老後2000万円問題などが話題となり、資産形成に関心を持つ人が増えています。
同時に、投資先として米ドルやユーロなどの外貨を選ぶ人も多くなっています。
そこで、外貨投資として「外貨預金」と「FX」、どちらにするか迷っている方も多いでしょう。
この記事では、代表的な外貨投資手段として「外貨預金」と「FX」の違いについてお伝えします。
外貨に投資したい方、FXを始めようか迷っている方は参考にしてください。
外貨預金の代わりにFXは使える?
外貨に投資する方法は様々ありますが、代表的なのは「外貨預金」と「FX」でしょう。
- 外貨預金:預金口座に日本円以外の外貨を預ける方法。円預金と比べると金利が高いのが特徴
- FX:外国為替証拠金と呼ばれ、預け入れた証拠金を担保に、自己資金以上の取引ができる点が特徴
様々な点で両者は異なりますが、外貨預金の代わりにFXを利用することは可能です。
FXではレバレッジ倍率がありますが、この倍率を1倍に設定することで、外貨預金とほとんど同じ投資効果を実現できるからです。
外貨預金の代わりにFXを利用するメリット5つ
次に、外貨投資として外貨預金ではなくFXを利用するメリットをお伝えします。
様々なメリットがありますが、代表的なものは次の通りです。
- いつでも売買できる
- 投資できる通貨ペアが多い
- レバレッジを活用できる
- 毎日金利収入が受け取れる
- スプレッドが低い
それぞれ解説します。
1.いつでも売買できる
外貨預金と比べた場合のFXのメリットとしては、いつでも売買できることが挙げられます。
外貨預金は預金開始時点に外貨を購入し、満期になったら円と交換する商品です。つまり、購入・売却ともに1度のみです。
一方、FXは証拠金の範囲内であれば何度でも自由に売買できます。
価格が低くなれば買い増ししたり、高くなれば一部売却したりもできます。
為替相場に柔軟に対応できる点が、FXの魅力と言えます。
2.投資できる通貨ペアが多い
投資できる通貨ペアが多い点も、FXの魅力です。
外貨預金では投資できる通貨ペアは米ドル/円や豪ドル/円など、メジャーな通貨ペアに限られます。
一方、FXではFX会社によって異なりますが、概ね20通貨ペア以上に投資できます。
ある程度の経験を積むと様々な通貨ペアに投資したくなりますが、FXであれば幅広い通貨ペアを扱っているので、中上級者でも満足できるでしょう。
3.レバレッジを活用できる
FXのメリットとしては、レバレッジを活用できる点も挙げられます。
個人口座では、レバレッジを活用することで自己資金の最大25倍まで運用できるため、投資効率を高めることができます。
しかし、レバレッジを活用することはそれだけリスクが高くなることを意味するので、注意が必要です。
4.毎日金利収入を受け取れる
外貨預金では金利収入にあたる利息を満期時に受け取りますが、FXでは金利収入にあたるスワップポイントを毎日受け取ることができます。
受け取ったスワップポイントはFX口座に反映されるので、そのまま再投資することでより大きな投資金額になり、さらに大きなスワップポイントを受け取ることができるという好循環になります。
しかし、投資する通貨ペアによっては反対にスワップポイントを日々支払う必要があったり、金利動向によってスワップポイントの水準が変動したりするので、注意が必要です。
5.スプレッドが低い
FXは外貨預金に比べてスプレッドが狭いため、取引コストを抑えることができます。
スプレッドは狭いほど取引コストが低いことを意味するので、少しでも取引コストを抑えたい方はスプレッドに注意しましょう。
通貨ペアや取引ロットにもよりますが、FXの方が外貨預金よりスプレッドが狭い傾向にあります。
金額が小さい場合はスプレッドにそこまで気を配る必要はありませんが、100万円以上になるとスプレッドによって支払う手数料も大きくなるので注意が必要です。
外貨預金の代わりにFXを利用するデメリット2つ
次に、外貨預金の代わりにFXを利用するデメリットは以下の通りです。
- リスクが大きい
- 勉強・分析が必要
それぞれ解説します。
1.リスクが大きい
FXのデメリットとしては、外貨預金と比べてリスクが大きいことです。
レバレッジを活用すると運用金額が大きくなり、発生する損失額も大きくなります。外貨預金では扱っていないような、価格の変動が激しい通貨ペアもFXであれば投資できるので、投資対象自体のリスクが高いケースもあります。
リターンとリスクは表裏一体なので、FXはリスクをしっかり認識してから行いましょう。
2.勉強・分析が必要
FXは外貨預金に比べて自由に取引できる反面、FXの勉強や相場の分析が必要です。
勉強することが好きな方であれば問題ないでしょうが、勉強が苦手であったり忙しくて時間が取れない方であったりすると、FXを続けるのは難しいでしょう。
大きなリターンは勉強なくして達成できませんから、深く考えず外貨を保有したい場合は外貨預金の方が無難と言えます。
外貨預金の代わりにFXを利用する際のポイント3つ
外貨預金ではなくFXを利用する際のポイントは様々ありますが、もっとも注意すべきポイントは次の3つです。
- リスクを認識する
- レバレッジは2倍~5倍で運用する
- 勝率を上げるために勉強・分析をする
それぞれ解説していきます。
1.リスクを認識する
FXでもっとも重要なことはリスクを正しく認識することです。
FXを利用することで、株式投資と比べると大きなリターンが期待でき、不動産投資よりも高い利回りを期待できます。
そしてレバレッジを活用することで他の多くの投資より効率を高めることができます。
しかし、これらの魅力の裏には必ずリスクがあります。まずはFX取引で発生するリスクについて学習することから始めましょう。
2.レバレッジは2倍~5倍で運用する
FXはレバレッジを活用することで投資効率を高めることができます。
初心者であればいきなり最大の25倍とせず、2倍~5倍などのミドルリスク・ミドルリターンで始めると良いでしょう。
もちろん慣れてきたらレバレッジを高め、投資効率を向上させることも視野に入れると良いでしょう。
3.勝率を上げるために勉強・分析をする
FXでは勉強・分析が欠かせません。
投機的な意味合いが強いバイナリートレードや、一度購入してあとは満期を待つだけの外貨預金であれば、相場に関する知識はあまり要求されないでしょう。
しかしFXは自由に取引できるため、勝率を少しでも上げるためには勉強することが必要不可欠です。
外貨預金の代わりにFXを利用する方におすすめのFX会社3選
外貨預金の代わりにFXを利用する際に、おすすめのFX会社を3社ご紹介します。
LIGHT FX

