つみたてNISAを始めようと思うけど、どの会社で口座を開設すればよいかわからず困っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、証券会社を選ぶ際の3つのポイントを初心者の方にもわかりやすく解説し、6つのおすすめ証券会社を紹介します。
- つみたてNISAは投資による利益が非課税になる制度
- 証券会社を選ぶ際のポイントは3つ
- 銀行より証券会社がおすすめ
つみたてNISAとは?
つみたてNISAとは、金融庁が2018年1月からスタートさせた、長期投資を促すための少額投資非課税制度です。
つみたてNISAでは、投資で得た利益が非課税になるので、通常の投資よりも手元に残る利益が大きくなります。
つみたてNISAの主な概要をまとめると、以下の通りです。
- つみたてNISAを始めるにはつみたてNISA用の口座が必要
- 非課税積立額は上限40万円/年
- 非課税期間は最長20年間
- 購入できる商品は長期投資向け
それぞれ簡単に確認しておきましょう。
1. つみたてNISAを始めるにはつみたてNISA用の口座が必要
つみたてNISAを始める前に、専用の口座を開設する必要があります。つみたてNISA口座を開設できるのは、口座開設する年の1月1日時点で20歳以上の方です。
今まで株式投資などで証券会社に口座を持っていても、NISAを始めるときは新たにNISA用の口座を作らなければなりません。
つみたてNISAの口座は、証券会社や銀行、郵便局、農協、信金などの金融機関で開設できますが、非常に多くの金融機関があり、どこを選べば良いか迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
つみたてNISAの口座開設をする金融機関を選ぶ際は、ぜひこの記事を参考にしてください。
2. 非課税積立額は上限40万円/年
つみたてNISAでは、年間40万円の積み立てが上限で、それによって生まれた利益が非課税になります。
年間40万円を超えて積み立てる分は、通常の投資信託や株式投資などと同じような証券口座で運用され、所得税などが課税されます。
3. 非課税期間は最長20年間
つみたてNISAによる非課税期間は、最長20年間です。
また、積み立てができるのは2042年までとなっています。(2022年2月時点)

出典:金融庁
20年を超えると、投資信託を売却するか課税口座に移管するかを選択します。
課税口座に移管してからは、移管以降に生まれた利益に対して課税されることになります。
このとき、つみたてNISA開始当初よりも移管時点の価額が下落していたとしても、移管以降に生まれた利益に対して課税される点に気をつけましょう。
4. 購入できる商品は長期投資向け
商品選びは、つみたてNISAを始める方にとって、迷ってしまうポイントの一つです。
どのような商品を選べばいいのかわからないという方も多いと思いますが、つみたてNISAで購入可能な商品は、長期投資に適した一定の条件を満たしていると金融庁が認めた商品だけです。
そのため、厳密な売買タイミングを探る必要なく、長期的に定額を積立続けるつみたてNISAの目的に沿った商品がそろっており、初心者でも積立投資を始めやすい仕組みが整っているとも考えられます。
逆に短期投資でリスクを取りながら大きな利益を得ることを目標としている方にとっては、物足りない商品ラインナップと感じるかもしれません。
つみたてNISAの証券会社を選ぶ時に見るべきポイント3つ
証券会社を選ぶときに見るべきポイントは、以下の3つです。
- 購入したい商品がある
- 手続きがしやすい
- 最低積立金額が小さい
1. 購入したい商品がある
取り扱っている商品数は証券会社によって異なります。
取り扱いが多い証券会社には180近くの商品がありますが、少ない証券会社では3つしか商品がないこともあります。
まずはどのような商品を購入したいか検討し、その商品がある証券会社を選択しましょう。
各証券会社には無料で使える検索機能がありますので、それを活用すると簡単に商品を見つけることができます。
例えば楽天証券の投信スーパーサーチなら、検索条件で「つみたてNISA」にチェックを入れるだけで、つみたてNISAで購入できる商品の絞り込みが可能です。

出典:楽天証券
検索窓から商品名を直接入力して検索したり、資産タイプや投資対象地域などのカテゴリから絞り込むこともできます。
また、「ランキング」タブで人気ランキングを参考にすることも可能ですので、積極的に活用しましょう。

出典:楽天証券
2. 手続きがしやすい
つみたてNISAに必要な手続きには、口座開設や積み立て設定、開始後の変更などがあります。
つみたてNISAは長期投資を前提とした設計になっており、証券会社との付き合いも長くなります。
そのため、手続きが簡単でわかりやすく変更の反映が早い証券会社がおすすめです。
多くの証券会社でネット上の手続きが可能になっていますが、やはり手続きがしやすいのはネット証券です。
本人確認もネットで完結し、口座開設完了の通知もメールで送られます。開始後の設定変更もすべてネット上で行えるので、時間や場所を問わず好きなときに手続きを進められます。
3. 最低積立金額が小さい
つみたてNISAの最低積立金額は、各証券会社によって定められています。
投資や資産運用が初めてで、なるべく少額から様子をみながらスタートしたいという方にとっては、最低積立金額が小さく、細かな設定ができる証券会社をおすすめします。
例えばSBI証券は、100円からの積み立てが可能で、積み立て頻度は毎日・毎週・毎月から選択が可能です。
つみたてNISAができるおすすめ証券会社6選
ここでは、つみたてNISAを始めるときにおすすめの証券会社を紹介します。
さきほどの証券会社を選ぶときに見るべき3つのポイントに注目しながら、自分に合った証券会社を探してみましょう。
- 楽天証券
- SBI証券
- 松井証券
- auカブコム証券
- マネックス証券
- 野村證券
それぞれ紹介します。
楽天証券

