積立FXとは?利用するメリット・デメリットや取引の流れを解説

FXの基礎知識

積立FXは、FX取引の仕組みを利用して外貨を積み立てる投資方法です。

FXと聞くと、ハイリスクな投資だと考える方もいるでしょう。しかし、積立FXはハイリスクにならない仕組みが整えられており、FX初心者でも挑戦しやすい投資手法です。

通常のFXと異なる点や、積立FXのメリット・デメリットなどを解説します。

この記事を読めば、積立FXを始めるべきかどうか判断できるので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

積立FXとは?通常のFXと異なる点

積立FXとは、あらかじめ指定した日時に外貨を自動的に購入する投資方法です。

通常のFXトレード「裁量取引」と異なる点は、以下の通り。

レバレッジの上限 取引方法 スプレッド
裁量取引 最大25 自分で売買のタイミングを見つけて購入する 狭い
積立FX 最大3 指定日時に自動で売買される やや広い

取引結果に影響を及ぼす3つの項目に違いがあるので、自分の意向に合ったFX取引サービスを選択することが大切です。

積立FXはどんな方におすすめ?

積立FXは次のような方におすすめです。

  • コツコツ外貨投資をしたい方
  • 手間をかけずに投資を始めたい方
  • リスクを抑えて投資をしたい方

積立FXは、中長期的に投資することで利益を出す取引スタイルです。スプレッドが広いので、裁量取引と比較すると1取引あたりの利益は多くありません。

よって一攫千金ではなく、コツコツと外貨投資をしたい方に適しています。

また積立FXは、取引方法がシンプルです。具体的には、購入通貨・購入額・購入頻度・レバレッジを設定すると自動で運用してくれます。

そのため、為替相場を分析する手間をかけずに投資を始めたい方にもおすすめです。

積立FXは、裁量取引と比べるとレバレッジが3倍までと低く抑えられています。FXのメリットを享受しつつリスクを抑えたい方は、積立FXをするとよいでしょう。

積立FXができるFX会社2選

積立FXができるおすすめのFX会社を2社紹介します。

  • SBI FXトレード
  • 外為どっとコム

SBI FXトレード

SBI FXトレードは、国内大手金融グループのSBIホールディングスが運営するFX会社。

次のようなFX取引において重要な項目がどれも優れており、個人投資家から強い支持を受けている最大手のインターネット証券会社です。

  • スプレッドの狭さ
  • 情報力
  • 財務基盤

SBI FXトレードは、即時信託保全サービスを導入しています。入金するとすぐに資金が信託保全されるので、万が一同社が倒産しても預けている資産はなくなりません。

積立FXは長期的に行う投資なので、資産を安心して預けられるかどうかは重要なポイントです。積立FXを始めるなら、まずはSBI FXトレードに登録すれば間違いないでしょう。

外為どっとコム

外為どっとコムは、豊富な情報提供力と取引コストの低さを武器に、業界をけん引してきたFX会社。業界ではじめて30万口座を達成するなど、優れた実績がある会社です。

外為どっとコムは、2021年5月9日に「らくらくFX積立」をリリースしました。

同サービスの取扱通貨ペア数は、SBI FXトレードよりも1ペア多い10通貨ペア。直感的に理解できるデザインの取引ツールに定評があり、そのなかでもスマホアプリが使いやすいと評判です。

