FX取引において、通貨ペアの選択は非常に重要です。
通貨ペアによって、値動きの大きさや取引量が異なることによって、突発的な値動きがあったり、通貨の発行国の経済情勢によっては為替レートの変動リスクが大きかったりします。
今回は、通貨ペアの基本を解説しつつ、数ある通貨ペアのなかでも、特に初心者が取引する際におすすめの通貨ペアをお伝えします。
初心者が通貨ペアを選ぶ際のポイント4つ
実際にFX取引をする上で、初心者が気をつけるべき、通貨ペアを選ぶ際のポイントをお伝えします。
主なポイントは、以下の4つです。
- 通貨ペアの取引量
- 通貨ペアのボラティリティ
- 通貨発行国の経済の安定性
- スワップポイント
詳しく確認していきましょう。
①通貨ペアの取引量
取引量は、値動きに影響します。
取引量が多ければ値動きは安定しますが、取引量が少ないと荒い値動きとなります。
取引量の少ない通貨ペアは、突発的に大きな値動きが発生し、取引の難易度が上がります。
世界で流通している通貨の取引量の順位は、以下の通りです。
- 米ドル
- ユーロ
- 日本円
- ポンド
- 豪ドル
最初は、取引量上位の通貨同士のペアを取引しましょう。
②通貨ペアのボラティリティ
ボラティリティとは、値動きの変動率のことです。
初心者が最初に取引するなら、クロス円通貨、なかでも米ドル円やユーロ円がおすすめです。
米ドル円、ユーロ円は安定的に取引がされており、ボラティリティも大きすぎず小さすぎず、落ち着いて値動きを観察できる通貨ペアと言えます。
一般的には、ボラティリティが大きいと取引が難しくリスクが高いと言われていますが、短時間で大きな値動きが期待できることから、利益を得やすいとも考えられます。
先進国通貨の中で、最もボラティリティが大きいのはポンドです。
そのボラティリティの大きさから、「殺人通貨」や「悪魔の通貨」の異名を持ちます。取引の際は十分に注意しましょう。
ボラティリティの大きさは、チャートを見て値動きの幅を測ってもわかりますが、FX業者の公式サイトに通貨ペアのボラティリティ一覧表がありますので、そちらを確認しましょう。
ボラティリティの一覧表がある代表的なFX業者を以下に挙げます。
たとえば、ヒロセ通商のボラティリティ表だと、任意の期間の合計ボラティリティの順位や営業日ごとの順位を選択して表示できます。

出典:ヒロセ通商
上記画像の設定だと、4月19日~4月25日の営業日ごとのボラティリティ順位が、以下のように表示されます。

出典:ヒロセ通商
これを見ても分かる通り、最もボラティリティが大きい通貨ペアは、ポンド豪ドルです。
他には、ユーロとの通貨ペアも比較的ボラティリティが大きいことがわかります。
ボラティリティの大きな通貨ペアの取引は、FX取引に慣れてから、通常よりも取引量を落として始めましょう。
③通貨発行国の経済の安定性
通貨発行国の経済の安定性は、通貨の価格の変動に影響を与えます。
アメリカや日本は経済的にも安定しており、戦争によって侵略されたり、混迷をきたしたりするリスクが低いので、有事の逃避通貨・安全通貨と言われることもあるほどです。
一方、新興国は経済的に不安定で、内戦があったり、政治が独裁的であったりするので、通貨の価格も乱高下することがあります。
実際に、高金利通貨として人気のトルコリラは、2021年3月、大統領が中央銀行総裁の解任を突然発表したことで、大きく値が下がり、FX取引にも影響が出ました。
経済の安定性や、政策の透明性なども考慮して、取引通貨ペアを選定しましょう。
④スワップポイント
スワップポイントとは、通貨ペアを保有して日をまたいだ際に付与されるポイントです。
1つのポジションを長期的に保有するスイングトレードをメインに取引する方は、スワップポイントが高い通貨ペアであれば保有しているだけで利益になります。
スワップポイントは、高金利通貨を買い、低金利通貨を売るとプラスになり、逆に高金利通貨を売り、低金利通貨を買うとマイナスのスワップポイントとなります。
たとえば、トルコリラ円の場合、買いポジションを保有するとプラスになり、売りポジションを保有するとマイナスになります。
昨今の低金利政策により、プラスのスワップポイントは小さくなり、マイナスのスワップポイントが大きくなる傾向にありますので、長期的な取引をする際は、売買方向に十分に注意しましょう。
また、スワップポイントは通貨発行国の政策金利に大きな影響を受ける上に、FX業者によって設定が異なるので、取引前に各業者のスワップポイントを確認することをおすすめします。
長期的な取引を行う際は、取引金額が大きく長期的になるほど、価格変動が与えるポジションへの影響が大きくなります。
それを考慮して、取引量を減らすなどの工夫をすることも重要です。
初心者におすすめの通貨ペア
ここでは、具体的に初心者におすすめの通貨ペアをご紹介します。
通貨ペアの選び方は、取引スタイルやどのような利益を目指すかによりますので、自分がどういった取引をしようとしているのか、考えておきましょう。
