FX取引をする上で、取引ツールはトレードの成否を分けるほど重要なものです。
なかでも「MT4」は、多くのトレーダーに愛用される世界的に有名な取引ツールです。
しかし、MT4の存在を知っていても、詳細や使い方がわからない方は少なくないでしょう。
MT4の特徴やデメリット、MT4が使える国内FX会社を紹介します。
FX取引において、取引ツールの選択はパフォーマンスの成否を分けるといっても過言ではありません。次のように、取引ツールに依存する要素は非常に多くあります。
- 分析の精度
- レートの動作の正確さ
- 遅延の少なさ
- 発注機能の操作性
- 注文の変更方法
MT4は、これらの要素をクリアした取引ツールです。
そして「OANDA Japan」は、MT4を提供する国内FX業者のなかでも、確かなサーバーや豊富な情報量、約定スピードなど、トレーダーにとって最適な取引環境を構築することに力を注いでいます。
無料で使えるので、MT4の利用経験がない方はぜひ優れた取引環境を体験してください。
MT4とは?何ができるの?
MT4は、ロシアで発足したMeta Quotes社が開発した取引プラットフォームです。750社以上の金融機関に採用されており、世界中のトレーダーに愛用されています。
MT4の主な特徴は、以下の通りです。
- あらゆる金融商品の取引が可能
- 豊富な分析ツール
- 自動売買EAを利用できる
- バックテストも可能
1.あらゆる金融商品の取引が可能
国内業者の取引プラットフォームは、FX用・株取引用・CFD用と分かれていることが多いです。そのため、取引する金融商品を変更する度に口座も変更しなければいけません。
一方MT4では、FX・CFD・先物といった金融商品を一つのプラットフォームで取引できます。ゆえに、口座変更などの面倒な手続きは不要であり、常に監視対象の値動きを見てタイムリーに取引できます。
FXだけでなく複数の金融商品を取引する方には、MT4は便利なツールといえるでしょう。
2.豊富な分析ツール
MT4には、豊富なチャート分析ツールが搭載されています。
MT4で標準搭載されている代表的な分析ツールは、以下の通りです。
【トレンド系テクニカル指標】
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- エンベロープ
- 一目均衡表
- パラボリックSAR
【オシレーター系テクニカル指標】
- MACD
- RSI
- ストキャスティクス
- ATR(Average True Range)
【描画ツール】
- トレンドライン
- 水平線
- フィボナッチ・リトレースメント
- フィボナッチ・エクスパンション
- フィボナッチ・タイムゾーン
- ギャンファン
- ギャンライン
- アンドリューピッチフォーク
上記の他にも、取引量の大きさ(出来高)を採り入れたテクニカル指標や、アメリカの有名なトレーダー「ビル・ウィリアムス」が紹介したテクニカル指標が搭載されています。
また、MT4の特徴の一つである「カスタムインジケーター」は、トレーダーにとって非常に魅力的です。
MT4は独自のプログラミング言語「MQL」を使用しており、この言語を用いることで、オリジナルのインジケーター(テクニカル指標)を作成できます。
オリジナルのインジケーターはネット上に多数公開されているので、プログラミングの知識がない方でもまったく問題ありません。
「OANDA Japan」や「JFX」など、FX業者の公式サイトでダウンロードできるものもあるので、気軽に検索すると良いでしょう。
3.自動売買EAを利用できる
MT4はチャート分析に長けているだけでなく、自動売買EAも利用できます。フルカスタムが可能なので、プログラミングスキルがある方なら1から作り上げることもできます。
国内業者の自動売買は、業者が提供している独自のソフトを利用することが多いです。加えてカスタムできる場合でも、ある程度の制限があるケースがほとんどです。
MT4は、普段から自動売買を利用している方はもちろん、これから自動売買に取り組みたい方にもおすすめできる取引ツールといえるでしょう。
4.バックテストも可能
MT4では、EAのパフォーマンスを検証するバックテストができます。バックテストとは、過去の為替相場のチャートを使ってEAを検証することです。
自作したプログラムをバックテストせずに本番で利用すると、大きな損失を出してしまうかもしれません。MT4にはバックテストをする機能があるので、利用したいEAがある場合は必ずバックテストで確認しましょう。
MT4のデメリットは?
