長らく超低金利が続くにもかかわらず「老後には2,000万円が必要」といわれ、貯蓄だけではなく「投資」にも興味を持つ初心者の方が増えています。
そんな初心者の方が身近なところから始めようと最初に思いつくのが「株」と「FX」ですが、
- 「株とFXはどう違う?」
- 「どちらが初心者向き?」
- 「儲けやすいのはどっち?」
と分らないことが山積みなのが実状です。
そこで今回は、株とFXのメリット・デメリットなどを徹底比較し、初心者にはどちらがおすすめなのかをズバリお伝えしてまいります。
この記事の要点はこちら
- 株とFXでは「投資対象」「取引時間」「レバレッジ」が違う
- FXは少額から始めることができ、値動きも少なく、投資対象も少ないため株よりも初心者向き
- 初心者がFX会社を選ぶ際は「最低取引単位」「スプレッド」「取引アプリ」に気をつける
株とFXの違いは?
「投資」という同じ枠で語られますが、株とFXでは多くの点で違いがあります。
投資対象が違う
株とFXでは「何に対して投資をするのか」という投資対象が違います。
株は証券取引所に「上場している企業の株式」が投資対象ですが、FXの投資対象は世界各国の中央銀行が発行する「通貨」となります。
取引可能な時間が違う
株とFXでは取引することができる時間帯も違います。
株の取引は平日の
- 前場(ぜんば)・・・9:00~11:30
- 後場(ごば)・・・12:30~15:00
に限られており、基本的にこの時間外では取引できません。
一方FXは平日であれば24時間いつでも取引することが可能です。
そのため日中忙しいサラリーマンや主婦の方でも好きな時間に取引できるというメリットがあります。
レバレッジが違う
株とFXでは「手元の資金の何倍まで取引できるか」というレバレッジが違います。
株の場合は現物株の場合で1倍、(株を証券会社から借りて取引する)信用取引で約3.3倍となっています。
つまり、現物株の場合だと10万円では10万円分の株しか取引できないのです。
しかしFXは最大25倍までのレバレッジがかけられます。
そのため手元に10万円の資金があれば、250万円までの取引が可能です。
株よりFXを投資初心者におすすめする3つの理由
株もFXもメジャーな投資方法ですが、FXの方がより初心者に向いているといえる理由が3つあります。
- 投資対象が少なくシンプルだから
- 少額から始められるから
- 株よりも値動きが少ないから
それぞれ解説します。
1. 投資対象が少なくシンプルだから
株の投資対象である上場企業は日本国内だけでも約4,000社、最近ではアメリカやヨーロッパ、中国といった海外の証券取引所に上場している企業の株式にも投資することが可能となっているため、その数は数万社にも及びます。
すると株に投資する場合、その数万社の中から値上がりしそうな企業を選び、情報を精査しなければなりません。
これは投資初心者にとってかなり難しい作業となります。
一方FXの場合は「日本円と米ドル」「米ドルとユーロ」といった通貨ペアに投資するのですが、マイナーな通貨ペアは取引されないため、その組合わせは20ほどです。
つまり20程の通貨ペアの中から自分にあったものを選び、情報を集めれば良いことになります。
- 数万社vs.20ペア
どちらが初心者におすすめなのかは一目瞭然です。
2. 少額から始められるから
投資初心者はこれからお金を増やそうと投資を始めるわけですから、当初は手元資金が少ないのが通常です。
しかし株の場合は「単位株」といって500株とか1,000株といった「まとまった単位」でないと取引できないという決まりがあり(1株から取引できる株もあります)、しかも先ほどお伝えしたとおりレバレッジが低いため、少ない資金では取引が難しくなります。
一方FXの場合は最大25倍のレバレッジを効かせることができるため、最小で「4,000円」程度から取引することが可能です。
FXの方が少額から投資を始められるため、初心者向きということができます。
3. 株よりも値動きが少ないから
FXの場合1日の値動きは1%前後、年間でも30%前後です。
これは「通貨」が投資対象のため、あまりに値動きが大きくなりそうな場合は各国の中央銀行が市場介入をして値動きを抑えるという理由によります。
またマイナーな通貨はともかく、FXで一般的に扱われる通貨が国の破綻により「価値ゼロ」になる可能性は限りなく低いといえます。
一方で株の場合1年で10倍(1,000%)の値動きをする銘柄も珍しくなく、また投資した会社が倒産すれば「価値ゼロ」になってしまいます。
この値動きの少なさという安心感が初心者向きといえるわけです。
初心者がFX会社を選ぶときに気をつける3つのポイント
初心者がFX会社を選ぶときのポイントは以下の通りです。
- 最低取引単位が1,000通貨単位の会社を選ぶ
- スプレッドの狭い会社を選ぶ
- 取引アプリが使いやすい会社を選ぶ
それぞれ解説します。
1. 最低取引単位が1,000通貨単位の会社を選ぶ
取引単位は準備する証拠金の額に関わってきます。
例えば米ドル/円の場合、10,000通貨単位の会社だと証拠金が約40,000円必要となるのに対し、1,000通貨単位の会社なら約4,000円の証拠金を用意すれば事足ります。
この証拠金の額は手元資金の少ない投資初心者にとって重要です。
2. スプレッドの狭い会社を選ぶ
スプレッドとはFXの事実上の手数料です。
スプレッドが狭い会社ということは手数料が安い会社と同じ意味になります。
3. 取引アプリが使いやすい会社を選ぶ
実際の取引はほとんどがスマホやPCのアプリでおこなわれます。
始めは取引の方法などが分らず、不安だらけの初心者にとって、取引アプリの使いやすさは非常に重要です。
初心者におすすめのFX会社5選
初心者にも優しい、おすすめのFX会社は以下の通りです。
- 外為どっとコム
- SBI FXトレード
- 外貨ex byGMO
- DMM FX
- GMOクリック証券
それぞれ紹介します。
外為どっとコム

