FXの取引方法にはさまざまな手法があり、その中にリピート系FXがあります。
リピート系FXは、設定しておいた売買ルールにもとづいて自動売買する、いわゆるシステムトレードの一種です。
システムトレードと聞くと「難しそう」「あまり勝てなさそう」といった印象を持つ方もいるかもしれません。
ですが、リピート系FXは正しい知識を身に付けリスクを分散して運用すれば、利益を上げられるトレード手法です。
そこでこの記事では、以下の点について解説します。
- リピート系FXのシステム内容
- リピート系FXの上手な使い方
- リピート系FXに向いている通貨ペア
- おすすめのリピート系FXの会社
結論、リピート系FXならインヴァスト証券のトライオートFXがおすすめです。
初心者でも好成績のプログラムをリストから選ぶだけで自動売買を始めることができ、自動売買ルールの「ハーフ」ならリスクを分散しつつ利益の拡大も期待できます。
リピート系注文が使えるおすすめのFX会社5選
リピート系注文が使えるFX会社は徐々に増えてきているので、どの会社でリピート系自動売買をすればいいか分からない方もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、リピート系注文におすすめのFX会社を5社に厳選してご紹介します。
- インヴァスト証券【トライオートFX】
- みんなのFX【みんなのリピート注文】
- セントラル短資FX【セントラルミラートレーダー】
- アイネット証券【ループイフダン】
- マネースクエア【トラリピ】
それぞれ紹介します。
インヴァスト証券【トライオートFX】

出典:トライオートFX
インヴァスト証券では、トライオートFXでリピート系の取引ができます。
トライオートFXの詳細
トライオートFXの取引方法は、リストから好成績のプログラムを選ぶだけで自動売買を運用できる「セレクト」と、自由に自動売買の注文を作成する「ビルダー」から選択可能です。
セレクトでは、ランキングから売買プログラムを選ぶだけで、すぐにトレードを始めることができます。

出典:トライオートFX
トライオートFXの手数料は取引するほど安くなる
トライオートFXは、注文時と決済時にそれぞれ手数料がかかります。
ただ、取引金額が増えると以下のように手数料が割安になります(手数料は1,000通貨あたりの金額)。
- 1万通貨未満:片道20円
- 1万通貨以上10万通貨未満:片道10円
- 10万通貨以上50万通貨未満:片道5円
- 50万通貨以上:無料
トライオートFXがおすすめな人
トライオートFXは、あらかじめ用意されている売買プログラムを選べるのはもちろん、自分で自由に売買ルールを設定することもできるので、FX初心者だけでなく上級者にもおすすめのリピート系FXです。
また50万通貨以上なら注文時と決済時の手数料がかからないので、FXに投入する資金が潤沢な方に特におすすめです。
みんなのFX【みんなのリピート注文】

出典:みんなのFX
みんなのFXでは、みんなのリピート注文でリピート系の取引ができます。
みんなのリピート注文はとっても簡単
みんなのリピート注文の特徴は、簡単でシンプルな点です。
あらかじめ用意されているストラテジーと呼ばれる自動売買プログラムの中から希望のものを選び、取引量を設定することでリピート系取引を行います。

出典:みんなのFX
ストラテジーは運用実績(収益率・獲得pips)や人気(フォロワー数)ごとにランキング形式で公開されています。
収益拡大を見込めるランキング上位のストラテジーを選び、運用してみるといいでしょう。
みんなのリピート注文はスプレッドが狭い
みんなのリピート注文は、スプレッドが狭いのも特徴です。
スプレッドが広い(買値と売値の価格差が大きい)ほど、取引にかかるコストが大きくなります。
そのため、スプレッドはできるだけ狭い方がユーザーにとっては有利です。
みんなのリピート注文のスプレッドは、他のリピート系注文と比較しても狭いため低コストでトレードできます。
みんなのリピート注文がおすすめな人
みんなのリピート注文は自動売買プログラムを自作できない点から、すでに自作のリピート系FXの売買ルールを構築している方には適していません。
逆にこれからリピート系FXを始める方には、実際に結果の出ているストラテジーを選ぶだけで収益増加が見込める運用が可能なみんなのリピート注文はおすすめです。
セントラル短資FX【セントラルミラートレーダー】

出典:セントラル短資FX
セントラル短資FXでは、セントラルミラートレーダーでリピート系の取引ができます。
セントラルミラートレーダーの詳細
セントラルミラートレーダーは、数百種類以上に及ぶ世界中のストラテジーの中から、希望のストラテジーを選ぶだけでリピート系FXの取引を始められるのが特徴です。

