FXの分析方法には、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2つがあります。
FXといえば、チャートの動きを分析するテクニカル分析が重要だと言われていますが、中長期トレーダーであれば、ファンダメンタルズ分析の方が重要な場合もあります。
今回は、ファンダメンタルズ分析に焦点を当て、具体的な分析方法や注意点を解説するとともに、ファンダメンタルズ分析におすすめのFX会社を3社ご紹介します。
ファンダメンタルズ分析とは
そもそもファンダメンタルズとは、日本語で「経済の基礎的条件」と訳され、国や地域の場合は経済成長率や物価上昇率などが、企業の場合は売上高や利益などが該当します。
これらファンダメンタルズを細かく分析することで、一国の経済動向や金融市場の動向を考察していくことが、ファンダメンタルズ分析によるトレードと言います。
FXでのファンダメンタルズ分析方法
次に、FXでのファンダメンタルズ分析の具体的な方法を解説します。
結論、ファンダメンタルズを分析することがファンダメンタルズ分析なのですが、今回はFXトレードにおいてとりわけ重要なファンダメンタルズを紹介します。
FX初心者は、以下の3つのファンダメンタルズを分析することから始めましょう。
- 金融政策を分析する
- 経済指標を分析する
- 要人発言を分析する
金融政策を分析する
FXのファンダメンタルズ分析をする上で必ずチェックすべきことは、投資している通貨の国の金融政策です。
金融政策とは、金融面から経済や物価の安定のために行う政策のことであり、為替相場に大きな影響を与えます。
金融政策の中でも特に注目すべきものは次の3つです。
日銀金融政策決定会合 | 日本における政策金利を発表するイベント。年8回開催され、日本円の動向に影響を与える |
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FRB政策金利(FOMC) | 米国における政策金利を発表するイベント。年8回開催され、米ドルの動向に影響を与える |
ECB政策金利 | ユーロ圏における政策金利を発表するイベント。6週間ごとに開催され、ユーロの動向に影響を与える |
ファンダメンタルズ分析では、金融政策の動向を予測することで、どのようなポジションを持つかを決定していきます。
経済指標を分析する
FXのファンダメンタルズ分析においては、経済指標をチェックすることも極めて重要です。
経済指標とは、経済状況を構成する要因を数値化したものであり、各国の政府や中央銀行が発表しています。
経済状況を構成する要因には、雇用情勢や物価動向などがあります。
ファンダメンタルズ分析では金融政策に注目することが重要だとお伝えしましたが、金融政策は主に経済指標を判断材料として決定されます。
つまり、金融政策の動向を予測するためには、経済指標に注目する必要があるのです。
金融政策の判断材料となる経済指標や、為替相場に大きな影響を与える主な指標は以下の通りです。
景気に関する指標 | ・GDP成長率 ・小売売上高 |
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物価に関する指標 | ・消費者物価指数 ・企業物価指数 |
雇用に関する指標 | ・失業率 |
貿易に関する指標 | ・貿易収支 |
各指標の詳細な説明は割愛しますが、どれも為替相場に影響を与える重要な経済指標です。
ファンダメンタルズ分析では、ポジションとして保有している通貨ペアに関連する国の経済指標に加えて、米国の経済指標を確認するようにしましょう。
FXの世界では米ドルがもっとも取引されているので、米ドルの動向が他の通貨の動向に大きく影響します。そのため、FXトレードをしている以上は、自分のポジションにかかわらず、米国の経済指標に注目するようにしましょう。
要人発言を分析する
各国の要人発言も、ファンダメンタルズ分析において重要です。
要人発言とは、金融政策を決定する中央銀行の総裁や、経済政策を担っている大臣の発言のことです。
各国の中央銀行総裁や財務大臣の発言には、金融政策や経済政策のヒントが隠されているので、FXトレーダーをはじめとする市場参加者は要人発言に注目しています。
例えば、財務大臣が自国の経済状況に対して弱気な発言をすれば、自国経済を上向かせるような経済政策を実施すると予想できます。FXで言えば、自国経済を刺激させるような要人発言は、その国の通貨の買い材料となるのです。
このように、要人発言にはFXトレードの材料が詰まっているので、FXトレーダーは要人発言に注意する必要があります。
FXでのファンダメンタルズ分析の注意点
次に、FXのファンダメンタルズ分析の注意点をお伝えしていきます。
実際のデータをもとに相場を分析するファンダメンタルズ分析は、一見分析手法として万能に思えます。
しかし、以下の点を考慮しないと大きな損失につながる可能性があります。
- 短期的なトレードに向いていない
- 予想値との乖離に注目する
- 過去の値動きを参考にする
それぞれ解説します。
短期的なトレードに向いていない
ファンダメンタルズ分析は、デイトレードなどの短期的なトレードに向いていません。理由は、先述した経済指標の発表や金融政策の変更は毎日起こるものではないからです。
経済指標の多くは、1月に1度、もしくは四半期に1度のペースで発表されます。
そのため、中長期トレーダーにこそ、ファンダメンタルズ分析が重要であると言えるでしょう。
予想値との乖離に注目する
ファンダメンタルズ分析で重要となる経済指標や金融政策の結果は、すでに市場が織り込んでいる可能性がある点に注意しましょう。
金融市場は予定されている材料を織り込んだ上で変動しているので、経済指標の結果が良くても市場がすでに織り込んでいれば、価格はあまり変動しません。予想通りだからです。
例えば、米国の雇用統計の結果が良いと、米国の経済状況は良好だと判断されるのでドル/円の買い材料になります。
しかし、市場がすでに雇用統計の結果が良くなると予想していれば、ドル/円は大きく変動しないでしょう。雇用統計の発表時間が近づくにつれて、ドル/円は上昇していたはずだからです。
そのため、経済指標の絶対的な値ではなく、市場の予想とどのくらい離れているのか、つまり、市場予想値と結果との乖離に注目すべきなのです。
ファンダメンタルズ分析で重要となる材料が発表されるときは、市場の予想をあらかじめ認識した上で、発表値を確認することが重要となります。
過去の値動きを参考にする
ファンダメンタルズ分析は中長期投資に向いているので、材料一つで一喜一憂すべきではありません。
しかし、経済指標は定期的に発表されているので、過去の値動きは参考にすべきです。
- 市場はどの経済指標を重要視しているのか
- その経済指標が発表されるときのインパクトはどのくらいか
- 他の通貨ペアにも影響を与えていないか
上記の点を事前に確認しておくことで、今後の予測に役立てることができます。
ファンダメンタルズ分析に強いFX会社3選
最後に、ファンダメンタルズ分析に強いFX会社を3社ご紹介します。
- 外為どっとコム
- LION FX
- LINE FX
外為どっとコム