出典:LIGHT FX
LIGHT FXはトレイダーズ証券が提供しているFX取引サービスです。おすすめする理由は3点あります。
- 業界最狭水準のスプレッド
- 業界最高水準のスワップポイント
- 充実した情報発信がある
LIGHT FXの魅力の一つは、やはり業界最狭水準のスプレッドです。ドル/円は0.2銭、ユーロ/円は0.4銭であり、メジャーな通貨ペアに投資したい方は低いコストで売買できます。
FXは機動的に取引できるため取引回数が多くなります。長期的に見ればスプレッドによるコストも大きな金額になるので、なるべく狭いFX会社を選択しましょう。
同様に、スワップポイントについても業界トップクラスです。スワップポイント は高ければ高いほど再投資した際の投資効率を高めることができるので、長期的に投資する方は各社の水準を確認しましょう。
また、売買比率や通貨強弱など充実したマーケット情報が利用できるので、初心者でも視覚的に相場の勉強・分析ができます。
SBI FXトレード

出典:SBI FXトレード
SBI FXトレードは大手金融グループのSBIホールディングスが運営しているFX取引サービスです。
おすすめする理由は次の3点です。
- 1単位から取引できる
- 取扱通貨ペア数が豊富
- 積立FXが利用できる
SBI FXトレードの最低取引単位は1単位からであるため、小さい金額からFXを始めることができます。ドル/円であれば数百円から投資できるので、ハードルはかなり低いと言えます。
また、取扱通貨ペアは34種類と業界でも高水準です。マイナー通貨ペアにも投資できるので、中上級者になっても不満なく投資し続けることができます。
加えて、FXと外貨預金の中間的なFX取引サービスである積立FXを利用できるのも特徴です。現在積立FXを提供しているのはSBI FXトレードと外為どっとコムの2社のみです。
LINE FX

出典:LINE FX
LINE FXとは、LINE社が提供しているFXサービスです。おすすめする理由は2点あります。
- 便利なLINE通知機能が使える
- 大手企業運営による安心感がある
LINE FXでは政策金利の変更や経済指標の発表時など、相場に影響を与えるニュースをLINEに通知してくれる機能があります。
1分1秒が重要であるFXにおいて、馴染みのあるLINEで情報収集ができるのはとても大きなメリットだと言えます。
また、LINE FXは大手IT企業のLINEと最大手証券会社の野村ホールディングスが運営しているため、経営面やセキュリティ面での安心感は抜群であり、初心者でも不安なくFX取引を始めることができます。
外貨預金とFXに関するQ&A
ここでは、外貨預金とFXに関するよくある質問とその回答をまとめました。
外貨預金とFX、それぞれどんな人に向いていますか?
外貨預金とFXに向いている人の特徴は次の通りです。
外貨預金に向いている人の特徴
- 投資時点で利益を確定させたい方
- 忙しくて相場の勉強する時間がない方
- 大きなリターンを要求しない方
FXに向いている人の特徴
- リスクをとってリターンを大きくしたい方
- 相場の勉強をする時間がある方
- 効率的に投資したい方
外貨預金とFXの利回りを比較することはできますか?
厳密にはできますが、推奨しません。
その理由は以下の通りです。
- FXの場合は金利収入にあたるスワップポイントが再投資に回るため
- FXは元本が保証されておらず、純粋に両者を比較することにあまり意味がないため
外貨預金とFXの両方を行うことはできますか?
外貨預金とFXの両方を行うことは可能です。投資資金の一部を外貨預金口座に、残りをFX口座に入れる方法も合理的だと言えます。
まとめ
今回は外貨預金と比較した上でのFXのメリット・デメリットなどをお伝えしました。
外貨預金と比較するとFXはリスクが大きい点や勉強時間が必要な点などのデメリットがありますが、レバレッジを活用できたり取引コストが小さかったりとメリットも多いです。
両者のメリットとデメリットを認識した上で、外貨投資を始めることが重要です。