出典:セントラル短資FX
ただストラテジーが数百種類もあると、どのストラテジーにすべきかかえって迷ってしまう原因にもなりかねません。
その対策として、セントラルミラートレーダーでは勝率や損益、リスクとリターンのバランス、そのストラテジーで取引された回数など、さまざまな基準で自分の希望に合うストラテジーを探せるようになっています。

出典:セントラル短資FX
また、ストラテジーは複数組み合わせて運用することも可能です。
ただし、組み合わせるストラテジーが多くなりすぎるとそれぞれのストラテジーのパフォーマンスを判断しづらくなるので、3個~5個で運用するようにしましょう。
なお、セントラルミラートレーダーではレンジ幅や値幅などを細かく自分で設定することはできず、あくまでも選んだストラテジーで運用する形となります。
セントラルミラートレーダーで選べる通貨ペアは22種類
セントラルミラートレーダーは、選べる通貨ペアが22種類と多いのも特徴です。
通貨ペアが多ければ利益を出すチャンスも増えるので、色々な通貨ペアをチェックしてみてください。
セントラルミラートレーダーがおすすめな人
セントラルミラートレーダーは、みんなのリピート注文と同じで売買ルールを自分で細かく設定することはできないため、リピート系FXに慣れている方には物足りなく感じるかもしれません。
これからリピート系FXを始める方は、世界中の優秀なストラテジーを選ぶだけでリピート系FXを開始できるセントラルミラートレーダーはおすすめです。
アイネット証券【ループイフダン】

出典:アイネット証券
アイネット証券では、ループイフダンでリピート系の取引ができます。
ループイフダンは初心者向けで分かりやすい
ループイフダンは、初心者向けのリピート系FXのため分かりやすいのが特徴です。
設定が必要なのは以下の4つだけです。
- 売買タイプ
- 値幅
- 取引通貨
- 損切り設定
値幅は取引の収益に直結する部分なので悩むことも多いと思います。
ループイフダンでは各通貨ペアごとに最適な値幅が提示されているので、不安な場合はその値幅を指定しておきましょう。
また、実際に成果が出ているループイフダンの設定がランキングで掲載されているので、とりあえずループイフダンを試してみたい場合はランキングを参考に設定できるのもメリットです。

出典:アイネット証券
ループイフダンはスワップポイントが高い
ループイフダンは、他のリピート系FX会社と比べてスワップポイントが高いのも特徴です。
ただ、特にスワップポイントが高いトルコリラや南アフリカランド、メキシコペソは値動きが安定せずレンジ相場になりにくいのがネックです。
リピート系FXは基本的にレンジ相場が得意なので、スワップポイント狙いでこれらの通貨ペアを取引するのはやめておいた方がいいでしょう。
ループイフダンがおすすめな人
ループイフダンは、みんなのリピート注文やセントラルミラートレーダーのようにストラテジーを選ぶだけで取引を開始できるわけではないので、少し手間がかかります。
ただ、ランキングで公開されている運用成績の良好な設定を真似すれば利益は期待できるので、初心者の方でも利用できるリピート系FXです。
マネースクエア【トラリピ】