出典:楽天証券
楽天証券は、2021年個人資産運用 顧客満足度調査 ネット証券部門(調査:J.D.パワー)で1位を獲得した、利用者からの評価が高いネット証券会社です。
ネットですべての手続きが完結するので利用しやすく、つみたてNISAで扱っている商品数は170以上(2022年2月14日時点)と非常に豊富です。
最低積立額は100円で、積立頻度は毎日と毎月から選べます。
SBI証券

出典:SBI証券
SBI証券は、ネット銀行最大手のSBIグループが運営しているネット証券です。
SBI証券では、170以上の取扱商品から選ぶことができます。
商品数が常に豊富なので、投資に慣れてきてアクティブファンドに移行したいときにも、希望に沿う商品を見つけられるでしょう。
積立金額は100円から設定が可能で、毎日・毎週・毎月の積み立てから選択できます。
クレジットカードによる積み立てもできますので、毎回の積立金額でポイントを貯めたい方にもおすすめです。
松井証券

出典:松井証券
松井証券は、大正7年に創業した証券会社の老舗でありながら、国内で最も早く本格的なインターネット取引を開始したネット証券のパイオニア的存在でもあります。
その他証券取引において、いくつも業界初の取り組みをスタートし、証券業界を牽引してきました。
松井証券のつみたてNISAも170以上(2022年2月14日時点)の銘柄を取り扱っていて、最低100円からの積み立てが可能です。
また、サポート体制がしっかりしていて、細かな疑問にもその都度対応してくれます。
ロボアドバイザーが自分に最適な積み立てを提案してくれ、「投信アプリ」で積み立ての設定や変更、確認ができる点でも、初心者が始めやすい環境と言えるでしょう。
auカブコム証券

出典:カブコム証券
auカブコム証券は、MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)のネット証券会社で、メガバンクのインフラを背景に、安心・充実のサービスを提供しています。
auカブコム証券のつみたてNISAは、150以上(2022年2月14日時点)の商品を扱っており、毎月100円からの積み立てが可能です。
毎月の積み立てたい金額・期間を選択すると、運用益や非課税となる金額が簡単に計算できる「つみたてNISAかんたんシミュレーション」や、直感的に洋服の色を選択するだけで、色彩心理からおすすめの商品を提案してくれる「FUND DRESS」など、ユニークなツールを提供しています。
マネックス証券

出典:マネックス証券
マネックス証券は、総合的な投資サービスを提供するネット証券で、投資教育にも力を入れています。
2022年1月4日時点で、開設口座数は216万口座になっており、毎年口座数を増やしている人気の会社です。
マネックスのつみたてNISAは、取扱商品が152本(2021年10月28日時点)あり、100円以上1円刻みで積立金額を設定できます。
積み立て頻度は毎日または毎月から選択可能で、つみたてNISAで投資信託を持っているだけで「マネックスポイント」が貯まります。
マネックスポイントは、Amazonギフト券やdポイント、JALやANAのマイルのほか、さまざまな特典との交換が可能です。
野村證券

出典:野村證券
野村証券は、創業から90年以上の実績を誇る、証券会社の老舗です。
大手総合商社として証券記者をリードしてきた野村証券ならではの投資関連情報が非常に豊富で、これから投資をスタートしようとしている方をサポートする体制も整っています。
野村証券のつみたてNISAは、月々1,000円からで、商品数が7種類と少ないのですが、野村証券が数ある商品から厳選した商品ラインナップとなっています。
商品が多すぎて迷ってしまう方にとっては、選びやすいともいえます。
購入できる商品はインデックスファンドが5種類、アクティブファンドが2種類です。
外国株式、国内株式などバランスよく商品が取りそろえられています。
つみたてNISAのQ&A
つみたてNISAでよくある疑問について答えます。
つみたてNISAの口座開設は銀行と証券会社のどちらがおすすめ?
つみたてNISAの口座開設は、証券会社がおすすめです。
商品数の豊富さや積み立て頻度の多様さ、少額から始められること、投資情報の豊富さなどを考慮すると、証券会社の方が積み立て方にバリエーションがあります。
また、積み立て設定も容易な会社が多くあります。
一方、銀行のつみたてNISAは商品数に限りがありますが、自分で選ぶことが難しい方や、ATMの利用手数料が無料になるなどの特典を期待する方は、銀行を利用しても良いでしょう。
つみたてNISAの口座を後から別の証券会社に変更できる?
変更できます。
変更前の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を提出したうえで、「勘定廃止通知書」の交付を受けることになります。
さらに、その書面とあわせて「非課税口座開設届出書」を、次にNISA口座を開設しようとしている証券会社に提出しましょう。
なお、証券会社の変更は一年に一度のみ認められており、変更したい年の前年の10月1日から、変更したい年の9月30日までに上記の手続きを行う必要があります。
また、商品を購入してしまうと、その年は金融機関を変更できませんので、注意が必要です。
つみたてNISAの口座を複数持つことはできる?
つみたてNISAの口座は、一人1口座までです。
複数のNISA口座の保有はできません。
口座を開設した証券会社が倒産したらどうなるの?
金融機関は顧客から預かった資産を、会社の資産と分別して管理することは法律によって義務付けられています。
つまり、金融機関が倒産してもつみたてNISAで積み立てた資産がなくなってしまうことはありません。
仮に金融機関が分別管理をしていなかったとしても、日本投資者保護基金が上限1,000万円まで補償してくれます。
まとめ
今回はつみたてNISAができるおすすめの証券会社を紹介しました。
つみたてNISAは、最長で20年間の非課税期間がありますので、証券会社とも長い付き合いになります。
余計なストレスなく資産を増やしていくためにも、今回紹介したポイントに絞って、自分に合う証券会社を探してみてください。