為替差益狙いのトレードにおすすめの通貨ペア
為替差益狙いのトレードをする際には、ある程度のボラティリティと安定した取引量が必要です。
なかでも、おすすめの通貨ペアは以下の3つです。
- ドル円
- ユーロ円
- ポンド円
この中では、ドル円の値動きが最も易しく、ポンド円の値動きが最も難しいといえます。
これらの通貨ペアを構成するどの通貨も先進国の通貨であり、取引量も安定して高い水準を保っており、発行国は経済的に強い基盤をもち、透明性が高い政策を実施しています。
長期的な取引にしても、短期的な取引にしても、十分に利益を見込めるボラティリティがありますので、初心者が為替差益を狙うにもおすすめの通貨ペアです。
為替差益狙いのトレードにおすすめのFX業者
為替差益を狙うには、取引コストをなるべく低減することが重要です。
ほとんどのFX業者において、資料トレードにおける取引手数料は無料となっており、買値と売値の差であるスプレッドが実質的な手数料になっています。
為替差益狙いのトレードに、おすすめなスプレッドが狭いFX業者をご紹介します。
- 外為どっとコム
- DMM FX
- SBI FXトレード
外為どっとコム

出典:外為どっとコム
外為どっとコムは、みんかぶ調べ2022年FX会社比較部門別ランキング「総合」部門で1位を獲得した、人気のFX業者です。
1,000通貨からの少額投資が可能なので、数千円の資金で本番トレードに臨めます。
サイト内の情報コンテンツ「マネ育チャンネル」、「外為情報ナビ」では、わかりやすくマーケット情報や取引手法が解説されているので、これからFXを始める初心者の方にもおすすめです。
また外為どっとコムは豊富なキャンペーンを頻繁に開催していますので、機会を逃さないようチェックしておきましょう。
外為どっとコムの主な通貨ペアのスプレッドは以下の通りです。(2022年3月19日時点・原則固定(例外あり))
通貨ペア | スプレッド | 通貨ペア | スプレッド |
---|---|---|---|
ドル円 | 0.2銭 | ユーロドル | 0.3pips(※) |
ユーロ円 | 0.4銭(※) | ポンドドル | 0.7pips(※) |
ポンド円 | 0.7銭(※) | 豪ドル米ドル | 0.5pips(※) |
豪ドル円 | 0.5銭(※) | NZドル米ドル | 1.6pips |
(※)スプレッド縮小キャンペーン対象通貨(対象期間:2022/3/7~2022/4/2、提示時間帯:対象期間中の各営業日午前9時~翌午前3時)
DMM FX

出典:DMM FX
DMM FXはDMMグループが運営するFX業者で、グループが提供しているFXサービス全体の口座開設数は、常にトップクラスです。
取引するほどキャッシュバックを受け取れる「取引応援ポイントキャンペーン」などのうれしいキャンペーンや、漫画でFXを解説する初心者にもわかりやすいコンテンツなどで人気を集めています。
DMM FXのスプレッドは以下の通りです。(2021年5月30日時点)
通貨ペア | スプレッド | 通貨ペア | スプレッド |
---|---|---|---|
ドル円 | 0.2銭 | ユーロドル | 0.4pips |
ユーロ円 | 0.5銭 | ポンドドル | 1.0pips |
ポンド円 | 1.0銭 | 豪ドル米ドル | 0.9pips |
豪ドル円 | 0.7銭 | NZドル米ドル | 1.6pips |
SBI FXトレード

出典:SBI FXトレード
銀行、証券、積立などFXに限らず多くの金融サービスを提供する企業のFXサービスです。
低水準のスプレッドや高スワップも人気の理由ですが、1通貨から取引できるというのも大きな魅力です。
ドル円なら100円前後で取引できます。
大きな利益にはなりませんが、デモ口座よりも本番口座でトレードを体験したいという初心者にはおすすめできる取引環境です。
口座開設とログインで500円受け取れるキャンペーンが行われていますので、入金しなくてもトレードが始められます。
SBI FXトレードのスプレッドは、取引数量によって異なります。
取引数量別のスプレッドは以下の通りです。
なお、提示スプレッドのなかでも、最低スプレッドを掲載しています。
【1通貨~1,000通貨】(2021年4月1日(木)6時00分~2021年5月1日(土)5時30分の実績)
通貨ペア | スプレッド | 通貨ペア | スプレッド |
---|---|---|---|
ドル円 | 0.0銭 | ユーロドル | 0.19pips |
ユーロ円 | 0.3銭 | ポンドドル | 0.50pips |
ポンド円 | 0.69銭 | 豪ドル米ドル | 0.59pips |
豪ドル円 | 0.4銭 | NZドル米ドル | 1.10pips |
【1,001通貨~100万通貨】(2021年4月1日(木)6時00分~2021年5月1日(土)5時30分の実績)
通貨ペア | スプレッド | 通貨ペア | スプレッド |