MT4は使い勝手がよく、高度な分析や自動売買もできることから、多くのトレーダーに愛用されています。ですが、デメリットが一切ないわけではありません。
MT4を使い始めてから戸惑わないように、事前にデメリットを確認しておきましょう。
MT4の主なデメリットは、以下の通りです。
- 初心者には少し難しい
- 成り行きで分割決済ができない
- 取引単位が異なる
- スプレッドが広いケースがある
- PCの電源を切ると稼働しない
1.初心者には少し難しい
MT4には、高度なチャート分析ができる専用ツールが豊富に搭載されています。またMT4はカスタマイズ性が高く、基本的なチャート設定も自由に変更できます。
しかし、機能が多く自由度が高いゆえに、何から手をつければ良いかわからない初心者の方は少なくありません。
たとえば注文方法が英語表記であることは、初心者がつまずきやすいポイントの1つです。参考までに、MT4の注文画面を見てみましょう。
注文種別と書いてあるところで、注文の種類を選択できます。
成行注文は日本語なので、わかりやすいです。チャート画面の左上に、ワンクリック注文ボタンを表示させることもできます。
指値、逆指値注文を選択したいときには、注文種別で「指値注文(Pending order)」を選択してください。
表示される注文の種類は、以下の通りです。
- Buy Limit=買指値注文
- Sell Limit=売指値注文
- Buy Stop=買逆指値注文
- Sell Stop=売逆指値注文
何回か取引すれば慣れますが、初心者の方は少し難しく感じるかもしれません。初めてMT4を利用する方は、最初は苦戦する可能性があることを知っておきましょう。
2.成り行きで分割決済ができない
決済注文を行う際、場合によっては分割で決済したいこともあるでしょう。ですがMT4では、指値・逆指値注文は分割で設定できても、成行決済は分割で行えません。
ただ、分割で成行決済を行うためのインジケーターは存在します。MT4で成行注文を分割決済したい場合には、専用のインジゲーターをダウンロードしましょう。
3.取引単位が異なる
MT4はロット表記であり、基本的に1ロット=10万通貨です。よって慣れるまでは、取引量の間違いに気をつけなければいけません。たとえば1,000通貨を注文する場合には、0.01と入力する必要があります。
なお取引量自体は、1,000通貨単位(0.01ロット単位)で調節できることがほとんどです。MT4を使い始めて間もない頃は、取引量を十分に確認してからトレードをしましょう。
4.スプレッドが広いケースがある
国内業者は、非常に狭いスプレッドを提供していることが多いです。一方、MT4口座の場合は、通常口座よりもスプレッドが少し広いケースがあります。
スプレッドは取引の都度かかりますし、取引量が増えれば大きなコストになりかねません。
MT4を利用する際には、必ずスプレッドを確認しましょう。コストが気になる場合は、利用を控えたり、スプレッドが通常口座と同等の業者を利用したりすることが大切です。
5.PCの電源を切ると稼働しない
MT4は、PCの電源を切ると稼働しません。当然のことに思われるかもしれませんが、自動売買を利用するトレーダーにとっては非常に重要な問題です。
MT4では自動売買EAを利用できますが、PCの電源を落とすとEAの取引は停止されてしまいます。MT4で自動売買EAを利用する際には、仮想サーバー「VPS」の利用を検討するなど独自の対応が必要です。
これからMT4を利用する方は、PCの電源を落とさないように注意しましょう。
MT4が使える国内FX会社を選ぶ際のポイント3つ
多くの海外トレーダーが愛用するMT4は、2021年時点で国内業者でも使えるようになってきました。
ただ、業者によっては一部機能に制限があるので、MT4が使える国内FX会社を選ぶ際には注意が必要です。
MT4が使える国内FX業者を選ぶ際のポイントは、以下の3つです。
- 取引に使える
- スプレッドが狭い
- オリジナルインジケーターがある
1.取引に使える
FX会社のなかには、MT4を分析用として提供するところがあります。分析用としてMT4を提供する会社では、実際の取引でMT4を使用できません。