出典:外為どっとコム
外為どっとコムは最低取引単価が1,000通貨となっているため、米ドル/円であれば約4,000円から取引することができ、FX初心者でも取引を始めやすくなっています。
また主要通貨ペアのスプレッドだけではなく、高金利通貨(新興国の通貨など)のスプレッドも狭く、経験を積んで幅広い通貨ペアを取引するようになっても低コストで取引を続けることが可能です。
SBI FXトレード

出典:SBI FXトレード
SBI FXトレードの最小取引単位はなんと「1通貨」!
つまり米ドル/円であれば約「5円」から取引が可能です。
その他米ドル/円のスプレッドが0.09銭(2021年7月8日時点)と業界最狭水準で、とにかく少ない資金でFX投資を始めてみようという初心者にはピッタリのFX会社となっています。
外貨ex byGMO

出典:外貨ex byGMO
外貨ex byGMOはGMOインターネットグループの安心感と初心者に優しいコンテンツや使いやすい取引ツールが魅力。
特にスマホアプリのわかりやすさ、使いやすさは他社と比べてもトップクラスです。
DMM FX

出典:DMM FX
DMM FXは最低取引単位こそ10,000通貨となっていますが、米ドル/円、ユーロ円といった主要通貨ペアのスプレッドが狭く、また無料サポートも24時間対応のため、初心者にも安心しておすすめできるFX会社となっています。
またキャッシュバックキャンペーンの金額が大きいのも魅力です。
GMOクリック証券

