スワップポイントとは?FX初心者向けにおすすめ業者や注意点を解説!

FXの基礎知識

外国為替証拠金取引、いわゆるFX取引(以下FX取引)を始めるきっかけとして人気のスワップポイント。しかし、正しくその意味を理解している人は多くないと思います。

利益に直結するスワップポイントの理解なくしてFXで儲けることは難しいでしょう。それほどまでに重要な概念なのです。

今回はFX初心者の方に向けて、スワップポイントの意味や決定要因、そしてスワップポイントを多く提供している業者などについてお伝えしていきます。

スワップポイントとは?

スワップポイントとは、異なる通貨間の金利差を調整するものです。

FX取引では、「米ドル/円」や「米ドル/ユーロ」のように2つの異なる通貨を指定して運用します。この2つの通貨の組み合わせを通貨ペアと言います。

通貨ペアの見方ですが、”分子の通貨で分母の通貨を取引している“という見方をします。米ドル/円の買いというのは、円で米ドルを買っていることを意味します。

ここで問題なのは、各通貨に適用される金利が異なることです。そのため、通貨ペア間で金利に差分が発生します。この差分を調整するものがスワップポイントなのです。

スワップポイントを受け取るとは?

スワップポイントは通貨ペア間の金利調整額ですが、FX取引では誰がスワップポイントを受け取るのでしょうか。

スワップポイントは、通貨を取引しているFXトレーダーが受け取ることができます。

スワップポイントを受け取るためには、金利の低い通貨を売り、金利の高い通貨を買う必要があります。

米ドル/円で言えば、2020年11月現在米ドル金利は円金利よりも高いため、円で米ドルを買う、つまり米ドル/円を買い建てることでスワップポイントを受け取ることができます。

スワップポイントは、ポジションを保有している日数分付与されます。

※ポジション:日本語で「持ち高」のことであり、FXでは「通貨を買っている(売っている)」という状況を表します。

ちなみに、毎週木曜日では土日分を含めた3日分のスワップポイントを受け取ることができます。

木曜日に限らず、祝日がある前々日には祝日分を含めた数日分のスワップポイントを受け取ることができるので、普段より多く利益が積み上がります。

スワップポイントを支払うとは?

反対に、金利の高い通貨を売り、金利の低い通貨を買った場合はどうなるでしょうか。

この場合、FXトレーダーがスワップポイントを支払うことになります。つまり、損失が発生するのです。

米ドル/円で言えば、米ドル/円を売り建てている場合、決済するまで日々スワップポイントを支払うことになります。

支払いですが、取引口座から直接引き落とされるわけではなく、未決済の間は含み損として扱われるので、厳密には損失が確定しているわけではありません。決済日にはじめて損失として確定されます。

スワップポイントを受け取る・支払うタイミング

スワップポイントが精算されるタイミングはFX業者によって異なりますが、概ね取引日が終了するときです。

FX取引では、ニューヨーク市場の終了がその取引日の終了となりますが、夏時間と冬時間によって取引時間が異なります。

  • 夏時間:3月の第2日曜日~11月の第1日曜日   ⇨ 日本時間のAM5:50
  • 冬時間:11月の第1日曜日~翌年3月の第2日曜日 ⇨ 日本時間のAM6:50

FX業者によって異なりますが、概ね5:30〜7:00までの間にスワップポイントが精算されるケースがほとんどです。

つまり、スワップポイントを受け取りたい場合は、翌日の早朝までポジションを保有する必要があります。

反対にスワップポイントを発生させたくない場合は、翌日の早朝までポジションを持ち越さないようにしましょう。

スワップポイントの決定要因

スワップポイントは固定ではなく、日々変動していきます。変動する要因には様々ありますが、主に政策金利と短期金利によって決定されます。

政策金利の動向

スワップポイントを決定する要因の一つに、政策金利があります。

政策金利とは、国の金融政策を司る中央銀行が、金融機関に貸し付ける金利のことです。政策金利が高い国の通貨はスワップポイントも多い傾向にあります。次の表で確認していきましょう。

