリーニング機能」と「分析機能」の両方の機能を備えています。
また、銘柄スカウターは国内版と米国版(中国版もあります)で分かれているので注意してください。
銘柄スカウターではこのようなことができます。
- 企業単体の10年以上の財務状況チェック
- 理論株価は分析が苦手なひとにもおすすめ
- 10年スクリーニング
銘柄スカウターですごいのは過去10年以上の財務チェックができるところです。しかも前年比や利益率など様々な表示方法が可能です。
表示も通期や四半期ごとなど様々な方法が可能です。

出典:マネックス証券

出典:マネックス証券
理論株価はPER基準やPBR基準などから算出した予想株価を表示してくれます。
基本的には現在の株価よりも理論株価が高ければ今後株価が上がる可能があるので、買いというわけです。
100%当たるわけではないので鵜呑みにするのはダメですが、分析が苦手な人が参考にするのにはおすすめできる機能です。

出典:マネックス証券
10年スクリーニングでは、一般的な証券会社で提供されているような直近や通期のデータだけでなく、過去10年間の実績をスクリーニング条件に設定できます。
おすすめスクリーニングではすでにマネックス証券が準備してくれているスクリーニング条件を利用することもできます。

出典:マネックス証券
みんかぶ

出典:みんかぶ
みんかぶは投資に関するWEBサイト(minkabu)で、スクリーニングができるツールとして利用できます。
みんかぶのいいところは、わかりやすい言葉で書いてくれている内容から選択できることです。複雑な条件を設定できませんが、逆に「細かい設定はどうすればいいかわからない・・・」という人にはおすすめできます。

出典:みんかぶ
例えば「業績から探す」を見ると、「絶好調な企業」や「体力に自信の企業」といった簡単な言葉で条件が見つかります。
実際にはその条件が何かということも説明がされているので、まずはどういう項目で条件を作ればよいかの参考にもなります。

出典:みんかぶ
ニュースなどもチェックできるので、この後説明する情報収集ツールとしても利用できます。
情報収集ツール
情報収集ツールは主に日々の経済ニュースや個別企業のニュースなど、Yahoo!のような検索エンジンで見ることができるニュースよりも深い情報を得ることができるものを紹介します。
TDnet(適時開示情報閲覧サービス)は企業の決算情報や開示が必要な情報などが集まっています。決算情報は個別企業のIR情報などでも確認できますが、TDnetのようなサイトがあることも認識しておいて損はありません。
日経テレコン(楽天証券版)

出典:楽天証券
楽天証券に口座開設すれば日経テレコンが利用可能です。
「MARKET SPEED Ⅱ」や、スマホアプリの「iSPEED」から接続できます。
日経テレコンでは「日経新聞」「日経地方経済面」「日経プラスワン」だけでなく、「日経産業新聞」「日経MJ(流通新聞)」まで読めます!
これだけでも毎月数千円分にもなるお得すぎるツールです。
スマホからでも閲覧できるので、通勤時間にチェックするという使い方もできます。
朝一で今日の経済状況をチェックできるので、投資をしていなくてもビジネスパーソンにおすすめしたいツールです。
日経テレコンで新聞を読む場合、文字型の閲覧と新聞型の閲覧を選択できます。(選択が可能な場合)
新聞だけでなく、日経速報ニュースとして各種ニュースや企業のプレスリリースなどのチェックも可能です。
株探

出典:株探
株探は上で紹介した「みんかぶ」のような、投資に関わるWEBサイト(Kabutan)です。
最新のニュースだけでなく、検索ランキングや人気ランキングなどもわかるので、実際にどの銘柄が投資家に注目されているのかといったこともわかります。

出典:かぶたん
決算速報で見ることができる情報では、ニュースと一緒に業績予想も確認できるのは珍しいサービスです。

出典:かぶたん
WEBサイトをお気に入りに登録しておけばよいので、検索エンジンのニュースのような形で利用するのがよいでしょう。
TDnet(適時開示情報閲覧サービス)
TDnetは東京証券取引所が運営している適時開示情報伝達システムです。
似たようなもので、EDINET(金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)がありますが、こちらは金融庁が運営しています。
TDnetでは決算短信や業績予想の修正などの適時開示情報を管理しており、EDINETでは有価証券報告書などを確認することができます。
決算短信や有価証券報告書はどちらも決算で作成する資料ですが、決算短信は有価証券報告書よりも先に発表されます(決算短信は速報性が重視されており、監査不要とされています)
業績予想修正などもそうですが、適時開示情報のほうが投資家にとっては重要といえるため、TDnetを時々チェックしておくことは情報収集として重要です。
※適時開示なので、いつどの企業が開示するかは予想することはできませんが…

出典:TDnet
無料ツールは使わないと損です!
この記事では証券会社のトレーディングツールだけでなく、無料で使える分析・スクリーニングツールや情報収集ツールを紹介しました。
無料で利用できる便利ツールも、案外使ったことがなかったり、利用できることを知らなかったりすることもあります。
私も初めは利用していませんでしたが、こういった無料ツールを利用するようになって運用成績も上がってきました。
あなたもこの記事を読んで、株の運用が効率的にできるようになれば嬉しいです!