出典:GMOクリック証券
GMOクリック証券はなんといっても回線事業なども運営しているGMOインターネットグループという安心感が魅力です。
そのためFX取引高世界第一位(ファイナンス・マグネイト社調べ2020年1月~2021年12月)と人気が高く、スプレッドも業界最狭水準のため、初心者にもおすすめといえます。
FXの5つのメリット
FXのメリットは以下の通りです。
- 最大25倍のレバレッジで少額取引ができる
- 売り・買い・往復で利益を得ることができる
- 平日24時間取引ができる
- 流動性が圧倒的に高い
- スワップポイントでインカムゲインを得ることもできる
それぞれ解説します。
1. 最大25倍のレバレッジで少額取引ができる
FXは最大25倍までのレバレッジを効かせることができるため、少ない手元資金でも投資を始めることができます。
2. 売り・買い・往復で利益を得ることができる
FXは「買って値上がりを狙う」だけではなく、「売って値下がりを狙う」というように、往復で利益を得ることができます。
3. 平日24時間取引ができる
平日24時間いつでも取引が可能なため、ライフスタイルに合わせた取引ができます。
4. 流動性が圧倒的に高い
FXの取引対象は「通貨」ですから、「売りたくても売れない」「買いたくても買えない」といった流動性の問題はほとんど起こりません。
5. スワップポイントでインカムゲインを得ることもできる
高金利の通貨を買った場合、一定のインカムゲインをスワップポイントとして受取ることができます。
FXの2つのデメリット
FXのデメリットは以下の通りです。
- 損失にもレバレッジが効いてしまうことがある
- 24時間取引ができるので「やめ時」が見つからない
それぞれ解説します。
1. 損失にもレバレッジが効いてしまうことがある
レバレッジは損失にも効いてしまうため、損失が大きくなってしまうことがあります。
2. 24時間取引ができるので「やめ時」が見つからない
24時間いつでも取引ができるので、いつまでもズルズルと取引をしてしまい、「やめ時」が分らなくなってしまうことがあります。
株の3つのメリット
株のメリットは以下の通りです。
- 自分の好きな企業や知っている企業の株を購入できる
- 値動きが大きいため、資産が一気に増える可能性がある
- 株主優待がある
それぞれ解説します。
1. 自分の好きな企業や知っている企業の株を購入できる
株の投資対象は一般的な企業のため、自分の好きな企業やよく知っている企業の株に投資できます。
2. 値動きが大きいため、資産が一気に増える可能性がある
1日で最大30%、年間で10倍になる銘柄もあるほど値動きが大きいため、資産が一気に増える可能性があります。
3. 株主優待がある
株主優待として企業の提供するサービスを利用できたり、株主優待券などが送られてくることがあります。
株の3つのデメリット
株のデメリットは以下の通りです。
- 始めるのにまとまった手元資金が必要になる
- 流動性が低い銘柄の場合「売りたくても売れない」場合がある
- 数万社以上の企業が対象のため、ターゲットが絞りにくい
それぞれ解説します。
1 始めるのにまとまった手元資金が必要になる
FXに比べて初期投資費用が多くかかります。
2 流動性が低い銘柄の場合「売りたくても売れない」場合がある
人気のない銘柄の場合買い手が付かず、「売りたくても売れない」という流動性の問題が起きる場合があります。
3 数万社以上の企業が対象のため、ターゲットが絞りにくい
メリット①の裏返しですが、投資対象が多岐にわたるためターゲットが絞りにくく、また情報が膨大で初心者には難しい場合があります。
Q&A
Q.株とFXどちらが難しいですか?
A.どちらも一概に簡単とはいえませんが、投資対象となる銘柄や情報が膨大な株の方が難しいといえます。
Q.株とFXどちらが稼げますか?
A.年間10倍にもなるお宝銘柄を発見できれば一攫千金の狙える株ですが、通常は25倍までのレバレッジが効かせられるFXの方が儲けられる可能性が高いといえます。
初心者には少ない手元資金で始められるFXがおすすめ
FXは手元資金や投資に対する情報が少なくても比較的簡単に始められるため、初心者に向いている投資法だといえるでしょう。
また株に比べてデモトレード(トレーニングのための資金を使わないトレード)が多く、無料で力をつけることができるのも初心者にとってありがたいメリットです。
まずはお小遣い程度の少額からFXを始めてみてはいかがでしょうか。