積立FXを利用するメリットとデメリット

積立FXを利用するメリットとデメリットをお伝えします。

積立FXを利用するメリット

積立FXを利用する主なメリットは次の4つです。

  • 初心者でも始めやすい
  • 分析の手間が省ける
  • 1通貨から取引できる
  • 貯蓄性が高い

1.初心者でも始めやすい

積立FXは注文方法を設定するだけで、以降は自動的・定期的に買付をしてくれます。

注文方法や通貨ペアは限られているので、複雑な設定方法を覚える必要もありません。

手軽に外貨投資をしたい方は、積立FXを始めるとよいでしょう。

2.分析の手間が省ける

積立FXでは自動的に買付がされるので、為替相場や市況動向の分析をすることなくポジションを大きくできます。

分析をすることは重要ですが、仕事が忙しくてなかなか時間を確保できない方は少なくないはず。

分析の手間を省き、リスクを分散しながら投資できる積立FXは魅力的な手法でしょう。

3.1通貨から取引できる

積立FXは、1通貨から取引できます。

たとえば米ドル/円であれば、約110円から取引できます。コツコツ資産運用したい方や、小額から投資を始めたい方におすすめです。

4.貯蓄性が高い

積立FXで購入した通貨には、スワップポイントが付与されます。スワップポイントとは、通貨ペアの金利差から得られる利益のこと。

金額自体は小さいですが、スワップポイントを再投資することで加速度的に積立額を増やせます。再投資を繰り返すと、自然とポジションが大きくなっていくでしょう。

積立FXを利用するデメリット

積立FXを利用するデメリットをお伝えします。

  • 裁量取引よりもスプレッドが広い
  • 購入タイミングが変更できない

1.裁量取引よりもスプレッドが広い

積立FXのスプレッドは裁量取引よりも広く、1取引あたりのコストが割高です。

たとえば米ドル/円のスプレッドでは、次のような差があることが珍しくありません。

  • 裁量取引:0.2銭~0.3銭
  • 積立FX:5銭

取引コストが高い点は、積立FXのデメリットとして認識しておきましょう。

2.購入タイミングが変更できない

積立FXでは、外貨を購入するタイミングを変更できません。タイミングを変更したい場合は一度条件を取り消し、再度設定し直す必要があります。

購入額の増減や外貨の買付・売却はいつでも手動で行えますが、購入タイミングは変更できない点を理解しておきましょう。

積立FXの取引の流れ

積立FXの取引の流れについて解説します。大まかな流れは次の通りです。

  1. 購入通貨ペアと購入額を決める
  2. 購入頻度を決める
  3. スワップポイントを再投資する

①購入通貨ペアと購入額を決める

はじめに、購入する通貨ペアと購入額を決めます。購入できる通貨ペアは、SBI FXトレードで9種類外為どっとコムでは10種類です。

利回りだけを考えると南アランド/円やトルコリラ/円がおすすめですが、これらは価格変動が大きいので注意が必要です。利回りだけでなく、投資の目的とスタイルに合った通貨ペアを選びましょう。

購入額はレバレッジに応じて変動します。大きな損失を出さないように、熟考した上で購入額を決めましょう。

②購入頻度を決める

購入頻度は、毎日・毎週・毎月の3種類から選べます。

  • 毎日:営業日の決まった時間
  • 毎週:決まった曜日
  • 毎月:決まった日にち

それぞれ決まった日時に自動で購入されるので、上記を参考にして頻度を決めましょう。

③スワップポイントを再投資する

スワップポイントは都度引き出さずに再投資すると、投資効率を加速度的に高められます。

積立FXは中長期的に行うことが多いので、再投資と相性がよいことは間違いありません。

再投資した直後はあまり変化がなくても、長期的には効果の大きさを実感できるはずです。

独自の投資スタイルを確立していない方は、スワップポイントを再投資することをおすすめします。

外貨預金より積立FXがおすすめな理由

積立FXと外貨預金では、どちらのほうがよいのでしょうか。

投資の目的は人によって異なるので、一概に正解を決めることはできません。

しかし以下2つの理由により、迷う方には積立FXがおすすめです。

  • レバレッジが活用できる
  • スワップポイントを再投資できる

1.レバレッジが活用できる

外貨預金では、レバレッジを活用できません。一方、積立FXはレバレッジをかけられるので、投資効率を高められます。

もちろん、レバレッジを活用することにはリスクがあります。ですが、積立FXでは最大倍率が3倍とかなり制限されているので、裁量取引ほどの大きなリスクはありません

リスクを抑えつつ自己資金以上の投資をしたい方には、レバレッジを活用できる積立FXがおすすめです。

2.スワップポイントを再投資できる

外貨預金の場合は、適用金利分の利子を満期時に一括で受け取ります。あらかじめ決められた利子をほぼ確実に受け取れる点は魅力的ですが、複利の力は活用できません。

対して積立FXでは、スワップポイントを再投資することで投資効率を高められます。複利の力を活用できる点も、積立FXならではのメリットといえるでしょう。

積立FXに関するQ&A

積立FXに関してよくある質問に回答します。本格的に運用を開始する前に、疑問を解消しておきましょう。

  • 複数の通貨を購入することは可能ですか?
  • 積立ではなく、すぐに通貨を購入できますか?
  • 指値注文はできますか?
  • ロスカットルールはありますか?

1.複数の通貨を購入することは可能ですか?

買付余力の範囲内であれば、複数の通貨を購入できます。

スワップポイントが多く受け取れる高金利通貨と大きく価格変動しない安定通貨など、さまざまな組み合わせが可能です。

2.積立ではなく、すぐに通貨を購入できますか?

指定日時ごとの買付以外でも、すぐに通貨を購入できます。一時的な急落時など、積立分以外に購入したいときには別途注文するとよいでしょう。

3.指値注文はできますか?

FX会社によって異なります。SBI FXトレードでは指値注文ができますが、外為どっとコムでは指値注文ができません。

指値注文をしたい方は、事前に取引ルールを確認した上で証券会社を選びましょう。

4.ロスカットルールはありますか?

SBI FXトレードと外為どっとコムでは、口座の「有効比率」がロスカットレベル(30%)を下回った際にロスカットが執行される仕組みを採用しています。(2022年9月時点)

もし上記以外の証券会社を利用する場合は、ロスカットルールを確認しておきましょう。

まとめ

積立FXは、事前に指定した日時に自動で外貨を購入する投資手法です。通常のFXのように一度にまとめて買付をしないので、リスクを分散しつつ外貨に投資できます。

裁量取引のように高度な分析をする必要がなく、少ない資金で始められる点も魅力的です。

投資初心者でも挑戦しやすい手法なので、外貨投資に興味がある方は積立FXを始めてみるとよいでしょう。

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