この場合は、注文用に業者独自の取引ツールを起動させて、MT4でチャート分析などをする必要があります。画面に多くのウィンドウが並ぶことになるので、ノートPCや小さなデスクトップPCでは使いづらさを感じるかもしれません。
また起動させるソフトが増えると、PCへの負担が大きくなり、チャートの動きに支障が出る可能性もあります。
複数枚のモニターや高性能のPCがあれば問題ありませんが、環境整備が難しい方は、MT4を取引にも使用できる業者を選びましょう。
2.スプレッドが狭い
スプレッドが広いFX会社を利用すると、取引量に応じて大きなコストが発生します。MT4を利用する際、スプレッドが狭いほうがお得であることは間違いありません。
スプレッドは各FX会社が設定しており、実際の数値は業者によって異なります。MT4を提供する業者に登録する際には、できる限りスプレッドが狭い会社を選びましょう。
3.オリジナルインジケーターがある
MT4を提供する業者のなかには、独自のインジケーターを用意する会社があります。オリジナルインジケーターは公式サイトからダウンロードできるので、気になるFX会社があればチェックしましょう。
たとえば「OANDA Japan」は、実際の取引で使えるインジケーターを豊富に取り揃えています。
オリジナルインジケーターは、口座開設してログインすれば無料でダウンロードできます。興味があるインジケーターが見つかったら、気軽に使ってみましょう。
3つのポイントを満たした国内FX会社3選
前章で紹介した3つのポイントを満たした、国内のFX業者を紹介します。
MT4が使えるおすすめの国内FX会社は、以下の3つです。
- OANDA Japan
- サクソバンク証券
- FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)
OANDA Japan

出典:OANDA Japan
OANDA Japanは世界7都市に拠点を構え、各国の金融ライセンスを取得し運営しているグローバルなFX業者です。
サイト内の「OANDA FX ラボ」や「OANDA FX エデュケーション」には、さまざまな観点から分析されたトレードに生かせる情報が掲載されています。
FX初心者向けのツール解説など他にも情報が満載なので、FX取引をするなら一度は見ないと損でしょう。
OANDA Japanは、1通貨からの少額取引もできます。「最初から大きな金額で取引するのは少し心配」というFX初心者の方にもおすすめです。
サクソバンク証券

出典:サクソバンク証券
サクソバンク証券は、デンマークのコペンハーゲンに本社を構えるオンライン銀行「サクソバンクA/S」の100%子会社です。
日本の金融庁の許可を得て運営しており、信託保全で顧客の資産を分別管理しているので安心して取引に集中できます。
取り扱い通貨ペアは150種類以上と非常に豊富であり、高いスワップポイントや狭いスプレッドなど、優れた取引環境を提供しています。
多機能の独自取引ツール「SaxoTrader GO」や「SaxoTrader PRO」だけでなく、MT4やTrading Viewといった人気が高い外部ツールを提供している点も魅力的です。幅広い取引ツールを取り揃えるFX会社を利用したい方は、サクソバンク証券に登録しましょう。
FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン)

出典:FXTF
FXTFは、ゴールデンウェイ・ジャパンが運営する国内FX業者です。預け入れた資産は信託保全によって管理されるので、FX取引をするにあたって資産の紛失を心配する必要はありません。
FXTFの最大の特徴は、極めて狭いスプレッドと豊富なオリジナルインジケーターです。スプレッドはドル円で0.1銭・ユーロドル0.2銭と業界最狭水準、MT4で使えるオリジナルインジケーターは30種類以上あり実践的なものばかりです。
インジケーターの細かい数値が設定された定型チャートが提供されているので、複雑な設定が苦手な方でもすぐにチャート分析を開始できます。なお、インストール方法やインジケーターの表示方法は、公式サイトにて画像つきで解説されています。

出典:FXTF
MT4を初めて利用する方でも、取引しやすいFX会社といえるでしょう。
「国内のFX会社」と「海外のFX会社」はどちらが良いの?