出典:マネースクウェア
マネースクエアでは、トラリピでリピート系の取引ができます。
トラリピの詳細
トラリピは、リピート注文の売買ルールを自由に設定できるのが特徴です。
設定項目は以下の通りです。
- 通貨ペア
- 売買タイプ
- レンジ幅
- 利益値幅
- 決済トレールの有無
- 損切り設定
レンジ幅や利益の幅も細かく設定できるので、FXの取引に慣れているならトラリピは使い勝手が良いと感じるでしょう。
また、トラリピは決済トレールを利用できるのが最大のメリットです。
決済トレールとは、通貨ペアの価格が上昇するとそれに合わせて決済価格も上がっていくルールです。
これにより、レンジ相場からトレンド相場に転換した場合に利益を伸ばすことができます。
また、決済トレールはワンクリックでオンオフを切り替えることができるので、トレンド相場と判断した時にだけ決済トレールを利用するといった柔軟な対応が可能です。
トラリピの運用試算表が便利
トラリピでは、口座開設するだけでもらえるトラリピ運用試算表が有用な点もメリットとして挙げられます。
トラリピ運用試算表は、以下の数値を入力して試算スタートボタンを押すだけで、ロスカット値が分かるのがポイントです。
- 通貨ペア
- 運用予定額
- レンジ幅
- レンジ内に仕掛ける本数
- 1本あたりの通貨数
- 狙う利益幅
- 損切り設定の有無
トラリピ運用試算表では、ロスカットのリスクを具体的に計算することができるので、ぜひ活用しましょう。
トラリピがおすすめな人
トラリピには、売買プログラムがあらかじめ用意されているわけではありません。
FX初心者が予備知識一切なしでいきなりトラリピを始めようとしても、リピート系FXで利益を出せる具体的な売買ルールを設定できない可能性があります。
てすが、トラリピ運用試算表をうまく活用すれば、ロスカットで資金を失うことなくリピート注文を運用することができます。
FX初心者ではあるものの自分で考えた売買ルールで取引したい方や、FXトレードに慣れている方にトラリピはおすすめです。
なおトラリピ資産運用表は、リピート系FXであれば原理は同じなためトラリピでなくても利用できます。
トラリピ資産運用表は、前述の通り口座を開設するだけで入手可能です。
トラリピ以外のリピート系FXで運用予定の方も、トラリピの口座は開設しておくことをおすすめします。
リピート系FXとは?裁量トレードとの違いやメリット
リピート系FXは、買いや売り・利食い・損切りをあらかじめ設定しておき、その条件内で売買を繰り返す取引方法です。
リピート系FXがどのような取引方法なのか、裁量トレードとの違いを比較しながらメリットをご紹介します。
リピート系FXと裁量トレードの大きな違いは以下の通りです。
- 自動で買いと売りの注文を繰り返す
- レンジ相場で利益を伸ばせる
この2点について、それぞれ解説していきます。
自動で買いと売りの注文を繰り返すので手間がかからない
リピート系FXは、自動で売買するため手間がかからないのがメリットです。
裁量トレードは、基本的にはチャートや経済指標を見ながら手動で注文するトレード手法です。
買うタイミングや売るタイミングも全て自分で決めて注文する必要があるため、特に数十分や数時間単位のデイトレードの場合は、パソコンやスマホで値動きなどを頻繁にチェックしていく必要があります。
対してリピート系FXは自動で売買を繰り返すので、裁量トレードのようにチャートや指標を細かくチェックしたり手動で売買の注文をしたりする必要がありません。
仕事で忙しいなどの理由で、FXの時間がなかなか取れない方にリピート系FXはおすすめです。
FXの知識が浅い初心者でも取り組める
リピート系FXは、FXに関する知識がまだ少ない初心者でも取り組めるのがメリットです。
裁量トレードでは、チャートの分析(テクニカル分析)や経済指標などの分析(ファンダメンタルズ分析)をしながら手動で売買取引をします。
テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析ともに知識と経験が必要で、FXを始めたばかりの人がすぐにできるようになるものではありません。
それに対して、リピート系FXはこれらの分析ができなくても、レンジ幅を決めてその中で売買する値を指定するだけで取引できるため、FX初心者にもおすすめです。
レンジ相場で利益を伸ばせる
リピート系FXは、レンジ相場で利益を伸ばせるのが特徴です。
裁量トレードでもレンジ相場で取引をすることはできますが、レンジ相場を見極めること自体が難しく、また狭いレンジで取引を繰り返すとスプレッド(取引にかかるコスト)により大きく利益を伸ばせません。
そのため、裁量トレードでは利幅が大きくなるトレンド相場で取引することが多い傾向にあります。
対して、リピート系FXは基本的には以下の注文を繰り返します。
- 値が下がったら買い、買値よりも上がったら売る(決済する)
- 値が上がったら売り、売値よりも下がったら買う(決済する)
簡単に言えば、「買値よりも上がるのを待つ」もしくは「売値よりも下がるのを待つ」のが、リピート系FXの取引手法です。
レンジ相場であれば値が下がってもそのうち上がってきますし、逆に上がっても下がってくるので、利益を積み上げていくことができます。
リピート系FXの注意点
リピート系FXは、手間がかからないのとレンジ相場に強いのが裁量トレードにはないメリットです。
ですが、リピート系FXには注意点も存在します。
資産を失うリスクもある重要なポイントなので、しっかり理解しておきましょう。