---|---|---|---|
ドル円 | 0.1銭 | ユーロドル | 0.38pips |
ユーロ円 | 0.49銭 | ポンドドル | 0.50pips |
ポンド円 | 0.99銭 | 豪ドル米ドル | 0.89pips |
豪ドル円 | 0.69銭 | NZドル米ドル | 1.49pips |
【100万通貨超~300万通貨】(2021年4月1日(木)6時00分~2021年5月1日(土)5時30分の実績)
通貨ペア | スプレッド | 通貨ペア | スプレッド |
---|---|---|---|
ドル円 | 0.11銭 | ユーロドル | 0.79pips |
ユーロ円 | 0.5銭 | ポンドドル | 1.61pips |
ポンド円 | 1.00銭 | 豪ドル米ドル | 1.59pips |
豪ドル円 | 0.70銭 | NZドル米ドル | 2.49pips |
スワップポイント狙いのトレードにおすすめの通貨ペア
スワップポイント狙いのトレードなら、高金利通貨を買うトレードをしましょう。
先にご紹介した通り、高金利通貨として人気なのは、南アフリカランド、メキシコペソ、トルコリラなどです。
ただ、これらの高金利通貨は、新興国の通貨であり、経済的に不安定というリスクを抱えていることはすでにお伝えした通りです。
そういったことも考慮して、通貨ペアを選択しましょう。
またスワップポイントは、業者や日によっても異なるので、トレードする前に自分で確認することが大切です。
スワップポイントを狙ったトレードにおすすめな通貨ペアは、以下の通りです。
- 南アフリカランド円
- トルコリラ円
- メキシコペソ円
- ポンドフラン
ポンドフランは、多くのFX業者で高いスワップポイントが設定されている通貨ペアです。
取扱がない業者もありますが、先進国同士の通貨ペアで高いスワップポイントが設定されています。
スワップポイント狙いのトレードにおすすめのFX業者
スワップポイントの設定は、FX業者によって異なります。
スワップポイント狙いのトレードをするなら、高いスワップポイントを設定している業者を選びましょう。
スワップポイント狙いのトレードにおすすめなFX業者は以下の通りです。
- GMOクリック証券
- サクソバンク証券
それぞれ紹介します。
GMOクリック証券

出典:GMOクリック証券
GMOクリック証券は、株式取引、CFD、FXサービスを提供しているオンライン取引業者です。
業界最狭水準のスプレッドや高水準のスワップポイント、扱いやすい取引ツールで初心者から上級者まで人気を集め、FXの取引高は7年連続で世界最高を記録しています。
南アフリカランド円 | トルコリラ円 | メキシコペソ円 | ポンドフラン | ドルフラン | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
買い | 売り | 買い | 売り | 買い | 売り | 買い | 売り | 買い | 売り |
100円 | -160円 | 34円 | -33円 | 40円 | -70円 | 33円 | -36円 | 22円 | -25円 |
※2021年4月23日時点で、1万通貨、一日分の付与
なお、南アフリカランド円とメキシコペソ円のみ10万通貨の付与分となっています。
GMOクリック証券のスワップポイントは、安定的に高い水準に設定されています。
ポンドフランやドルフランなど、先進国通貨同士のペアでも高水準なので、新興国の高金利通貨に比べてリスクを抑えてスワップポイント狙いのトレードができる点もメリットといえるでしょう。
サクソバンク証券

出典:サクソバンク証券
150種類以上の通貨ペアを扱い、MT4やTradeing Viewなど高機能取引ツールを提供していることで人気の、外資系FX業者です。
母体はデンマークのオンライン銀行であるサクソバンクA/Sですが、サクソバンク証券は日本の金融庁の許可を得てサービスを提供していますし、顧客の資金を守るため信託保全のスキームが整っていますので、安心して取引に集中できます。
サクソバンク証券の主な通貨ペアのスワップポイントは以下の通りです。
南アフリカランド円 | トルコリラ円 | メキシコペソ円 | ポンドトルコリラ | フラントルコリラ | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
買い | 売り | 買い | 売り | 買い | 売り | 買い | 売り | 買い | 売り |
15円 | -19円 | 51円 | -65円 | 3.7円 | -8.7円 | -730円 | 588円 | -603円 | 490円 |
※2021年4月23日時点で、1万通貨、一日分の付与
高金利通貨とのクロス円通貨ペアは、他社と比べて高い設定ではありませんが、ポンドトルコリラやフラントルコリラなど、他社にはない通貨ペアでかなり高い設定となっています。
通貨ペアとは?