政策金利 買スワップ(円) 売スワップ(円)
英国 0.10% 21円 -30円
米国 0.25% 21円 -30円
南ア 4.25% 180円 -240円
中国 4.35% 180円 -300円

※2020/11/26時点 ※参考:SBI証券「スワップ金利表」

英国や米国のように、政策金利が低い国の通貨のスワップポイントは少ないことが分かります。

一方で、中国や南アフリカランドなど政策金利が高い国の通貨のスワップポイントは多いことが分かります。

政策金利がスワップポイントを決定する大きな要因の一つなので、取引通貨ペアを選択する際は政策金利を確認するようにしましょう。

短期金利の動向

短期金利の動向もスワップポイントに影響を与えます。

短期金利とは、1年以内のお金のやり取りをする短期金融市場に適用される金利です。短期金利は日々変動するため、スワップポイントも日々変動するのです。

短期金利の上昇はスワップポイントの上昇要因なります。しかし、通貨ペア間の金利差がスワップポイントを決定するので、両通貨の金利が上昇した場合には、スワップポイントは理論上変動しません。

あくまで金利差が拡大してはじめてスワップポイントは大きくなるので、両通貨の金利動向をチェックしていきましょう。

ただし、金利差が拡大してもスワップポイントが変動しない場合もあります。スワップポイントの決定方針は各業者によって異なるので、注意する必要があります。

スワップポイントの計算方法

スワップポイントの計算方法をお伝えします。

今回お伝えするスワップポイントの計算は、あくまで理論上の値を算出するものです。

実際はFX業者がコストを差し引いたり金利情勢を加味したりして、理論上のスワップポイントとは異なる水準を提示していきます。

それでも取引通貨ペア選びの参考にはなるので、スワップポイントを重視する方は計算式を覚えても損はないでしょう。

計算式は次の通りです。

  • 為替レート×保有数量×通貨間の金利差=年間のスワップポイント
  • 年間のスワップポイント÷365=1日あたりのスワップポイント

米ドル/円で計算してみましょう。

為替レートが1ドル=104円、保有数量が1万通貨、金利差が0.35%だとすると、

  • 1年間あたり:104円×1万×0.35%=3,640円
  • 1日あたり:3,640円÷365=9.97円

米ドル/円を買い建てていれば、1年間で3,640円が、1日で約10円のスワップポイントが付与されます。

実際のスワップポイントはFX業者によって異なる点には留意しましょう。

スワップポイントが稼げる高金利通貨の特徴

スワップポイントが稼げる高金利通貨の特徴をお伝えしていきます。まず最初に、現在高金利通貨と言われている通貨には以下のものがあります。

  • トルコリラ
  • メキシコペソ
  • 南アフリカランド
  • 中国人民元

以上の通貨が高金利通貨に該当しますが、共通していることは、比較的経済成長が大きい国の通貨であることです。

経済成長が大きい国は、消費活動が活発になり物価が上昇します。あまりに物価が上昇すると、過度なインフレを招き経済を混乱させます。

そのため、各国の中央銀行は政策金利を引き上げることで、過度なインフレを防いでいます。

すでに解説したように、政策金利の上昇はスワップポイントの増加につながります。高い経済成長が、政策金利の引き上げにつながるのです。

スワップポイントが高いFX業者

スワップポイントはFX業者によって付与される水準が異なります。

そこで、スワップポイントを少しでも多く受け取りたい方に向けて、スワップポイントを高水準に設定しているFX業者を紹介していきます。

LIGHT FX

出典:LIGHT FX

「LIGHT FX」は、JASDAQに上場している「トレイダーズホールディングス」が運営するFX業者です。

提供しているワップポイントは業界最高水準であり、コツコツ利益を積み上げていきたいトレーダーから支持されています。

スワップポイントのみならず、主要通貨ペアのスプレッドの狭さや、約定力の強さなども強みとしています。

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※スプレッド:FX業者が設定している買値と売値の差額。この差額はトレーダーからすれば取引の都度発生するコストであり、業者からすれば利益になる
※約定力:トレーダーが注文した価格で約定する強さ