出典:外為どっとコム
外為どっとコムは、設立18年目の老舗FX会社です。50万人以上の顧客と1,100億円以上の預かり資産を抱えています。
ファンダメンタルズ分析を行う上で、外為どっとコムをおすすめする理由は次の通りです。
- 外国為替専門のシンクタンクがある
- ニュース情報が充実している
外為どっとコムはFX業界で初めて外国為替専門のシンクタンクを設立するほど、情報発信に力を入れているFX会社です。
FX初心者から上級者にまで幅広く活用してもらえるように、さまざまなレポートを作成・提供しており、情報収集には困りません。
また、FXでは極めて重要となる米国雇用統計の発表時には、著名なゲストを招いてリアルタイムでの解説を行っています。FX初心者は、経済指標の動向をどう分析すべきか参考にすることができます。
加えて、「FISCO」や「ロイター」など大手情報機関と提携しているため、幅広いマーケット情報を入手することができます。
外為どっとコムは、ファンダメンタルズ分析で欠かせない情報が豊富なのです。
LION FX

出典:ヒロセ通商
LION FXは上場企業であるヒロセ通商が運営しているFX取引サービスです。
LION FXのファンダメンタルズ分析をする上での強みは次の通りです。
- 独自の情報コンテンツが豊富
- メール送信機能・アラート機能が便利
LION FXでは他社にはない独自の情報コンテンツを多数提供しています。
プロのFXトレーダーでもある小林社長の「小林芳彦のマーケットナビ」や、FXトレードの材料をインプットできる「かざみどり」など、ユニークなコンテンツが満載です。
もちろん、ニュースの量も豊富であり、1日約520本のニュースを配信しています。
加えて、LION FXでは、設定した為替レートに達した瞬間を知らせてくれる「アラート通知」や、重要指標をいち早くキャッチできる「経済指標メール送信サービス」が利用できます。
ファンダメンタルズ分析をする上で申し分ない情報量と、便利な通知機能で、取引チャンスを逃さない環境を提供しています。
LINE FX

出典:LINE FX
LINE FXは、LINEの金融系子会社であるLINE証券が提供しているFX取引サービスです。
LINE FXのファンダメンタルズ分析を行う上でのメリットは次の通りです。
- 経済指標の結果をLINEで通知してくれる
- 急な価格変動を知らせてくれる
LINE FXの情報力自体は、他のFX会社と比較しても高くはありません。
しかし、コミュニケーションアプリのLINEを通じて情報収集できる利便性の高さから、今回おすすめさせて頂きました。
LINE FXでは経済指標の結果を前回分とまとめて通知してくれるので、ファンダメンタルズ分析を行う上での材料を手軽に確認できます。
また、急な価格変動が発生した際にもLINEを通じて通知してくれるので、為替相場の反転時にも即座に対応ができます。
先述したように、そもそもファンダメンタルズ分析をもとにしたトレードでは、短期的な値動きにはそこまで敏感になる必要はありません。
しかし、自分の想定以上の変動による含み損が発生するようであれば、さすがに予測を立て直す必要が出てきます。
修正をいち早く行える点で、LINE FXの通知機能はかなり便利なのです。
まとめ
今回はFXのファンダメンタルズ分析の方法や注意点を解説しました。
FXのファンダメンタルズ分析は「金融政策」「経済指標」「要人発言」を分析・予測することで行います。
また、ファンダメンタルズ分析では「短期的なトレードに向いていないこと」「予想値との乖離に注目すること」「過去の値動きを参考にすること」の3点に留意する必要があります。
以上の点を踏まえながら、ファンダメンタルズ分析を行い、FXで利益を積み上げていきましょう。
(監修:牧野章吾)