FXは通貨と通貨をペアにして、その相対的な価格の値動きを取引します。
通貨にはそれぞれ値動きに特徴がありますので、その特徴を掴み、特徴に合わせた取引をすることが大切です。
通貨や通貨ペアの特徴について、お伝えします。
基軸通貨
世界に190以上ある国々のなかでも、世界経済の中心となっている通貨を基軸通貨といい、アメリカの米ドルがそれにあたります。
米ドルは貿易や金融取引でもっとも多く取引されていて、各国の外貨準備もドル建てが最大です。
米ドルを発行しているアメリカは、経済的にも世界の中心であり、その経済や金融政策は透明性が高く、安定した経済成長を続けています。
他国からの干渉を受けずに政策を進める強さもあります。
取引量が多く流動性があるので、いつでも売買ができ、比較的値動きが安定しているのが基軸通貨である米ドルの特徴です。
その影響力の大きさから、アメリカの経済政策や経済指標の発表時には、他国の通貨の価格も大きく変動します。
取引通貨・決済通貨
FXにおける通貨ペアの表記は、2つの通貨を並べて次のように表記されます。
- 米ドル円:USD/JPY
このように表記したときの左側に表記される通貨を取引通貨といい、売買する通貨です。
右側に表記される通貨は決済通貨といい、売買の結果やスワップポイントによって損益が発生する通貨となります。
ただ、多くのFX業者では、その損益が自動的に日本円換算されて取引口座に反映されますので、自分で両替する必要などはありません。
クロス円・ドルストレート
FX取引において、ドル以外の通貨と日本円の通貨ペアをクロス円といいます。
たとえば、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円がクロス円にあたります。
外国為替市場では、通貨の交換の際は基軸通貨である米ドルを介すのが基本です。
たとえば、円をユーロに両替する際はまず円を米ドルにし、米ドルをユーロに替えますので、ユーロ円は米ドル円とユーロドルをかけ合わせたレートとなります。
このような仕組みにより、米ドル以外の通貨同士のペアを、クロス通貨といいます。
また、米ドルとの通貨ペアをドルストレートと呼びます。
ユーロドル、ポンドドル、豪ドル米ドルなどが、ドルストレートです。
メジャー通貨・マイナー通貨
取引量が多く流動性が高い通貨をメジャー通貨といい、取引量が少なく流動性が低い通貨をマイナー通貨といいます。
性格に取引量が定義されているわけではありませんが、以下のグラフで取引量の多い、米ドル、ユーロ、日本円、ポンド、豪ドル、カナダドル、スイスフランあたりまでがメジャー通貨と認識されています。

出典:OANDA Jpan
一方、マイナー通貨の代表は、南アフリカランド、トルコリラ、メキシコペソなどです。
取引量が少ないので値動きが安定せず、突発的に大きな値動きが発生する可能性もあり、初心者には向いていません。
高金利通貨
高金利通貨とは、金融政策による政策金利が高い国の通貨のことです。
高金利通貨としては、豪ドルやNZドルが一般的でしたが、現在はマイナー通貨として挙げた、南アフリカランド・トルコリラ・メキシコペソも、高金利通貨として人気を集めています。
豪ドルを発行しているオーストラリアは先進国、南アフリカやトルコ、メキシコは新興国です。
先進国に比べて、新興国は経済的に不安定であり、政策の透明性にも欠ける点があります。
情報収集が大変なうえに、通貨の価格が急激に動いたり、金利が短期間に大きく変動したりすることもありますので注意が必要です。
通貨ペアの特徴と難易度
よく取引される通貨ペアの特徴とその難易度をご紹介します。
紹介する通貨ペアは、以下の5種類です。
- ユーロドル
- ポンドドル
- 豪ドル円
- フラン円