みんなのFX

「みんなのFX」は、「LIGHT FX」と同じく「トレイダーズホールディングス」が運営するFX業者です。

運営元が同じであるためか、「LIGHT FX」同様にスワップポイントは業界最高水準です。異なる点は、「みんなのFX」はシステムトレードやバイナリーオプションを強みとしていることです。

※システムトレード:他のトレーダーが設計した戦略を利用できるサービス

※バイナリーオプション:通貨ペアの為替レートが指定したレートを上回るか下回るかを予測する取引

スワップポイントを優先しつつ、通常のFX取引を行いたい方は「LIGHT FX」を、自動売買やオプション取引まで視野に入れている場合は「みんなのFX」を選択すれば良いと思います。

SBI FXトレード

「SBI FXトレード」は、国内大手金融グループである「SBIホールディングス」が運営するFX業者です。

スワップポイントの水準はもちろんのこと、スプレッドの狭さ、情報力、財務基盤、どれをとっても国内トップクラスのールラウンダーな業者です。

スワップポイントを重視したい初心者におすすめの業者になります。

メジャー通貨ペアのスワップポイント一覧

メジャー通貨ペアのスワップポイントを見ていきましょう。

メジャー通貨ペアとは、米ドル/円やユーロ/円など、外国為替市場で主に取引されている通貨ペアを指します。

今回は「SBI FXトレード」が提供している、2020年11月27日適用分のスワップポイントを参考にしています。

買スワップ 売スワップ
米ドル/円 8 -11
ユーロ/円 -13 10
英ポンド/円 7 -10
豪ドル/円 1 -4
ユーロ/米ドル -26 21

参考:SBI FXトレード「スワップ履歴」

現在の水準では、買スワップでは米ドル/円が、売スワップではユーロ/ドルが、メジャー通貨ペアのなかで比較的多くのスワップポイントを受け取れる通貨ペアです。

高金利通貨ペアのスワップポイント一覧

次に、高金利通貨ペアのスワップポイントを見ていきましょう。同じく「SBI FXトレード」が提供している、2020年11月27日適用分のスワップポイントを参考にしています。

買スワップ 売スワップ
トルコリラ/円 20 -25
米ドル/フラン 22 -27
ポンド/フラン 24 -29

参考:SBI FXトレード「スワップ履歴」

高金利通貨ペアと言われるだけあり、メジャー通貨ペアと比べるとかなり多くのスワップポイントを受け取ることができます

高金利通貨ペアのスワップポイントは、メジャー通貨のスワップポイントに比べて変動するリスクが大きいため、定期的にいくら受け取っているのかをチェックする必要があるでしょう。

スワップポイントに関するQ&A

最後に、スワップポイントに関するよくある質問を見ていきます。

なぜスワップポイントがFX業者によって異なるのですか?

FX業者の方針によるものです。スワップポイントを比較的高く設定することでユーザー獲得を目指す方針の業者もいれば、スワップポイントは抑える代わりに情報発信などに力を入れる業者もあります。

スワップポイント目的で運用を始めるのであれば、先述した「LIGHT FX」「みんなのFX」「SBI FXトレード」がスワップポイントに力を入れている業者になるので、これらから選択することを推奨します。

スワップポイントが受け取れない場合はありますか?

スワップポイントが受け取れない場合の原因として、深夜の決済金利相場の変動があります。

先述したように、翌日の5:30〜7:00までポジションを持ち越してはじめてスワップポイントは付与されます。深夜0時を越えたら付与されると勘違いする方も多いので、深夜に決済しないように注意しましょう。

加えて、金利相場の変動により通貨間の金利差がなくなれば、スワップポイントは発生しません。

そのため、スワップポイントが極めて少ない、つまり金利差がほとんどない通貨ペアの場合には、相場の変動によりスワップポイントが0になる可能性にも留意する必要があります。

スワップポイントは課税されますか?

スワップポイントは申告分離課税の雑所得となり、税率は一律20.315%です。

課税の対象となるスワップポイントは、すでに決済されて利益として確定しているものです。未決済のスワップポイントは課税対象ではありません

なお、税額の確定には確定申告が必要です。

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