MT4を提供する国内の業者は少ないですが、海外ではほとんどのFX会社がMT4を提供しています。MT4が使える業者を探す方のなかには、国内・海外のFX会社の違いが気になる方もいるでしょう。
そこで本章では、国内と海外のFX会社を比較する際のポイントを紹介します。以下3つのポイントについて、順番に確認していきましょう。
- レバレッジ
- スプレッド
- 税率
1.レバレッジ
国内FXは、金融庁の規制により最大レバレッジが25倍までと定められています。
一方、海外FXは規制の対象外なので、1,000倍など過度なレバレッジ設定が可能です。
レバレッジを大きくかければ、小さな資金でも一攫千金を狙えます。ただ、オーバーポジションとなり、短期間で大きな損失を被る可能性も当然あります。
慣れないうちに大きなレバレッジをかけるのは、非常にリスクが高いです。自分の取引スタイルが確立するまでは、国内FXで取引をするほうが安全でしょう。
2.スプレッド
海外FXのスプレッドは、国内FXのスプレッドと比較して広い傾向があります。
スプレッドが広いFX会社では、回数を重ねるごとに取引コストが収益を圧迫します。業者によっては1pips以上の差があり、決して見過ごせるものではありません。
海外FXには、約定力の高さとスプレッドの狭さを売りにした口座タイプも存在します。
ですがこのようなFK会社では、スプレッドとは別に取引ごとの手数料がかかります。取引コストの面で考えても、国内FXのほうが有利な環境といえるでしょう。
3.税率
国内FXで稼いだ所得にかかる税率は、一律で20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)です。
一方、海外FXは累進課税であり、所得が増えるほど税率が上がります。
海外FXで稼いだ所得に適用される累進課税の税率は、以下の通りです。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円 から194万9,000円まで | 5% | 0円 |
195万円 から329万9,000円まで | 10% | 9万7,500円 |
330万円 から694万9,000円まで | 20% | 42万7,500円 |
695万円 から899万9,000円まで | 23% | 63万6,000円 |
900万円 から1,799万9,000円まで | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円 から3,999万9,000円まで | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円 以上 | 45% | 479万6,000円 |
上記に加えて、住民税も一律で10%課税されます。大きく利益を上げられる場合は、国内FXのほうが圧倒的に有利です。
また、海外FXのなかには、出処が不詳な詐欺まがいの業者も多数存在します。利益を上げても出金できなかったり、理由なく口座を凍結されたりするケースは少なくありません。
危険な海外FX業者は金融庁から警告されているので、十分に気をつけましょう。
MT4に関するQ&A
MT4についてよくある質問をまとめました。これからMT4を使う方は、事前に確認しておきましょう。
MT4についてよくある質問は、以下の通りです。
- MT4にログインできません
- MacでMT4を利用したい
- 全ての通貨ペアが表示されていない
1.MT4にログインできません
MT4にログインするためには、パスワードとログインIDが必要です。パスワードはFX業者から提供されたり、自分で設定したりします。
他にも、MT4を起動するためには、サーバーの入力が必要です。
複数のサーバーが存在することもあるので、業者指定のサーバーを正しく選択してください。
2.MacでMT4を利用したい
MacでMT4を利用できるかどうかは、FX会社によって異なります。現在使っているFX会社があれば、公式HPなどで確認しましょう。
なお、もしMacに対応していなくても、ウェブブラウザ版のMT4であればデバイスを問わず利用できます。MT4はスマホアプリ(iPhone・Androidともに利用可)もあるので、必要に応じてダウンロードしてください。
3.全ての通貨ペアが表示されていない
MT4で取引できる通貨ペアは「気配値表示」に表示されています。「気配値表示」ボタンは、チャート左上の「表示」タブをクリックすると現れます。
「気配値表示」を表示させたら、任意の通貨ペア上で右クリックしてください。「すべて表示」を選択すると、取引可能な全通貨ペアが表示されます。
まとめ
世界中のトレーダーが愛用するMT4について、特徴やデメリットなどを解説しました。
MT4は、無料で使えるFXの取引ツールです。MT4を使いこなせば、高度な分析や自動売買が容易にできます。最初は難しく感じる方が多いですが、操作に慣れれば日々のトレードに役立てられることは間違いありません。
MT4を提供する業者は徐々に増えていますが、国内ではまだ数えるほどしかありません。まずは本記事で紹介した国内FX会社に登録して、少しずつMT4に慣れていきましょう。
(監修:牧野章吾)