トレンド相場に弱い
リピート系FXの最大のデメリットは、トレンド相場に弱い点です。
リピート系FXは、レンジ相場で以下の状況が長く続くことで、継続して利益を出し続けることができます。
- 買い注文を出した後に相場の値が下がっても、後から戻して買値よりも上がる
- 売り注文を出した後に相場の値が上がっても、後から戻して売値よりも下がる
逆に言えば、買い注文を出した後に相場の値が下がり、戻らずにそのまま下落を続けた場合、売り注文が出せないので含み損が膨らみ続けていきます。
また最悪の場合はロスカットとなり、FXに投じた資金の大半を失うことになりかねません。
リピート系FXで利益を上げ続けるためには、トレンド相場をどう乗り切るかがカギとなります。
金利の高い通貨は苦手
リピート系FXは、金利の高い通貨を選ぶと勝率が落ちる可能性が高いです。
レンジ相場で買値よりも高くなるのを待つリピート系注文は、金利差のある通貨ペアを選べば、スワップポイントを得るのに最適な取引方法に見えます。
ですが、金利の高い通貨ならではのリスクがあるためおすすめはできません。
金利の高い通貨は、インフレ率が高いなどその通貨を発行している国の情勢が不安定なことが多く、問題が起きた時に相場が暴落して一方的に値が動く可能性があります。
一方的に値が動いた場合、その後の値動きは2パターンに分かれます。
- 元の水準の値に戻る
- 元の水準に戻らずにそのまま下落を続ける
元の水準に値が戻れば、リピート系FXが得意なレンジ相場が続く可能性があるので問題はありません。
元の水準に戻らずにそのまま下落や高騰が続くと、それは「トレンドの発生」を意味します。
この場合、リピート系FXで買い注文を出しても売り注文が出せず、含み損が増えていきます。
暴落や高騰後に値を戻すのか、それともトレンドが発生するのかは誰にも分からずリスクが高いので、値が一方的に動きやすい通貨は避けましょう。
リピート系注文の上手な使い方
ここからは、リピート系FXで利益を出すための上手な使い方について解説します。
レンジ幅を広く取る
リピート系FXで資産を運用する上で重要なのは、レンジ幅を広く取るということです。
例えば、米ドル/円の過去1年間の値動きが103円~111円で推移した場合、今後も103円台や111円台になる可能性は十分にありえます。
このような状況で、例えばリピート系FXの取引レンジ幅を105円~109円で設定すると、価格が103円を下回った場合や109円を上回った場合に決済注文ができず、含み損が大きくなってしまいます。
含み損の取引を増やさないためにも、レンジ幅は最低でも過去1年分の最安値と最高値を含ませるようにしましょう。
レンジ内の下半分には買い注文のみを、上半分には売り注文のみを設定する
リピート系FXでリスクを抑えながら利益を上げるには、レンジ内の下半分には買い注文のみを、上半分には売り注文のみを設定するのが有効です。
この取引手法は「ハーフ&ハーフ」と呼ばれているため、ここではハーフ&ハーフで解説します。
ハーフ&ハーフのメリットは、含み損が増えにくくなる点です。
例えば、米ドル/円のレンジ幅を100円~120円で設定したら、100円~110円に買い注文を、110円~120円に売り注文を出します。
- 価格が109円の時に買い注文をした場合、価格が100円に落ちると9円分マイナスの状態です。
- 価格が115円の時に売り注文をした場合、価格が100円に落ちると15円分プラスの状態になります。
売り注文はあらかじめ設定しておいた利益幅で利益確定しているので、この場合は9円マイナス分だけが含み損として残ります。
対して、ハーフ&ハーフを採用せずに109円でも115円でも買い注文を出している場合、合計で24円分が含み損となっている状態です。
このようなリスクを避けるために、ハーフ&ハーフは有効な手段なので検討してみるといいでしょう。
リピート系FXに向いている通貨ペア
リピート系FXには、適している通貨ペアがあります。
リピート系FXに向いている通貨ペアは、豪ドル/円とNZドル/円です。
豪ドル/円とNZドル/円は、レンジ相場が多く値動きもそれなりにあるため、リピート系FXの初心者が最初に選ぶ通貨ペアとしておすすめです。
また、米ドル/円も同じ理由で適しています。
上記3つの通貨ペアの中から1つではなく、複数のペアを運用することでリスクを分散しながら利益を狙っていくのがポイントです。
リピート系FXのQ&A
Q.リピート系FXのメリットとデメリットは?
A.メリットは、裁量トレードのようにチャートに張り付いてトレードする必要がないためFXに時間を取れない人でも取引に参加できる点と、FX初心者でも取り組みやすい点です。
またレンジ相場で利益を出せるのも、レンジ相場が比較的多いFXと相性が良くメリットと言えます。
デメリットは、レンジ相場からトレンド相場に転換すると利益を出しづらくなる点です。
Q.リピート系FXは初心者でも実践できる?
A.リピート系FXは、FX初心者でも実戦可能な取引手法です。
FX会社の中には初心者でも取引しやすい会社もあり、トライオートFXとみんなのリピート注文、セントラルミラートレーダーが特におすすめです。
まとめ
リピート系FXは、初心者でも始めやすい取引手法です。
注意点やリスクはもちろんありますが、正しい運用方法を学び最適な通貨ペアを選ぶことで、リスクを分散させながら利益を積み上げられる可能性が高いです。
これからFXを始める方でリピート系FXに興味がある方は、この記事を参考にリピート系FXに取り組んでみてくたさい。
(監修:牧野章吾)