- ポンド豪ドル
ユーロドル
世界で二番目に取引量の多いユーロと、世界で一番取引量の多い米ドルの通貨ペアです。
取引量が多いだけに、値動きは比較的安定していて、テクニカル分析もしやすいですし、経済ニュースや政治関連のニュース、地政学的なリスクにまつわる情報も取りやすいので、ファンダメンタル分析にも向いています。
ポンドドル
ポンドは取引量の多い通貨ですが、大きな値動きが発生しやすいという特徴があります。
利益を得やすい反面、慌ててトレードすると、何度も大きな損失を被る可能性もあるので、トレードにはある程度の経験が必要です。
豪ドル円
豪ドルの発行国であるオーストラリアは世界有数の資源国として知られ、金や銅の生産量は世界トップクラスですし、主な輸出品目には、石炭や鉄鉱石などが名を連ねます。
そのため、金や銅の価格などが、豪ドルの価格に及ぼす影響は大きく、情報の収集は欠かせません。
かつては高金利通貨として人気があった豪ドルですが、2021年4月時点で政策金利は0.1%となっており、スワップ目的でのトレードに名前が上がることはかなり減ってしまいました。
オーストラリアは、日本よりも市場が開く時間が早いので、豪ドル関連の通貨ペアは、日本時間の午前中に大きな値動きが発生することもあります。
フラン円
永世中立国であるスイスが発行するフランは、地政学的なリスクが低く、世界的に情勢が不安定になってリスクを回避したいときに資金が流れ込む、逃避通貨、安全通貨として知られています。
スイスは対外資産を潤沢に持ち、経常黒字を継続していることや、金保有国であることも、逃避通貨として存在している理由でしょう。
2015年にスイス中央銀行がユーロフランへの為替介入を撤廃したことにより、フランが短時間に大きく高騰しました。
スイス中央銀行による、積極的な為替介入はFXにおけるトレードの際も要注意です。
ポンド豪ドル
ポンド豪ドルは、すでにご紹介した通り、通貨ペアのなかでも最もボラティリティが大きい通貨ペアの1つです。
短時間に大きな利益が見込める一方、大きな損失の可能性も十分にあるので、トレードの際は注意が必要です。
値動きは大きく乱高下することが多く、大きく伸びそうな値動きから一転して、レンジ相場になったりと、気が抜けません。
トレードの経験を積んでからチャレンジしましょう。
通貨ペアQ&A
通貨ペアに関する、よくある質問をまとめました。
おすすめの通貨ペアはどれですか?
どのような取引をしたいと考えているのか、まずははっきりさせましょう。
短期的な取引なのか、長期的な取引なのかによって、おすすめの通貨ペアは異なります。
短期的な取引であれば、ある程度ボラティリティのあるユーロやポンドがおすすめですし、長期的な取引であれば、情報に透明性があり、スワップポイントがプラスである通貨ペアがおすすめです。
通貨ペアの読み方を教えてください。
FXにおける通貨は、アルファベットで省略して表記されることが多いので、混乱する方もいるかもしれません。
以下、代表的な通貨の読み方一覧です。
通貨 | アルファベット表記 |
---|---|
米ドル | USD |
ユーロ | EUR |
日本円 | JPY |
ポンド | GBP |
豪ドル | AUD |
NZドル | NZD |
フラン | CHF |
カナダドル | CAD |
トルコリラ | TRY |
南アフリカランド | ZAR |
メキシコペソ | MXN |
まとめ
今回は、おすすめの通貨ペアや通貨ペアの特徴をご紹介しました。
まずは取引量が多く、値動きが安定していて、情報の収集がしやすい通貨ペアを取引しましょう。
その上で、取引スタイルや取引の習熟度に合わせて通貨ペアを選択していくと、負担が少ない取引ができます。
(監修:牧野章吾)